チームの特徴
AIE国際高校サッカー部は、2026年は兵庫県・東播・淡路リーグ1部所属、淡路島を拠点とする通信制高校と合同会社KACHIの提携で運営される異色の組織。日本の高校サッカーが「高体連の部活動」と「Jクラブユース」の二極構造に支えられてきたなか、「第三の道」として全国的注目を集める新興勢力である。掲げるビジョンは「日本で最もブンデスリーガに近い組織」——全国制覇という国内の伝統的価値観から脱却し、「個人の成長」と「高校在学中からの海外プロリーグ・Jリーグへの直接輩出」を至上命題に置く。
スタイル: 上船利徳総監督(神村学園→東京国際大→ドイツでプロ)が築いた「上船メソッド」を土台に、ジェリー・ペイトン監督(アイルランド代表として1990年W杯出場、引退後アーセナルでアーセン・ヴェンゲルの下15年GKコーチ)のプレミアリーグ基準の守備組織と、エジソン氏(元川崎フロンターレトップコーチ12年・ブラジル人)の南米仕込みの個人技を融合。デュエル(1対1)の絶対的勝利とトランジションの圧倒的速さをベースに、ハイライン・ハイプレスから論理的ゲーゲンプレスを軸とする組織的基盤の上に、個人の突破力(ドリブルによる剥がし)を掛け合わせる。「自分自身で考え、状況に応じて最適なプレーを選択する」欧州基準のインテリジェンスを育成する。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 兵庫県予選 | 準優勝(2024年度) | 決勝で滝川第二と0-0からPK戦の末に惜敗、全国初出場まであと一歩 |
| 全国高校総体(インターハイ)兵庫県予選 | 準優勝(2025年度)/決勝進出(2026年度) | 2025は滝川第二と3-3の壮絶な打ち合いの末PK4-5敗、2026は再び決勝へ |
| 兵庫県東播・淡路リーグ | 3部優勝(2024)/2部優勝(2025)/1部参戦中(2026) | 下部リーグからの再出発で3年連続昇格 |
→ 新興チームながら、兵庫県の伝統的「2強」(滝川第二・神戸弘陵)に完全に割って入り、「新・3強」の中核を形成。2026年6月5日の準決勝では、前年度選手権王者でプリンスリーグ関西所属の絶対的強豪・神戸弘陵を3-1で撃破し、2年連続のインターハイ決勝進出を果たした。
チームの歩み
創生期(2021年〜):相生学院プロジェクトとして淡路島で産声
- 2021年:上船利徳氏が「高校年代から直接世界へ羽ばたける、サッカーを生活の中心に据えた育成環境」の創出を決意し、兵庫県淡路島で「相生学院高等学校サッカー部」の強化プロジェクトとして発足
- 何もない島に全国から志の高い選手を集め、元プロの指導陣を配置
- 創部わずか3年目で全国高校サッカー選手権の兵庫県予選で準優勝という劇的なスピードで結果を残す
転換点(2023年秋):パラダイムシフトの瞬間
- 2023年10月、学校側と運営・指導方針を巡る軋轢から上船監督が解任される
- この危機に、プロジェクトの理念と環境に集まっていた66名の部員の大半は、学校の看板ではなく指導者と環境への帰属を選択
- 2023年11月9日:合同会社KACHIが国際バカロレア(IB)認定校でもある通信制の「AIE国際高等学校」と業務提携し、「AIE国際高校サッカー部」を正式に発足
- これは日本の高校生スポーツにおいて「学校というハードウェア」ではなく「指導理念と環境というソフトウェア」に選手が価値を見出すという、欧州クラブユースに近いダイナミズムを証明した歴史的インシデント
新興黄金期(2024年〜2026年):「新・3強」の中核へ
- 2024年:東播・淡路リーグ3部を無敗で制覇/選手権兵庫県予選で再び決勝進出も滝川第二にPK戦で惜敗
- 2025年:東播・淡路リーグ2部優勝&1部昇格/インターハイ予選決勝で滝川第二と3-3からPK4-5の死闘
- 2026年:東播・淡路リーグ1部参戦中/インターハイ予選で神戸弘陵を3-1で撃破して2年連続決勝進出
強さの3本柱:日本サッカー育成のパラダイムシフト
① 学校組織への過度な依存からの脱却(通信制×プロ運営)
通信制高校の柔軟なカリキュラムにより、在学中でも学業を継続しながら欧州クラブへ長期練習参加が可能。運営母体の合同会社KACHIはドイツをはじめ欧州クラブへの強力なコネクションを持ち、有望選手には「高校卒業を待たずに、チャンスが来た瞬間に海外へ出ろ」というスタンスを貫く。日本の育成年代における「時間の機会損失」を最小化する合理的アプローチ。
② 世界基準のプロフェッショナル指導陣
- 上船利徳 総監督:神村学園→東京国際大→ドイツ・KFC UERDINGENでプロ経験
- ジェリー・ペイトン 監督兼コーチ:アイルランド代表1990年W杯出場、引退後アーセナルでアーセン・ヴェンゲルの下15年GKコーチ、ヴィッセル神戸・清水エスパルスでの指導歴も
- エジソン(ジュニアユース総監督・U-16コーチ):読売クラブ・ベルマーレ平塚でのプレー経験、川崎フロンターレトップチームコーチを12年務めたブラジル人指導者
- コビ監督:モロッコ人指揮官で「サッカーと英語」を融合した指導(ジュニア年代)
③ 最高峰の施設環境と全人的教育
- 淡路島の広大な土地を活かし、天然芝5面・人工芝1面・屋内人工芝1面というJ1クラブを凌ぐ環境
- 学校から徒歩30秒の学生寮(電子キー・男女別動線、あえて2〜4名相部屋で他者との共存を学ぶ)
- 淡路島の地元食材を使った自前運営の学食でアスリート栄養管理
- 株式会社ティア冨安徳久社長ら経営者・著名人による定期講演会で社会性を養う
- IBコースなど英語教育で語学力を涵養
輩出した主なプロ選手
※2026 FIFAワールドカップ日本代表OBについて
AIE国際(および前身の相生学院プロジェクト)は2021年発足の極めて新しい組織であり、第一期生がプロ入りしてからまだ数年しか経過していないため、2026年W杯日本代表に同校OBは現時点では含まれていません。
しかし、AIE国際が掲げる「高校在学中からの欧州挑戦」というパイプが結実し、福井・日髙に続く後進が欧州トップリーグへ直接羽ばたく流れが定着すれば、2030年・2034年のW杯で同校出身者がサムライブルーの中心選手としてピッチに立つ可能性は極めて高い。
Jリーグ・国内外で活躍するOB
- 日髙 光揮(MF/SB、ヴィッセル神戸、背番号44):ガンバ堺→前身の相生学院→2022年J1ヴィッセル神戸へ加入。加入直後の2022年8月にスペイン2部・CDアトレチコ・パソへ異例の期限付き移籍(「世界へのパイプ」の実証)→約1年の欧州武者修行を経て2023年6月に神戸復帰。本来のボランチからサイドバックへとコンバートされ戦術的柔軟性を獲得、2026年もACL(AFCチャンピオンズリーグエリート)含むJ1の舞台でレギュラー定着を狙う
- 福井 悠人(FW、東邦チタニウム=関東サッカーリーグ1部):賢明学院中→前身の相生学院→高校在学中の2021年6月にJ3カマタマーレ讃岐への加入内定とJFA・Jリーグ特別指定選手認定(「高校在学中からのプロ入り」を体現)。2021〜2024年に讃岐でJ3を経験し、2025年からは関東1部の東邦チタニウムへ移籍してキャリアの次なるステップを歩む
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
→ 日髙の「J1→欧州→J1復帰でACL出場」、福井の「高校在学中プロ契約→J3→社会人」という多様なキャリアパスが、AIE国際の掲げる「機会損失を最小化し、選手のキャリアを最大化する」哲学を体現している。
2026年の注目選手(現役高校生世代)
セレッソ大阪U-15・ザスパクサツ群馬U-15・ヴィッセル神戸伊丹といったJユースや、全国の強豪街クラブから「本気でプロを目指す」志の高い選手が集結。北は北海道から南は沖縄まで、国際的ルーツの選手も含む多様性が競争レベルを高めている。
3年生の主力(一部抜粋)
| 選手 | ポジション | 前所属 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 高野 大吉 | CMF/CB | Reiz長岡fc | 全体を見渡す精度の高いサイドチェンジ |
| 川島 悠翔 | GK | 京都精華学園中 | 圧倒的なセービングと1対1のシュートストップ |
| 柳原 康祐 | SH | プロフェッショナルアカデミー淡路島 | 局面を打開する鋭いドリブル突破 |
| 吉野 航 | MF | プロフェッショナルアカデミー淡路島 | 攻撃のリズムを作る正確なパスメイクと展開力 |
| 白兼 悠翔 | ボランチ | プロフェッショナルアカデミー淡路島 | 意表を突くクリエイティブなスルーパス |
| 城本 奏人 | ST | 住吉大社SC | DFラインの死角を突く絶妙な裏への抜け出し |
| 根無 遼馬 | CB | FC TRIGGER | 対人守備の絶対的強さとフィジカル |
| 甘中 夢羽 | FW/SH | ロサーノFC | ドリブルと空中戦の強さのハイブリッド |
| 上間 湧太 | SH | FCグランデ那覇 | 独特なリズムでDFを翻弄するドリブル |
| 飯野 龍太郎 | GK | ザスパクサツ群馬U-15 | ビルドアップを支える高精度キック |
下級生の有望株
2年生では 西田悠真(FC湖東)、松元悠眞(プロフェッショナルアカデミーu15)、近藤斗真(帝京大可児中)ら、1年生では デ グズマン シノハラ ジェアン カルロス(セレッソ大阪U-15)、樋口旺甫(ヴィッセル神戸伊丹)など、Jユース経験者を含む全国規模の有望株が多数。プロフェッショナルアカデミー淡路島(内部下部組織)からの昇格選手も背骨を形成している。
2026年 全国高校総体(インターハイ)兵庫県予選 全戦績
| 日付 | ラウンド | 試合 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 5/3 | 1回戦 | vs 西宮北・苦楽園 | ○ 3-1 |
| 5/9 | 2回戦 | vs 姫路東 | ○ 3-0 |
| 5/17 | 3回戦 | vs 星陵 | ○ 3-1 |
| 5/30 | 準々決勝 | vs 明石城西 | ○ 4-0 |
| 6/5 | 準決勝 | vs 神戸弘陵学園 | ○ 3-1(プリンス関西1部・前年度選手権兵庫代表を撃破) |
| 6/7 | 決勝 | vs 滝川第二 | (予定) |
→ 5試合で16得点・3失点という圧倒的な攻撃力と堅守。2026年6月7日の決勝・滝川第二戦は、2024年度選手権決勝(0-0からPK敗北)・2025年度インハイ決勝(3-3からPK4-5敗北)と同カードの「3度目の正直」。過去2回はいずれもPK戦で涙を呑んでおり、悲願の全国大会初出場をかけたリベンジマッチとなる。プリンスリーグ未到達ながらプリンスリーグ所属チームを撃破する実力はすでに証明済み。