チームの特徴
清水エスパルスユースは、2026年はプリンスリーグ東海所属、静岡県静岡市清水区を本拠地とするJクラブアカデミー。「サッカー王国・静岡」を土台に、1992年のJリーグ開幕とともに誕生した清水エスパルスの育成組織として、中体連・高体連が絶対的だった黎明期からクラブ主導の一貫育成ピラミッドを築いたパイオニアのひとつ。ユース在籍中の1998年に17歳322日という日本代表史上最年少記録でA代表デビューを飾った市川大祐を筆頭に、「ユースから世界へ」という道筋を日本サッカー界に示してきた。
スタイル: アカデミーの根幹は「ACADEMY PLAYING PHILOSOPHY」。「競争+協調=共創」「自発+自律=自立」を軸に、ジュニア年代からの「サッカーノート(DREAM NOTE)」で論理的思考力・自己分析力を育てる全人的アプローチが独自性。2026年に就任した市川大祐監督は、トップチームでトランジションコーチを務めた経験を反映し、攻守の切り替え(トランジション)を極限まで高めたアグレッシブなスタイルを志向。即時奪回(ネガティブ・トランジション)と縦への鋭い推進力(ポジティブ・トランジション)を根幹に、プロ基準のインテンシティを追求する。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本クラブユースサッカー選手権(U-18) | 優勝(2002年・2019年) | 2002年は第26回大会でグループリーグ無失点の初優勝、2019年に17年ぶりの夏の全国制覇 |
| 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ東海(2026) | 第9節終了時点 2位 | 6勝1敗2分・勝点20。プレミアリーグ復帰を目指す |
| ジュニアユース(U-15)三冠 | 2016年 | JFAプレミアカップ・クラブユース選手権(U-15)・高円宮杯U-15の3冠。この世代がユースへ昇格 |
→ 2002年・2019年のクラブユース選手権制覇に加え、2016年には中学年代(ジュニアユース)で三冠を達成。全国トップクラスの育成力を証明し続けている。※近年はプレミアリーグからの降格・参入戦での惜敗(2025年12月・愛媛FC U-18戦でPK負け)を経験し、プレミア復帰が現体制の至上命題。
チームの歩み
創生期(1990年代〜):市川大祐の衝撃
- 1992年:Jリーグ開幕とともに清水エスパルスが誕生。清水FCなど地域の少年団と連携し、クラブ主導の中長期育成システムを早期に構築
- 1998年:ユース在籍中の市川大祐が飛び級でトップ出場、さらに17歳322日で日本代表史上最年少A代表デビュー(フランスW杯直前)。アカデミーの育成力を全国に知らしめた
- 野澤洋輔・平松康平・谷川烈らが続き、「ユース出身者がトップを牽引する」理想的な供給サイクルの原型が形成
体制確立期(2000年代〜):哲学の言語化
- 属人的才能への依存から脱却し、指導のシステム化を推進。「ACADEMY PLAYING PHILOSOPHY」と「7つのストラテジー」を制定
- ジュニア年代からのサッカーノートで論理的思考を習慣化
黄金期(2002年・2016年・2019年)
- 2002年:第26回クラブユース選手権(U-18)で初優勝。山本海人・杉山浩太・枝村匠馬・阿部文一朗・鈴木真司の5名がトップ昇格し2000年代中盤の中核に
- 2016年:ジュニアユースが三冠。成岡輝瑠・梅田透吾・川本梨誉らがこの世代からプロへ
- 2019年:クラブユース選手権(U-18)で17年ぶり優勝
育成インフラと広域スカウト
- 拠点は鈴与三保グラウンド。2012年に人工芝を全面改修し、新設の鈴与三保クラブハウスは約300人収容の津波避難ビルを兼ねる(東日本大震災の教訓を反映)。選手寮ではトップの若手と共同生活し、早期の自立を促す
- 少子化と県内強豪(静岡学園など)・他Jクラブとの競争を背景に、スカウト網は全国・海外ルーツの選手へ拡大
現体制(2026年〜):市川大祐監督のもとで
- クラブの象徴・市川大祐が2026年にユース監督へ就任。「1人でも多くの選手をトップへ」「プレミアリーグ復帰」を至上命題に掲げる
- OBの齊藤聖七が現役引退後すぐに「育成部スカウト担当」へ就任するなど、"血の循環"が新フェーズへ
強さの3本柱:サッカー王国の伝統×クラブ主導のアップデート
① 論理的思考を育てる「サッカーノート」
ジュニア年代から日々の気づき・課題・目標を言語化する習慣を徹底。技術・戦術偏重に陥りがちな育成環境で、プロや社会人として不可欠な自己分析力・マインドセットを体系的に鍛える。
② 地域と共生する育成インフラ
津波避難ビルを兼ねる鈴与三保クラブハウス、トップ若手と暮らす選手寮など、選手が「地域に守られ、地域を背負う存在」であることを日常的に自覚できる環境。
③ 多様性(国際化・広域化)
地元静岡の下部組織育ちを基盤に、沖縄・宮城・岩手・佐賀など全国、さらに英国・中国にルーツを持つ選手も在籍。異質な才能がポジションを争うことで、国際基準のタフネスと適応力が育成年代から醸成される。
輩出した主なプロ選手
日本代表・海外で活躍するOB(2026年所属確認済)
- 北川 航也(FW、清水エスパルス):オーストリア・SKラピード・ウィーンを経て復帰。2026年は背番号49・キャプテンとして3年ぶりのJ1でチームを牽引する絶対的エース(日本代表8キャップ)
- ノリエガ・エリック(DF、グレミオ=ブラジル1部、ペルー代表):愛知県生まれで6歳からペルー、日本に戻り清水ユースで育つ。清水・町田や欧州を経て南米へ渡り、アリアンサ・リマでの活躍でペルー代表に定着。2025年夏にブラジルの名門グレミオへ移籍し1部で得点を記録
- 犬飼 智也(DF、柏レイソル):鹿島・浦和を渡り歩き、2025年から柏レイソルのキャプテン。長年J1第一線で最終ラインを統率
- 西澤 健太(MF、サガン鳥栖):ユースから直接昇格が叶わず筑波大を経て清水に戻った「大卒ユースOB」の先駆者。2025年に鳥栖へ完全移籍し2026年にキャプテン就任
Jリーグ各地・海外で活躍するOB(2026年所属確認済)
- 石毛 秀樹(MF、ウェリントン・フェニックスFC=ニュージーランドが本拠だがオーストラリアAリーグ・メンに所属):清水・岡山・G大阪を経て2024年9月に海外挑戦。移籍初年度から主力として活躍
- 立田 悠悟(DF、ファジアーノ岡山):191cmの長身CB。コパ・アメリカ2019で日本代表デビュー。柏を経て2025年より岡山
- 長沢 駿(FW、京都サンガF.C.):192cmの大型ストライカー。G大阪・仙台・大分などで得点を重ね、2025年に13年ぶりの京都復帰を果たした
- 成岡 輝瑠(MF、レノファ山口FC):卓越したボールコントロールを持つMF。育成型期限付き移籍を経て2025年に山口へ完全移籍
- 梅田 透吾(GK、清水エスパルス):世代別代表経験を持つ大型GK。岡山への武者修行を経て清水に復帰
- 川本 梨誉(FW、藤枝MYFC):2016年三冠世代。岡山・群馬・秋田・岐阜での実戦を経て、2026年に地元静岡のJ2・藤枝MYFCへ
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式・清水エスパルス公式などでご確認ください。
→ 北川・犬飼・西澤ら各J1クラブのキャプテンを歴任するリーダー、石毛(NZ)やノリエガ(ブラジル・ペルー代表)といった海外で主力を張る選手まで、個人のポテンシャルをプロ基準へ引き上げる本質的な育成力が光る。
2026年の注目選手(現役高校生世代)
地元静岡の下部組織出身に加え、沖縄・宮城・岩手・佐賀、さらに英国・中国出身までを含む多様なスカッド。クラブ公式のユース選手紹介をもとに、主軸となる現役世代を抜粋する。
| 選手 | ポジション | 前所属/特記事項 |
|---|---|---|
| 大垣 徹平 | DF | 横浜FC鶴見JY/180cm。1学年下ながらU-16日本代表(インターナショナルドリームカップ2026)に選出された最終ラインの逸材 |
| 杉山 琥二郎 | MF | 清水エスパルスJY/地元藤枝出身、中盤で攻撃のリズムを作る |
| 佐野 丈梓 | MF | 清水エスパルスJY/182cmのサイズを持つMF |
| 宇山 蒼介 | FW | 清水エスパルスJY/富士市出身、前線での得点力 |
| 内田 康楠 | GK | 清水エスパルスJY/英国出身、178cmの守護神 |
| 仲村 南星 | DF | casa okinawa(沖縄)/対人に強い最終ライン |
| 佐藤 利仁 | FW | FC FUORICLASSE SENDAI(宮城)/178cmのアタッカー |
| 沙明(SHAMIN) | FW | 清水エスパルスJY/中国・山東省出身、184cmの大型ストライカー |
→ 地元静岡のジュニアユース昇格組(杉山・佐野・宇山ら)を基盤に、沖縄・宮城・岩手・佐賀からのスカウト組、英国・中国にルーツを持つ選手が融合。U-16日本代表・大垣徹平を筆頭に、多様な才能が日常的に競争する環境が国際基準の適応力を育てている。
2026年プリンスリーグ東海 前半戦
| 節 | 日付 | 対戦 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | vs 三重 | ○ 3-1 |
| 第2節 | 4/11 | vs 愛工大名電 | ○ 2-1 |
| 第3節 | 4/18 | vs 帝京大可児 | △ 1-1 |
| 第4節 | 4/25 | vs 富士市立 | ○ 6-0(アウェーで大勝) |
| 第5節 | 5/3 | vs 東海大翔洋 | ○ 3-0 |
| 第6節 | 5/6 | vs 藤枝明誠 | ○ 4-1 |
| 第7節 | 5/9 | vs 浜松開誠館 | △ 1-1 |
| 第8節 | 6/13 | vs 藤枝東 | ○ 1-0(静岡ダービーを競り勝ち) |
| 第9節 | 7/5 | vs 静岡学園 | ● 1-2(無敗対決で今季初黒星) |
→ 第9節終了時点で6勝1敗2分・勝点20、東海1部の2位(首位・静岡学園を勝点5差で追う)。開幕から無敗を続け、第4節では富士市立を6-0で圧倒するなど攻撃力を発揮(9試合で22得点・7失点)。第8節の静岡ダービー・藤枝東戦を1-0で競り勝った一方、第9節は台風で延期された無敗同士の首位攻防戦で静岡学園に1-2と敗れ今季初黒星。市川大祐監督の下でトランジションを軸とした新戦術が浸透しつつあり、後半戦(9月〜)はプレミアリーグ参入戦(プレーオフ)出場権の確保が焦点となる。
※結果は高校サッカードットコム(koko-soccer.com)のプリンスリーグ東海ページを出典に照合。順位・戦績は毎日の自動更新で最新化されます。