チームの特徴
鹿児島城西高校サッカー部は、1993年創部と歴史は浅いものの、創部15年目の2008年度(第87回)全国高校サッカー選手権で準優勝を果たし、エース・大迫勇也(現ヴィッセル神戸)とともに全国に名を轟かせた鹿児島県の強豪。創部者の小久保悟が総監督、現場の指揮は新田祐輔監督が執る体制で、鹿児島実業・神村学園と県内の覇権を争う「第三の極」として存在感を保ち続けている。
スタイル: 掲げる哲学は「ENJOY PLAYING J-SOCCER」——人もボールも動き、プレーする選手も観る人も楽しめるサッカー。ただし「エンジョイ」の裏には徹底したハードワークがあり、練習の最後の全力ダッシュや、オフ明けのハーフコート6周(5分以内)といった過酷なメニューで走力と精神力を鍛える。新田体制ではさらにフィジカルの抜本強化を進め、前線からの連動したハイプレスと局所のマンツーマンを組み合わせた守備、セカンドボール回収からの速い縦への展開という「堅守速攻とポゼッションの使い分け」へと進化している。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 準優勝(2008年度・第87回) | 決勝で広島皆実に2-3。大迫勇也が全試合得点・大会10得点で得点王 |
| 全国高校サッカー選手権 | 出場(2024年度・第103回) | 県予選決勝で神村学園を1-0で撃破し、8年ぶり8回目の出場 |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ九州 | 優勝(2023年)/準優勝(2025年) | 2025年はプレミアリーグ参入プレーオフに出場 |
| 高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグWEST | 参戦(2024年) | 全国最上位カテゴリーで戦った実績 |
| 全国高校総体(インターハイ)鹿児島県予選 | 準優勝(2026年) | 決勝で神村学園に0-1 |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ九州1部(2026) | 第9節終了時点 2位 | 7勝1分1敗・勝点22・19得点7失点(得失点差+12) |
→ 全国のタイトルには届いていないが、プリンス九州優勝(2023年)→プレミアWEST参戦(2024年)→プリンス準優勝・プレーオフ出場(2025年)と全国最上位カテゴリーの周辺で戦い続けており、神村学園との「鹿児島二強」の一角として毎年のように全国大会を狙える位置にいる。
チームの歩み
創生期(1993年〜):部員8名からの出発
- 1993年:鹿児島商業→東海大学→古河電工(現ジェフユナイテッド千葉)というキャリアを持つ小久保悟が保健体育教師として赴任し、サッカー部を創部。部員はわずか8名で、単独では試合も組めない状態だった
- 転機は、鹿児島県出身初のJリーガー・池ノ上俊一をコーチに招聘したこと。プロ基準の指導が入ることでトレーニングの質が劇的に向上し、有力な中学生が集まる好循環が生まれた
- 創部から約10年で全国大会出場を果たし、急成長を遂げる
2008年:全国準優勝と「半端ないって」
- 2008年度(第87回選手権):破壊的な攻撃力で決勝進出。決勝は広島皆実に2-3で惜敗し準優勝
- エースの大迫勇也(当時3年)は全試合で得点し、1大会10得点で得点王。対戦相手の主将が漏らした「大迫半端ないって」は、後に社会現象となるほどの流行語になった
- この躍進で、鹿児島城西は「超高校級のストライカーを輩出する攻撃的チーム」という全国区のブランドを確立した
近年(2023年〜)
- 2023年:プリンスリーグ九州で優勝
- 2024年:プレミアリーグWESTに参戦。選手権も県予選決勝で神村学園を1-0で破り、8年ぶり8回目の全国出場
- 2025年:プリンスリーグ九州で準優勝し、プレミアリーグ参入プレーオフへ。冬の選手権県予選は決勝で神村学園に敗退
- 2026年:プリンスリーグ九州1部でV・ファーレン長崎U-18と2強によるマッチレースを展開中
育成システム:中高一貫 × プロ仕様の日常
① 育英館中学校との6年一貫育成
学校法人日章学園のネットワークを生かし、系列の鹿児島育英館中学校と連携した中高6年間の一貫育成を確立。育英館中は全国中学校サッカー大会で準優勝2回(2014年・2017年)を誇る超名門で、そこから内部進学した選手は入学時点で戦術理解・技術・フィジカルが高いレベルに達している。スカウト網は鹿児島県内にとどまらず、千葉・埼玉・大阪・福岡など全国に広がる。
② 「半端ない人工芝サッカー場」
OB・大迫勇也の代名詞を冠したフルコートの専用人工芝ピッチ「半端ない人工芝サッカー場」を保有。近隣の天然芝グラウンドも併用し、常に良好なコンディションで練習できる。
③ ビクトリー寮と「学ぶアスリート」
野球部・駅伝部などのトップアスリートと共同生活するビクトリー寮で、起床・朝食・早朝ウェイト(水・金)まで生活を徹底管理。選手は進学体育科でスポーツ概論(解剖学・運動生理学)を学び、自分のトレーニングを論理的に組み立てられる自己管理能力を身につける。徹底した食育が、全国の強豪相手にも当たり負けしないフィジカルの土台を作っている。
輩出した主なプロ選手
レジェンド
- 大迫 勇也(FW、ヴィッセル神戸/背番号10):2008年度選手権で10得点の得点王。鹿島アントラーズ→ドイツ(ケルン、ブレーメンなど)を経て神戸へ。2014・2018年W杯の日本代表で、2023年にはJ1得点王&MVPに輝きクラブの初優勝に貢献した、同校史上最高の傑作
各カテゴリーで活躍するOB(2026年時点)
- 上夷 克典(DF、ジュビロ磐田):明治大を経てプロ入り。京都・大分・鳥栖で主力を張り、サガン鳥栖から磐田へ完全移籍。対人に強い実力派センターバック
- 生駒 仁(DF、ギラヴァンツ北九州):育英館中出身。横浜F・マリノス入団後、山口・いわきFCを経て、2026年はいわきFCから北九州へ期限付き移籍
- 泉森 涼太(GK、サガン鳥栖):安定したセービングと的確なコーチングが武器の守護神
- 長谷川 雄志(MF、AC長野パルセイロ):徳島・大分でのプレーを経て長野へ。中盤の底からゲームを組み立てる司令塔
- ヒル 袈依廉(GK、ブラウブリッツ秋田):早稲田大在学中にサンフレッチェ広島の特別指定選手となり2025年に加入。2026年7月より出場機会を求めて広島から秋田へ期限付き移籍した大型GK
- 薗田 卓馬(FW、ジェイリースFC)/生駒 稀生(DF、奈良クラブ)/北條 真汰(FW、レイラック滋賀FC)
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式や各クラブ公式でご確認ください。
→ 大迫勇也という圧倒的な「個」だけでなく、GK・CB・司令塔・ストライカーとポジションを問わず、J1からJFLまで幅広くプロを送り出している点に、育成メソッドの再現性の高さが表れている。
2026年の注目選手
- 境 勇翔(FW):エースナンバー「9」を背負う新エース。リーグ7得点でチーム最多の得点源
- 出原 昊茂(MF):中盤からの飛び出しと得点力が武器。プリンスリーグでの決定的な仕事が目立つ
- 長渕 禅(DF):得点力もある攻撃参加が魅力の最終ライン。末吉 海翔・中村颯太・北川光樹らとともに堅いブロックを形成
- 松久保 奏太(MF):開幕戦のロアッソ熊本U-18戦(3-0)で得点するなど、複数の選手が得点に絡む「どこからでも取れる」形を体現
※学年はJFA等で公表されていないため個別には記載していません(メンバー情報の出典:ゲキサカの現行ロースター)。
2026年プリンスリーグ九州1部 序盤戦
| 節 | 日付 | 対戦 | H/A | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | vs ロアッソ熊本U-18 | H | ○ 3-0 |
| 第2節 | 4/11 | vs 東海大学付属熊本星翔高校 | H | ○ 2-0 |
| 第3節 | 4/18 | vs FC琉球U-18 | A | ○ 3-2 |
| 第4節 | 4/25 | vs 国見高校 | A | ○ 3-1 |
| 第5節 | 5/2 | vs 飯塚高校 | H | ○ 2-1 |
| 第6節 | 5/5 | vs 日章学園高校 | A | ○ 1-0 |
| 第7節 | 5/9 | vs 大津高校2nd | A | ○ 3-0 |
| 第8節 | 5/17 | vs 東福岡高校 | H | △ 0-0 |
| 第9節 | 7/11 | vs V・ファーレン長崎U-18 | A | ● 2-3 |
→ 第9節終了時点で7勝1分1敗・勝点22、九州1部の2位(19得点7失点・得失点差+12)。開幕から7連勝でリーグを牽引し、第6節では前年王者・日章学園を1-0で完封。第8節でプレミアリーグ降格組の東福岡と0-0で引き分けて連勝が止まると、台風で延期になっていた首位攻防戦(V・ファーレン長崎U-18戦)を7月11日に戦い2-3で今季初黒星を喫し、首位の座を長崎(勝点24)に明け渡した。とはいえ勝点差はわずか2。9試合で7失点という堅守を軸に、後半戦(9月再開)で長崎を捉え直し、プレミアリーグ参入プレーオフ進出を果たせるかが最大の焦点となる。
なお、2026年のインターハイ鹿児島県予選は準優勝(決勝で神村学園に0-1)。冬の選手権では県内のライバルへのリベンジがかかる。
※試合結果・順位は高校サッカードットコム(koko-soccer.com)のプリンスリーグ九州1部ページを出典に照合。本サイトの順位データとも一致(第9節終了時点)。順位は毎日の自動更新で最新化されます。