チームの特徴
帝京長岡高校サッカー部は、プレミアリーグEAST所属、新潟県長岡市を本拠地とする私立高校サッカー部。1981年創立、日本有数の豪雪地帯という致命的なハンディキャップを「狭小空間における極限のボールコントロール養成の最適環境」へと再定義した革命児。体育館の平滑な床面でのフットサルトレーニングを通じて確立した「フットサル戦術の11人制応用」は、日本の高校サッカー界に強烈なパラダイムシフトを迫り、雪国・新潟から全国制覇を射程に捉える地方校の新たな希望となった。
スタイル: 「サッカーを学ぼう」を哲学に、ポジショナルプレーの高度な追求+フットサルの「エイト」「ピヴォ当て」「アラ・コルタ」などを11人制サッカーに応用。古沢徹監督体制では、伝統的なポゼッションサッカーに現代的なインテンシティとプロフェッショナリズムを融合させ、強豪Jクラブユース勢ともポゼッションで真っ向勝負する稀有なスタイル。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権大会 | ベスト4進出(複数年) | プロ顔負けのビルドアップで全国を魅了 |
| 全日本U-18フットサル選手権大会 | 全国優勝(複数年) | フットサル基盤を全国レベルで実証 |
| 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグEAST | 継続参戦 | 全国最高峰の舞台でJクラブと真っ向勝負 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 上位常連 | 県予選で新潟明訓との激戦を制し続ける |
→ フットサル全国優勝+選手権ベスト4という、技術と認知に特化した育成メソッドの正当性を実証。
チームの歩み
創生期:体育館トレーニングの誕生
- 冬季の豪雪で屋外練習が不可能という致命的ハンデを、体育館での足裏ボールコントロール×狭いエリアでのポゼッションへ転換
- 摩擦係数が低く球足が速い平滑な床面が、選手たちのファーストタッチ精度と認知判断スピードを強制的に高める
- 「狭い局面での局地戦を制する力」を全国大会で強豪相手に発揮する武器へと発展
体制確立期:「サッカーを学ぼう」哲学の確立
- 谷口哲朗総監督が地域社会と連動した「NPO法人 長岡JYFC(ジュニアユースフットボールクラブ)」を立ち上げ
- 日本の高校部活動で散見されるトップダウン命令型・根性論からの完全脱却
- 古沢徹監督による選手との対話を重視するファシリテーター型指導を確立
- フットサル戦術を11人制に応用する論理的・能動的アプローチが体系化
全国制覇期:「黄金期」の到来
- 全国高校サッカー選手権でベスト4以上の成績を複数回達成
- 「いかにして勝ったか」の内容がプロ顔負けのビルドアップ・ショートパス・フットサル仕込みの崩しとして全国に衝撃
- 小塚和季・谷内田哲平・田中克幸ら「黄金世代」がチームを支える
- 全日本U-18フットサル選手権大会で全国優勝、技術的基盤の正当性を別カテゴリーでも実証
現体制(2026年〜):プレミアリーグの過酷な舞台へ
- 高円宮杯プレミアリーグEASTという日本最高峰のリーグで、Jクラブユース勢相手にポゼッションで真っ向勝負
- 古沢監督による「心理的アプローチ・ピーキングの精度向上」というプロフェッショナリズム習得フェーズへの進化
強さの4本柱:雪国からの世界基準
① 「フットサル戦術の11人制応用」という独自哲学
体育館の平滑な床面でのフットサルトレーニングで身体化された「足裏ボールコントロール・狭いエリアのワンタッチパス・フットサル特有のトランジション」が、全国大会で強度の高いプレッシングを仕掛けてくる強豪校を論理的に解体する。フットサルの「エイト」「ピヴォ当て」「アラ・コルタ」といったグループ戦術を11人制バイタルエリア攻略に意図的かつ頻繁に使用する世界に類を見ないスタイル。
② 長岡JYFCを中心とした「まちのクラブ」型一貫育成
NPO法人 長岡JYFCは単なる高校への選手供給源を超えた、新潟県長岡市のスポーツ文化のハブ。中学年代から帝京長岡の高度な戦術的基盤と技術的基準を徹底的に叩き込み、高校入学時点で戦術理解の基礎工事が完了している状態を作る。長谷川瑛太・遠藤琉加ら生え抜きが1年次から公式戦で頭角を現すエコシステム完成。
③ 「サッカーを学ぼう」の知的・主体的指導哲学
日本の高校部活動の命令型指導からの完全脱却を体現。ピッチ上の選手自身が状況を認知・判断し、理論的な最適解を瞬時に導き出す能力を育成。古沢監督の選手との対話を重視するファシリテーター型指導は、旧態依然とした日本の指導体制への明確なアンチテーゼとして注目される。
④ 全国規模のスカウト網と「タレント融合」
長岡JYFC生え抜きを骨格としつつ、前橋ジュニア(群馬)・名古屋グランパスU-15(愛知)・清水エスパルスJY(静岡)・P.S.T.C. LONDRINA(神奈川)・FCフレスカ神戸(兵庫)など全国の強豪育成組織から精鋭が集結。「育成力」と「魅力的なプレースタイル」が全国のサッカー少年へ強烈なブランド力を持つ証左。ライ・オーウェンなど多国籍ルーツの選手も受容する現代的多様性も特徴。
輩出した主なプロ選手
海外で世界基準を体現するOB(2026年所属確認済)
- 谷内田 哲平(MF、バリ・ユナイテッドFC=インドネシア・リーガ1):2001年生まれ、新潟県長岡市出身、長岡JYFC→帝京長岡→京都サンガF.C.→栃木SC→京都復帰→RB大宮アルディージャ→2025年末バリ・ユナイテッドFC完全移籍。「中高一貫指導の最高傑作」と評される司令塔、東南アジアの強豪クラブで国際的飛躍を目指す
Jリーグで活躍するOB(2026年所属確認済)
- 小塚 和季(MF、清水エスパルス):1994年生まれ、新潟県見附市出身、見附FC→長岡JYFC→帝京長岡→アルビレックス新潟→レノファ山口→ヴァンフォーレ甲府→大分→川崎フロンターレ→水原三星(韓国)→ソウルイーランドFC→2024年12月清水エスパルス加入。卓越したパスセンスと正確無比なボールコントロール、攻撃のタクトを振るう絶対的司令塔
- 田中 克幸(MF、北海道コンサドーレ札幌、背番号14):2002年生まれ、岡山県真庭市出身、FC Viparte→帝京長岡→明治大学→2024年北海道コンサドーレ札幌加入。左足から放たれる強烈なキックと長短ダイナミックな展開力、2024年Jリーグ初得点を記録
- 吉田 晴稀(DF、愛媛FC):長岡JYFC→帝京長岡→愛媛FC→高知ユナイテッドSC(育成型期限付き)→愛媛FC復帰。高い身体能力と帝京長岡仕込みの後方ビルドアップ能力を兼備
- 猪越 優惟(GK、栃木SC):FCみやぎバルセロナ→帝京長岡→中央大学→清水エスパルス→2025年末栃木SCへ期限付き移籍。足元の技術に優れた現代型ビルドアップGK、「後ろからつなぐ」帝京長岡哲学の体現者
多様なキャリアパスを歩むOB
- 晴山 岬(FW、品川CC=神奈川県・総合型地域スポーツクラブ):長岡JYFC→帝京長岡→FC町田ゼルビア→FC今治→ドイツ下部リーグ(複数クラブ)→品川CC。Jリーグ→ドイツ→地域クラブと、異色かつ多様な国際的キャリアを歩む
→ 帝京長岡卒業生はJ1・J2・大学経由のプロ入り+韓国・インドネシア・ドイツの海外リーグへとグローバルに活躍の場を広げる。長岡JYFC時代から一貫して育まれた技術的ベース(ボールを失わない力・認知ポジショニング)が、世界中のいかなる戦術システム・サッカー文化にも適応できる「汎用性と普遍性」を持つ証明。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式・帝京長岡サッカー部公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
攻撃の絶対的核
| 選手 | ポジション | 学年 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 児山 雅稀 | FW | — | プレミアEAST 6得点でリーグ得点ランキング4位タイ、チーム総得点の3分の1以上を一人で叩き出す絶対的フィニッシャー |
主力スカッド(プレミアEAST登録メンバー)
| 選手 | 備考 |
|---|---|
| 岡中 舜 | サニックス杯等で名を連ねた実力者 |
| 香西 秀河 | サニックス杯出場 |
| 橋本 乃翔 | 主力 |
| 平松 永宇 | 主力 |
| 和食 陽向 | 主将、1年生で出場したインターハイでブレイク。切れ味鋭い動きからチャンスを生み出すアタッカー。2026年 U-17日本高校サッカー選抜 |
| 堀田 宙吾 | 主力 |
| 霧生 海伊 | 主力 |
| 木田 蓮人 | 主力 |
| 村上 諄 | 主力 |
| 中島 漣音 | 主力 |
| 生田 純平 | 主力 |
| 各務 歩夢 | 主力 |
| 田中 珀馬 | 主力 |
| 網中 絆希 | 主力 |
| 臼井 珀真 | 主力 |
| 森 新太 | 主力 |
| ライ・オーウェン | 多国籍ルーツの選手、グローバル化を象徴 |
長岡JYFC「生え抜き」コア
| 選手 | 備考 |
|---|---|
| 長谷川 瑛太 | 長岡JYFC出身、1年次から北信越ルーキーリーグで頭角 |
| 遠藤 琉加 | 長岡JYFC出身、生え抜きホープ |
県外強豪クラブから越境入学した精鋭
| 選手 | 前所属 |
|---|---|
| 大河 伶多 | 名古屋グランパスU-15(愛知) |
| 黒澤 煌平 | 前橋ジュニア(群馬) |
→ 長岡JYFC生え抜き+県外強豪Jアカデミー出身+国際的ルーツという3層の融合が、ハイレベルなポジション争いを日常化。自前長期育成×外部刺激の高次元バランスが2026年帝京長岡の最大の強み。
2026年プレミアリーグEAST 序盤戦
| 節 | 日付 | 試合 | 会場 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | vs 横浜FCユース | Away(神奈川県立保土ケ谷公園) | ○ 1-0(堅実な開幕戦勝利) |
| 第2節 | 4/12 | vs 鹿島アントラーズユース | Home(長岡市ニュータウン運動公園B) | ● 2-4(J名門に複数失点) |
| 第3節 | 4/19 | vs FC東京U-18 | Away(東京ガス武蔵野苑) | ● 1-4 |
| 第4節 | 4/25 | vs 柏レイソルU-18 | Home | ○ 3-1(J名門相手に快勝のバウンスバック) |
| 第5節 | 4/29 | vs 青森山田高校 | Home | ● 1-2(高体連王者と1点差の互角) |
| 第6節 | 5/5 | vs 流通経済大柏高校 | Away(流経大柏グラウンド) | ● 0-1(首位相手に紙一重) |
| 第7節 | 5月上旬 | vs 昌平高校 | — | ○ 4-1 |
| 第8節 | 5/17 | vs 川崎フロンターレU-18 | Home | ○ 3-2(ポゼッション同士の打ち合いを制覇) |
| 第9節 | 5/24 | vs 東京ヴェルディユース | Away(ヴェルディG) | ● 2-5(メンタル面の緩みで大敗) |
第9節終了時点の戦績:4勝0分5敗・勝点12・8位(総得点17・総失点20)
→ 引き分けが一つもないことがアグレッシブなハイリスク・ハイリターン戦術の証左。第8節川崎フロンターレU-18戦の3-2勝利は、ボール保持に絶対の自信を持つJ名門相手にポゼッションで真っ向勝負したスペクタクルな試合。一方で第9節東京Vユース戦の2-5敗北は、「ウォーミングアップからの散漫さ」「いけるだろうという楽観的雰囲気」という心理面の課題を露呈。古沢監督が「今回の敗戦の責任は自分にある」と語るプロフェッショナリズム習得フェーズへの移行が、後半戦の鍵。児山雅稀の決定力を軸に、6月以降のベガルタ仙台ユース戦・前橋育英戦でメンタル安定化が成れば上位進出も射程内。