チームの特徴
高知中央高校サッカー部は、高知県1部リーグ所属(2026年現在)、高知市を本拠地とする新興の強豪。高知高校・明徳義塾という伝統校がヒエラルキーを形成してきた高知で、2005年創部という後発から、近藤健一朗監督の理論的アプローチで県の覇権を奪った。2025年の全国インターハイで絶対王者・前橋育英を撃破して全国ベスト16、2026年もインターハイ高知予選を制して2大会連続5回目の全国出場を全国一番乗りで決めた、四国屈指の実力校だ。
スタイル: 第1期生でもある近藤健一朗監督が創部当初から掲げるのは「ボールを大事にして前進する」攻撃的ポゼッション。2026年はアンカーを置く4-3-3をベースに、GKもビルドアップに参加し、主将で左SBの新井永簾が内側を駆け上がるインナーラップ(偽サイドバック)で中盤に数的優位を作る高度な戦術を披露する。アフリカ系留学生がもたらす規格外のスピード・フィジカルを日常で体感することで、パススピードと判断速度の基準値を引き上げているのも特徴だ。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校総体(インターハイ) | 全国ベスト16(2025年)/出場5回 | 2025年は2回戦で前橋育英を2-1で撃破。2026年も2大会連続出場 |
| 県高校総体(インターハイ予選) | 優勝(2026年) | 決勝で明徳義塾を延長2-1。準決勝で高知をPK戦で撃破 |
| プリンスリーグ四国 | 得点王輩出(留学生オニエ) | 過去に在籍。2026年は県1部からの昇格を目指す |
| 高知県1部リーグ | 優勝(2025年度) | 参入戦進出(プリンス昇格は惜敗) |
→ 2025年に前橋育英を倒して全国ベスト16という歴史的ジャイアントキリングで全国にその名を轟かせ、2026年もインターハイ予選を全国一番乗りで制覇。「地方の新興校」の枠を超え、全国の頂点を狙うフェーズに入っている。
チームの歩み
ゼロからの創部(2005年〜)
- 2005年:創部。第1期生でもある近藤健一朗が中心となり、実績ゼロ・土のグラウンド(フルコート不可)という環境から出発。目先の勝利に走らず「ボールを保持して主導権を握る」哲学を一貫して貫いた
黄金期へ(2025年)
- 2025年インターハイ:2回戦で全国制覇経験を持つ前橋育英を2-1で撃破する歴史的ジャイアントキリング。3回戦は大津に0-7と敗れたが全国ベスト16でポテンシャルを証明
- 同年冬の選手権高知予選決勝は高知に0-1(延長PK献上)で惜敗
県内の覇権掌握(2026年)
- 2026年インターハイ高知予選:準々決勝で中村を4-0、準決勝で前年敗れた高知をPK戦(5-3)で撃破して雪辱。5月25日の決勝で明徳義塾を延長の末2-1で下し、2大会連続5回目の全国出場を全国第1号で決めた(決勝点は中土颯馬)
強さの3本柱:「持たざる者」の知的戦略
① 授業で育てる「自律したアスリート」
学校の正規課程に組み込まれた学校設定科目「チャレンジⅠ〜Ⅲ」で、コーチング理論・スポーツ栄養学・バイオメカニクスを体系的に学ぶ。プレー原則を言語化し、ピッチで自己解決できる選手を育てる。週1回の体重・身長測定や計画的なアミノ酸補給など、授業の知識が日々のコンディショニングに直結する。
② 関西圏+グローバルのスカウト
付属中学を持たない弱点を、関西の有力街クラブ(ASGジュニオール・FCリフォルマ・SC大阪エルマーノ等)を中心とする広域スカウトで補う。さらにナイジェリアのローカル大会に直接目を向け、原石を発掘して留学させる国際的リクルートで「個の力」を戦略的に組み込む。
③ 環境の制約を機動力で克服
土のグラウンドしか持たないため、Aチームは毎日自転車5分の市営人工芝へ移動して高強度トレーニング。県外・海外から集まる選手は「正樹寮」で共同生活を送り、多様なバックグラウンドの融合が強固なチームワークと社会性を育む。
輩出した主なプロ選手
近年プロ輩出機関としても存在感を増し、特に独自のスカウト網で見出した留学生がJリーグで実績を残している。
- オニエ・オゴチュクウ・プロミス(FW):ナイジェリアから留学し、高校3年間で通算108得点・プリンスリーグ四国得点王。2020年にY.S.C.C.横浜へ加入し同部初のJリーガーに。2026年から本田圭佑氏発起人のEDO ALL UNITED(関東1部)へ移籍
- オタボー・ケネス(FW):同じくナイジェリアから留学。いわてグルージャ盛岡を経て、2025年に栃木SCへ完全移籍
- 町田 太壱(DF):レイジェンド滋賀FCなど社会人リーグでプレーを続ける
→ ナイジェリアのローカル大会から直接スカウトした原石をJリーガーへ育てる国際的な育成ルートは、高知中央の大きな独自性だ。
※2026 W杯日本代表26人に同校OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。創部からの歴史が浅く、日本人プロの輩出は進行形の課題だ。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
いずれも2026年度に在学中の3年生。氏名・学年・背番号・ポジションは2026年インターハイ予選決勝(対明徳義塾)の公式戦レポートのスターティングメンバーで確認した。
| 選手 | 背番号 | ポジション・備考 |
|---|---|---|
| 新井 永簾(3年) | 14 | DF(左SB・主将)。大外だけでなく内側を駆け上がるインナーラップで攻撃の起点を高い位置に作るキーマン |
| 中土 颯馬(3年) | 9 | FW。インターハイ予選決勝で延長の決勝点を押し込んだ点取り屋 |
| 細谷 迦伊(3年) | 7 | MF(アンカー)。中盤の底で攻守の結節点となり配球を司る |
| 大西 遥翔(3年) | 1 | GK。積極的にパス回しへ参加し相手の第一プレスを無効化する |
| 松本 椋奨/森口 翔生(3年) | 8/6 | MF。豊富な運動量でボールを引き出すインサイドハーフ |
| 井上 哲太/浦田 桜介(3年) | 11/12 | FW。関西出身のテクニシャンが並ぶ前線 |
| 大重 遼河(3年) | 19 | FW。フィジカルと得点感覚に優れ、途中投入で終盤の得点力を生む切り札 |
→ チームの根幹は大阪・兵庫・岡山など県外の強豪街クラブ出身者。卒業生(オニエ・オタボーら)は上記に含めず、現役の在学生のみを掲載している。
2026年インターハイ高知県予選(明徳義塾を破り全国一番乗り)
| ラウンド | 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 準々決勝 | — | 中村 | ○ 4-0 |
| 準決勝 | — | 高知 | ○ 1-1(PK 5-3) |
| 決勝 | 5/25 | 明徳義塾 | ○ 2-1(延長) |
→ 準々決勝で中村を粉砕し、準決勝では前年冬に敗れた高知をPK戦で破って雪辱。5/25の決勝は明徳義塾と1-1で延長に入り、途中出場・大重のシュートのこぼれ球を中土颯馬が押し込んで2-1。2大会連続5回目の全国インターハイ出場を全国第1号で決めた。7月末のインターハイ全国大会に高知代表として臨む。
リーグ戦での立ち位置(高知県1部)
高知中央は2025年度の高知県1部リーグで優勝し、プリンス四国昇格をかけた参入戦に進出したが、2026年3月の参入戦で徳島商業に1-2で惜敗し昇格を逃した。そのため2026年はプリンスリーグ四国ではなく高知県1部リーグを主戦場に、リーグ連覇と参入戦再挑戦を目指している。ただしインターハイ予選ではプリンス四国所属の高知・明徳義塾を撃破して優勝しており、実力はすでに四国上位カテゴリーと同等以上だ。四国のプリンスはプリンスリーグ四国で確認できる。