チームの特徴
鹿島アントラーズユースは、Jリーグ屈指の名門クラブの育成組織。1992年のJリーグ発足と同時に発足し、茨城県鹿嶋市を拠点に「常勝軍団」のDNAを次世代へ継承する役割を担ってきた。2025年シーズンはJクラブユースが参加する主要3大会(クラブユース選手権・Jユースカップ・プレミアファイナル)を制覇し、史上稀に見る組織的完成度を示した。
スタイル: クラブ全体で共有される「ジーコスピリット」(TRABALHO=献身、LEALDADE=誠実、RESPEITO=尊重)を行動規範とし、現代的なポジショナルプレーを取り入れつつも「球際の強度(デュエル)」「スプリント」「ハードワーク」を伝統として継承。前線からの献身的なプレッシング、ボール保持を目的化しない縦に速い展開、組織的なトランジションが特徴。
主な実績
| 大会 | 優勝年 | 備考 |
|---|---|---|
| 高円宮杯 JFA U-18 プレミアリーグ ファイナル | 2015・2025 | 2025年は10年ぶり3回目、PK 3-2 ヴィッセル神戸U-18 |
| 高円宮杯U-18サッカーリーグ チャンピオンシップ | 2015 | 初優勝 |
| 日本クラブユースサッカー選手権(U-18) | 2025 | 夏の全国大会で初優勝 |
| Jユースカップ Jリーグユース選手権 | 2025 | 優勝 |
| プレミアリーグEAST | 2025 | EAST地区優勝 |
→ 2025年はJクラブユース3大会同時制覇という歴史的偉業を達成。
チームの歩み
創生期(1992-2000年代):ジーコスピリットの萌芽
- 1992年:Jリーグ発足と同時にアカデミー発足
- 1995年:市川友也(GK)がトップ昇格、初期の昇格者の一人
- 1998年:曽ケ端準(GK)昇格、長きにわたり正GKとしてタイトル獲得に貢献
- 2000年:野沢拓也(MF)昇格、10番を背負い攻撃陣を牽引
哲学の確立と全国の舞台へ(2010年代)
- 2010年代:土居聖真・鈴木優磨・町田浩樹ら、現在のクラブを支える主力が次々と台頭
- 2015年:高円宮杯U-18チャンピオンシップで初優勝、全国の上位常連へ
黄金期到来(2020年代)
- 2020年代前半:つくばJY出身の舩橋佑・下田栄祐が昇格、3拠点体制の成果が表面化
- 2025年:Jクラブユース主要3大会制覇。プレミアファイナルでヴィッセル神戸U-18をPK戦で下し10年ぶり3回目の全国王者へ
- 2026年:プレミアリーグEAST継続参戦。開幕節は柏レイソルU-18に敗戦と苦戦も、王者として挑戦を受ける立場に
強さの3本柱:ジーコスピリットと県内3拠点体制
① 言語化された哲学:ジーコスピリット
クラブ全体で共有される3つのポルトガル語の理念が、育成年代の評価基準としても機能:
| 言葉 | 意味 | 解釈 |
|---|---|---|
| TRABALHO | 献身 | チームのために走る、自己犠牲の精神 |
| LEALDADE | 誠実 | サッカー・クラブ・自分自身に対して真摯である態度 |
| RESPEITO | 尊重 | 仲間・対戦相手・審判への敬意 |
→ 土居聖真、鈴木優磨、町田浩樹などアカデミー出身選手の多くが、ユース時代に学んだ最も重要な指針として挙げる言葉。
② 茨城県内3拠点ジュニアユース体制
15歳以下のジュニアユース年代において、県内3拠点体制でタレントを広域発掘:
| 拠点 | 活動地域 | 主な練習施設 | 特性 |
|---|---|---|---|
| 鹿島JY | 鹿嶋市(県東) | アントラーズクラブハウス | クラブ発足時からの本拠地、トップ施設に隣接 |
| 鹿島ノルテJY | 日立市(県北) | 折笠スポーツ広場 | 県北エリアからのタレント発掘 |
| 鹿島つくばJY | つくば市(県南) | つくばアカデミーセンター | 人口増加地域、舩橋佑・下田栄祐などを輩出 |
各拠点に専属指導者・トレーナーを配置し、同等のトレーニング基準を担保。
③ 鹿島学園高校との教育提携
ユース選手は鹿島学園高校(KG高等学院)との提携により、過酷なトレーニング・海外遠征と高校卒業資格取得を両立。県外からの有望選手のスカウト時、学業面の不安を軽減している。
輩出した主なプロ選手
ゴールキーパー(鹿島の伝統ポジション)
曽ケ端 準(クラブのレジェンド)/加藤 慎也/市川 友也
ディフェンダー
町田 浩樹(ベルギーリーグ経由で日本代表定着)/松島 竜太/矢畑 智裕/根本 裕一
ミッドフィルダー / ゲームメーカー
野沢 拓也(10番を背負った技巧派)/土居 聖真(鹿島の精神的支柱)
フォワード / ストライカー
鈴木 優磨(鹿島アントラーズの絶対的エース、献身性で日本代表)
2020年代の新世代昇格者
舩橋 佑(つくばJY出身)/下田 栄祐(つくばJY出身)/大川 佑梧(2026年昇格、第104回選手権主将)
→ 鹿島ユースは「守備的選手からゲームメーカーまで多様な選手をプロへ送り出す」のが特徴。ただしトップチームは大卒・外国人選手・他クラブからの実績ある選手の補強にも依存しており、ユース出身者だけで強さが担保されているわけではない点は注意。
2026年の注目選手
| 背番号 | ポジション | 選手 | 学年 | 前所属・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 8 | FW | 物井 慈元 | 3年 | 鹿島ノルテJY |
| 3 | DF | 元砂 晏翔仁ウデンバ | 3年 | FCフレスカ神戸(2025 U-17W杯出場、J1ベンチ入り経験) |
| 18 | FW | 加藤 摑夢 | 3年 | 鹿島ノルテJY |
| 40 | FW | 吉田 湊海 | 3年 | FC多摩JY(神奈川県出身、2025年三冠の主力) |
| 11 | FW | 滝澤 周生 | 2年 | 鹿島JY(岩手県出身) |
| 13 | FW | 髙木 瑛人 | 2年 | 鹿島JY |
| 17 | FW | 石渡 智也 | 2年 | 鹿島JY |
| 9 | FW | 土井 空芽 | 1年 | 鹿島つくばJY |
→ 県内3拠点出身者と全国規模スカウト選手の混在が、鹿島ユースの編成思想を象徴。
指導体制(2026年)
| 役職 | 名前 | 経歴 |
|---|---|---|
| 監督 | 中野 洋司 | 現任 |
| アカデミースカウト | 本山 雅志 | クラブOB、県内外の有望選手獲得を統括 |
| 指導陣 | 小笠原 満男・本田 拓也 など | トップチームでの経験を還元 |
2026年プレミアリーグEAST 序盤戦
| 日付 | 試合 | 結果 |
|---|---|---|
| 4/5 (第1節) | vs 柏レイソルU-18 | 0-2 敗北 |
| 4/12(第2節) | vs 帝京長岡 | 4-2 勝利 |
| 4/19(第3節) | vs 流通経済大柏 | 3-1 勝利 |
| 4/25(第4節) | vs ベガルタ仙台ユース | 5-0 勝利 |
| 4/29(第5節) | vs 東京ヴェルディユース | 2-3 敗北 |
| 5/5 (第6節) | vs 昌平 | 3-1 勝利 |
| 5/10(第7節) | vs 横浜FCユース | 2-0 勝利 |
| 5/16(第8節) | vs 青森山田 | 5-2 勝利 |