KBC高等学院
チームの特徴
沖縄県の高校サッカーは、那覇西・前原・宜野湾といった公立の古豪が長く覇権を争ってきました。そこへ「通信制高校×プロ志向の育成」という新しいモデルで風穴を開けたのが、KBC高等学院(報道では「KBC未来」とも呼ばれます)です。2017年にスポーツコース(サッカー専攻)を新設し、創部わずか10年目の2026年、インターハイ沖縄県予選で初優勝。沖縄勢として悲願の全国初出場を勝ち取りました。
スタイル: 午前は通信制のカリキュラムで普通科目やキャリアデザインを集中して学び、午後はJFA公認ライセンスを持つ指導陣のもとで人工芝グラウンドでのトレーニングに没頭する——「学業とサッカーの両立」を時間設計で解決したのが最大の特徴です。プレー面では、玉城楽監督が新人戦までに鍛えた「組織的な守備・球際の強さ・素早い切り替え」という土台の上に、2026年シーズンは「後方からつないで崩すビルドアップ」を本格導入。守備の堅さ(県予選を通じて少失点)とセットプレーの強さで、僅差の試合を勝ち切る勝負強さを身につけました。
📝 関連コラム: 【沖縄初の全国出場】KBC高等学院10年の軌跡|FC琉球連携と石川研が築いた「真の基準」のハイブリッド育成
主な実績
| 大会 | 最高成績 | 備考 |
|---|---|---|
| インターハイ(全国高校総体) | 初出場 | 2026年・沖縄勢として全国初出場 |
| インターハイ沖縄県予選 | 優勝 | 2026年・創部10年目で初優勝(男女アベック優勝) |
| 沖縄県U-18リーグ(波布リーグ) | 2部 | 2023年に2部へ昇格 |
チームの歩み
創生期(2017年〜)
2017年前後にスポーツコース(サッカー専攻)として本格始動。当初は地区大会ベスト16止まりが続き、県U-18リーグ(波布リーグ)も最下部の3部からのスタートでした。しかし沖縄初のJリーガー・石川研氏(後述)を指導陣に迎え、「プロの基準」を注入。創部わずか4年目の2018年春季大会では甲子園常連校の興南を破って初優勝し、新鋭としての地位を確立しました。
2部昇格と土台づくり(2019〜2023年)
2019年に波布リーグ3部前期優勝、2023年に県の波布リーグ2部へ昇格。県内強豪と日常的に真剣勝負を重ねる環境が、戦術理解度とフィジカル水準を大きく引き上げました。
沖縄初の全国・男女アベック優勝(2026年)
2026年5月、インターハイ沖縄県予選で創部10年目にして初優勝。決勝で古豪・前原を相手に1-1からのPK戦を5-3で制し、沖縄勢として全国初出場を決めました。同じ大会の女子の部でも、八重山高校との合同チームが決勝で名護を4-0で破って優勝。男女アベック優勝という沖縄サッカー史に残る偉業を達成しました。
強さの3本柱
① FC琉球との包括連携(ハイブリッド育成)
沖縄県唯一のJクラブ・FC琉球と連携し、FC琉球U-18の選手が学ぶ教育施設(FC琉球高等学院)と教育インフラを共有。「高体連でありながらクラブユース」という日本でも極めて稀なハイブリッド組織を形成しています。
② 沖縄初のJリーガー・石川研が築いた「プロの基準」
沖縄県出身者として初のプロサッカー選手(GK)となった石川研氏が、名古屋・ジェフ・アビスパ福岡などで培った「インテンシティ・フィジカル・戦術理解・コミュニケーションの質」という基準をチームに注入。創生期のDNAとなりました。
③ セットプレーの構造化
2025年4月、元Jリーガー(元FC岐阜)でセットプレー専門コーチの山内智裕氏を招聘。CK・FKの配置や動線、キックの質を精密にデザインし、僅差を勝ち切る得点源と守備の安定をもたらしました。
輩出した主なプロ選手(連携アカデミー含む)
KBC高等学院は創部10年と歴史が若く、2026年のW杯日本代表に同校出身のOBはいません。一方、密接に連携するFC琉球高等学院のプログラムを通じ、プロへの道が次々と開かれています。
| 選手名 | 卒業 | 現在の所属 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 幸喜祐心 | 2023年度 | FKトゥクムス2000(ラトビア1部) | FC琉球から欧州へ期限付き移籍 |
| 志慶眞巧洋 | 2025年度 | FC琉球OKINAWA(J3) | 2026シーズンよりトップ昇格(背番号58) |
※野球部からは宜保翔(オリックス)、大城元(元・読売ジャイアンツ)などプロ野球選手も輩出しています。
2026年の注目選手・チーム構成
2026年のKBCは、3年生が部全体でわずか3人という極端に若いチームで、1・2年生が主体となって全国初出場をつかみました。
| 選手名 | 学年 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 知念龍希 | 3年 | キャプテン | 数少ない3年生としてチームを牽引。決勝でも先発し若いチームをまとめた |
下級生主体ながら堅守と勝負強さで頂点に立った点に、KBCの育成の確かさが表れています。なお、同時に男女アベック優勝を達成した女子の部では、1年生の松尾瑚々と平安座りまが決勝(名護戦4-0)でゴールを挙げ、こちらも次世代の台頭を印象づけました。
※選手情報は、2026年5月30日のインターハイ予選決勝の公式試合レポートをもとに、2026年度に在籍している現役選手のみを掲載しています。お預かりした調査資料の選手一覧は3年生を多数挙げていましたが、公式レポートの「3年生は部全体で3人のみ・1・2年生主体」という記述と矛盾していたため、確認できた情報に絞りました。
2026年インターハイ沖縄県予選(第62回県総体)
KBCは2回戦から登場し、堅守を軸に勝ち上がりました。
| ラウンド | 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2回戦 | 5/24 | 八重山 | ○ 3-0 |
| 3回戦 | 5/26 | 南風原 | ○ 7-1 |
| 準々決勝 | 5/27 | 那覇 | ○ 1-0 |
| 準決勝 | 5/29 | 興南 | ○ 1-0 |
| 決勝 | 5/30 | 前原 | ○ 1-1(PK 5-3) |
優勝チームは、2026年7月25日〜8月1日に福島県(Jヴィレッジほか)で開催される全国高校総体(インターハイ)に沖縄県代表として出場します。あわせて6月20日からの全九州高校サッカー大会(福岡開催)にも、男女それぞれ沖縄代表として臨みます。
リーグ戦について(2026年)
KBC高等学院サッカー部自体は高体連(高校の部活動)の枠組みで活動し、沖縄県波布リーグ1部や県高体連の公式戦を主戦場としています。プリンスリーグ九州には直接参戦していません。一方、同校と協力体制を敷く連携アカデミー「FC琉球OKINAWA U-18」がプリンスリーグ九州1部に参戦しており、2026年前期は序盤4連敗から東福岡をアウェイで2-1で破る巻き返しを見せています(これはFC琉球U-18の成績で、KBC高等学院サッカー部自体の試合結果ではありません)。