チームの特徴
昌平高校サッカー部は、プレミアリーグEAST所属、埼玉県北葛飾郡杉戸町を本拠地とする私立高校サッカー部。1979年(昭和54年)創部当時は「東和大昌平高校」として埼玉県内では完全な無名校だったが、2007年の校名変更と2006年の藤島崇之監督招聘を起点に、わずか十数年で全国屈指の強豪校へと変貌を遂げた。下部組織「FC LAVIDA」との実質的な中高一貫体制と、Jリーグユースアカデミーに匹敵する育成効率を部活動の枠組みで実現した極めて革新的な存在。
スタイル: 日本の高校サッカー界に「フィジカル+ロングボール」が主流だった2000年代後半に、「卓越したテクニックと緻密なパスワーク」という真逆の哲学を導入。個人の高いボールコントロール技術・インテリジェンス・連動性で屈強な相手を論理的に凌駕する「ポゼッション・フットボール」を確立。2025年からは芦田徹新監督のもと、これに「攻守において主導権を握りアグレッシブに戦う」ダイナミズムとハイプレッシングを融合させ、より総合力の高い「勝てるチーム」へと進化を図っている。
主な実績
| 大会 | 優勝年 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校総体(インターハイ) | 2024年 | 創部以来悲願の全国制覇、決勝で神村学園を3-2で撃破 |
| 全国高校総体 ベスト4 | 2016年・2018年 | 全国初出場の2016年に東福岡・静岡学園を撃破 |
| 全国高校サッカー選手権 ベスト8 | 2019年・2020年 | 2020年は須藤直輝ら4名プロ内定の黄金世代 |
| 全国高校サッカー選手権 県大会 | 2014年〜複数回 | 2014年に創部初の全国大会出場 |
| 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ EAST | 2026年〜継続出場 | プリンス関東→プレミアEAST昇格、全国最高峰の舞台で常設出場 |
→ 2024年インターハイ初優勝は、玉田圭司前監督体制での到達点。決勝・神村学園戦は3-2の打ち合いを制した名勝負として高校サッカー史に刻まれた。
チームの歩み
無名時代(1979〜2006年):県内予選敗退の連続
- 1979年(昭和54年):当時の校名「東和大昌平高校」としてサッカー部創部
- 武南高校を筆頭とする埼玉県内の伝統校が覇権を握る中、強化指定もなく県予選で初戦〜数回戦敗退が常態化
- 全国大会出場は「非現実的な夢想」に等しい状況が続く
改革始動期(2006〜2013年):藤島崇之招聘とFC LAVIDA構想
- 2006年:青森山田中学校の監督経験を持つ藤島崇之氏を監督として招聘 — 学校史を変える決定的人事
- 2007年:「昌平高校」へ校名変更、学園を挙げてのスポーツ強化が本格スタート
- 「卓越したテクニックと緻密なパスワーク」というスタイルを当時の高校サッカー界に逆行する形で導入
- 下部組織「FC LAVIDA」と連携を強化し、実質的な中高6年一貫育成の基盤を構築
- 2013年:選手権埼玉県予選で初のベスト4進出、ようやく県内勢力図に名を刻む
ブレイクスルー期(2014〜2016年):全国デビュー
- 2014年:新人戦・選手権県大会で初の県大会優勝、創部以来初の全国大会出場
- 2015年:「プリンスリーグ関東」昇格、Jクラブユースと真剣勝負の舞台へ
- 2016年インターハイ:全国大会初出場ながら大会2連覇中の東福岡、技巧派の代表格・静岡学園を撃破してベスト4進出 — 全国に「昌平のパスサッカー」の衝撃を与える
黄金期(2018〜2024年):プレミア定着&悲願の日本一
- 2018年インターハイ:青森山田・大津を下し2大会ぶりのベスト4
- 2019年選手権:堂々のベスト8入り
- 2020年:須藤直輝ら4名のプロ内定者を擁し、「優勝候補筆頭」として選手権ベスト8
- 2024年インターハイ:元日本代表ストライカー・玉田圭司監督体制で、決勝・神村学園を3-2で撃破し創部以来悲願の全国制覇
新体制(2025年〜):芦田徹監督就任
- 2025年4月1日:第3代監督として芦田徹氏が就任 — 公立校・市立長野を選手権初出場に導いた指導者
- 「日本一を目指すのはもちろん、結果だけではなく〝日本一人が育つクラブ〟をつくる」という新ビジョンを掲げる
- 攻守において主導権を握るアグレッシブ・ポゼッションへとアップデート中
強さの4本柱:高校サッカーのパラダイムシフト
① 「FC LAVIDA × 昌平高校」の実質6年一貫育成
日本の高校サッカー部が宿命的に抱える「3年間という育成期間の短さ」を、ジュニアユース「FC LAVIDA」との強固な連携で実質6年間の育成サイクルに拡張。中学3年間で技術・認知・判断・パスワーク戦術の土台を完成させ、高校3年間を「戦術の高度化とフィジカル最大化、個のストロングポイントの伸長」に全振りできる。これはJクラブアカデミーと同等以上の育成効率を、部活動の枠組みで実現した革命的構造。
② 「テクニック×パスワーク」という揺るぎないアイデンティティ
2006年以降、藤島崇之体制で構築されたポゼッション・フットボール哲学は20年間ブレずに継承。フィジカルや体格で劣る選手でも、高いボールコントロール技術・インテリジェンス・連動性で勝てる論理性が、技術志向の若手プレーヤーから強烈な「憧れの磁場」を生み出し、県内外の有望な才能が自発的に集まる好循環を創出。
③ 学園内・人工芝グラウンドのインフラ完結性
学園内に高品質な人工芝グラウンドを完備し、天候に左右されないトレーニングを年間通じて実施。バウンドが予測しやすく高速パス回しの精度を日常的に追求できる路面は、昌平の哲学を体現する不可欠なインフラ。プレミア・全国大会の主要会場(人工芝・天然芝)でのパフォーマンス安定にも直結。
④ 国際化と日本代表選出のエコシステム
所属選手のアンダー世代日本代表選出と海外遠征が日常化。大谷湊斗(現筑波大学、U-18日本代表・スペイン遠征)、笠原慶多(U-16日本代表・ウズベキスタン遠征)、オツコロ海桜(U-15/U-16日本代表・フランス遠征)など、高校生のうちから世界基準のフィジカル・プレースピード・戦術強度を体感する仕組みが定着。「世界基準のプロ選手を輩出するエリートアカデミー」への完全変貌。
輩出した主なプロ選手
2026年新加入!話題のフレッシュなOB
- 長 璃喜(MF/FW、川崎フロンターレ):2026年新加入、世代屈指のアタッカー、切れ味鋭いドリブルとカットインからの強烈なシュートが武器。1年時の選手権でスーパーサブとして3試合連続ゴール、2年時の2024年インターハイ決勝で2得点1アシストと全得点に絡んでチームを日本一に導いた立役者
- 山口 豪太(MF、湘南ベルマーレ):2026年新加入、FC LAVIDA出身で背番号10を背負ったゲームメイカー。卓越したボールコントロールと正確な左足、ドリブル突破でのチャンスメイクが真骨頂、2024年インターハイで5アシストを記録し優勝を強力に牽引
Jリーグの主力として活躍するOB(2026年所属確認済)
- 松本 泰志(MF、サンフレッチェ広島):2026年1月浦和レッズから完全移籍で広島復帰。サンフレッチェの中盤を支える昌平OBの代表格
- 鎌田 大夢(MF、ベガルタ仙台、背番号10):鎌田大地(クリスタル・パレス)の弟、仙台でゲームメイカーとして君臨、契約更新で背番号10を継承「10番の似合う男になれるように成長します」
- 針谷 岳晃(MF、福島ユナイテッドFC):J3福島で中盤の核として継続活躍
- 佐相 壱明(FW、松本山雅FC):2023年12月にSC相模原から松本山雅へ完全移籍、FWとして信州の地で奮闘
- 屋宜 和真(栃木SC、2025年〜):昌平高校(2018-2020)→平成国際大学経由でJリーグ入りした大卒プロルートの先駆者、2026年現在リーグ戦8試合出場の即戦力
- 原田 虹輝(MF、ラインメール青森FC=JFL):川崎フロンターレ→AC長野パルセイロ(育成型期限付き)を経て2024年完全移籍
海外でキャリアを積むOB
- 須藤 直輝(MF、プレストン・ライオンズFC=オーストラリア2部):2020年世代のエース、鹿島アントラーズで6年プレー後2025年契約満了、2026年2月に豪州2部のプレストン・ライオンズFCへ加入し新天地で再起を期す
その他の代表的OB
鎌田 大夢の系譜を含め、7年連続でJリーガーを輩出しているのが昌平の真の凄み。多くのOBが中盤からアタッキングサードを主戦場とし、高いボールコントロール技術・戦術眼・狭いスペースを打開するアジリティという昌平のDNAを継承している。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
前線(FW/MF)
| 選手 | 学年 | 前所属 |
|---|---|---|
| 山本 翔大 | 3年 | FC LAVIDA |
| 齋藤 結斗 | 3年 | アメージングアカデミー |
| 島田 大雅 | 2年 | FC LAVIDA |
| 白須 裕基 | 2年 | FC LAVIDA |
| 立野 京弥 | 1年 | FC LAVIDA |
| 長谷川 昂星 | 1年 | アメージングアカデミー |
| オツコロ 海桜(#18) | 1年 | FC LAVIDA U-15 |
ディフェンスライン
| 選手 | 学年 | 前所属 |
|---|---|---|
| 金沢 和樹 | 3年 | FC LAVIDA |
| 笠原 慶多 | 2年 | FC LAVIDA |
| 松本 太佑 | 2年 | FC LAVIDA |
| 田﨑 蒼人 | 2年 | RIPACE SC |
| 岩堀 匠隼 | 2年 | ジェフユナイテッド千葉U-15 |
| 大橋 アンドレス龍 | 1年 | FC ENGLAND |
全国レベルで評価される逸材
- 笠原 慶多(DF・2年):U-16日本代表追加招集でウズベキスタン遠征経験、対人の強さとフィジカル基盤を武器に守備の核
- オツコロ 海桜(FW・1年):元ラグビー日本代表の父を持つアスリート、U-15/U-16日本代表でフランス遠征を経験、1年生ながらプレミアEAST戦線投入
- 田﨑 蒼人(DF・2年・RIPACE SC出身)、岩堀 匠隼(DF・2年・ジェフ千葉U-15出身):FC LAVIDA出身者と融合する外部からの精鋭スカウト組
→ 登録メンバーの大半がFC LAVIDA出身で共通の戦術言語を6年共有しつつ、外部からのエリートタレントが競争を激化させる構造。1年生から3年生まで学年に関係なく実力主義で起用される徹底した競争環境がチーム全体を底上げ。
2026年プレミアリーグEAST 序盤戦
| 節 | 日付 | 試合 | 結果 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | vs 東京ヴェルディユース | 3-0 勝利 | 松本・立野・島田 |
| 第2節 | 4/12 | vs 青森山田高校(A) | 0-1 敗北 | - |
| 第3節 | 4/18 | vs 川崎フロンターレU-18(A) | 1-3 敗北 | 飯島 |
| 第4節 | 4/25 | vs 前橋育英高校 | 1-1 引分 | 工藤 |
| 第5節 | 4/29 | vs 横浜FCユース(A) | 3-4 敗北 | 島田・立野・長谷川 |
| 第6節 | 5/5 | vs 鹿島アントラーズユース | 1-3 敗北 | 島田 |
| 第7節 | 5/10 | vs 帝京長岡高校(A) | 1-4 敗北 | オウンゴール |
| 第8節 | 5/17 | vs 流通経済大学付属柏高校 | 0-1 敗北 | - |
| 第9節 | 5/23 | vs 柏レイソルU-18 | 1-0 勝利 | 古川 |
2026年5月27日時点のリーグ戦績:2勝1分6敗・10位(9試合消化)
→ 芦田新体制の戦術浸透期にあたり、青森山田・川崎U-18といった全国トップ相手の競り負けが続く厳しい滑り出し。一方で柏U-18戦の90+2分劇的勝利は新体制下でのメンタリティ強化が確実に進んでいる証左。「学ぶフェーズ」から「勝ち切るフェーズ」への移行と、芦田監督が掲げる「アグレッシブに主導権を握るサッカー」×「絶対的な技術基盤」の融合完成度が後半戦の鍵。