チームの特徴
国見高校サッカー部は、プリンスリーグ九州1部所属(2026年現在)、長崎県雲仙市を本拠地とする公立の歴史的名門。全国高校サッカー選手権で戦後最多タイの6度の優勝を誇り、1980年代後半から2000年代前半の黄金期には「走力・フィジカル・不屈のメンタリティ」を体現する絶対王者として君臨。青と黄色の縦縞ユニフォームは、対戦相手に畏怖の念を抱かせる存在だった。夏冬2冠(同一年度のインターハイ+選手権制覇)を2度達成(2000年度・2003年度)した学校は史上6校しかなく、複数回達成は東福岡と国見のみである。
スタイル: チームスローガンは「攻守においてアグレッシブに闘う。相手より走り、ボールを動かし相手を動かして、崩す」。小嶺忠敏監督時代に培われた「相手より走る」「最後まで諦めない」という国見魂の根幹を継承しつつ、OBの木藤健太監督(2018年就任)が現代的なポゼッション戦術とハイプレスを融合。長年の代名詞だった「丸刈り」を廃止し、選手の自主性と論理的思考を重んじるボトムアップ型指導へ転換した「新・国見」が、復活への道を歩んでいる。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 優勝6回(1987・1990・1992・2000・2001・2003年度) | 戦後最多タイ記録。1986〜2006年に21年連続出場の前人未到記録も |
| 全国高校総体(インターハイ) | 優勝5回(1986・1993・2000・2003・2004年) | 夏冬2冠を2度達成(2000・2003年度)は東福岡と並ぶ史上最多 |
| 高円宮杯 全日本ユース(U-18)選手権 | 優勝2回(2001・2002年度) | ユース年代の真の日本一にも2度輝く |
| 国民体育大会(少年の部) | 優勝1回(2000年度) | 大久保嘉人を擁した2000年度は高校三冠(インハイ・国体・選手権) |
→ 2003年度は平山相太のラストイヤーに決勝6-0(筑陽学園戦)で優勝。平山の選手権通算9得点は大会史上最多タイ。2007年以降の長い低迷期を経て、2022年に12年ぶりの選手権出場——名門復活の物語が進行中だ。
チームの歩み
黄金期(1980年代後半〜2000年代前半):小嶺忠敏と絶対王者の時代
- 1987年度:選手権初優勝。以降、走力とフィジカルを前面に出すスタイルで高校サッカー界を支配
- 2000年度:大久保嘉人を擁し高校三冠(インターハイ・国体・選手権)
- 2001・2002年度:高円宮杯全日本ユース連覇。クラブユース勢も寄せ付けない総合力
- 2003年度:平山相太のラストイヤーに選手権6度目の優勝&インターハイとの夏冬2冠
低迷期(2007年〜2018年)
- 2007年以降、12年にわたり選手権から遠ざかる。高体連からJクラブユースへの才能移行という構造変化の波にのまれる
「新・国見」(2018年〜):木藤健太の育成改革
- 2018年:OBで元Jリーガー(アビスパ福岡・モンテディオ山形)の木藤健太監督が就任
- 丸刈りを廃止しボトムアップ型指導へ転換。専門分業制スタッフ(ヘッドコーチ・アドバイザー・GKコーチ・アスレチックトレーナー・スカウト)を整備
- 2022年:12年ぶりの選手権出場を果たし、復活を全国に印象づける
強さの4本柱:名門復活を支える「新・国見」モデル
① 国見魂×ボトムアップの融合
「相手より走る」「最後まで諦めない」という伝統の精神性を残しながら、木藤監督は選手が自ら考え行動する自主性を重視。「形だけでなく、挨拶やマナーもきちんと理解して行動できる自主性を」という人間教育が土台にある。
② 公立校離れしたプロ基準のスカウト体制
元V・ファーレン長崎強化部の田上渉氏がコーチ兼スカウトに就任し、Jクラブ仕込みのスカウティングを展開。長崎県内に加え、福岡(久留米アザレア・CAグランロッサ等)・大分(カティオラFC・大分トリニータU-15等)など九州全域から才能を発掘している。
③ 人工芝グラウンドという転換点
雲仙市「百花台公園」の多目的広場が地元企業の支援で人工芝にリニューアル。土のグラウンドでは難しかった精度の高いパスワークとポゼッション戦術の落とし込みが日常的に可能となり、県外強豪とのトレーニングマッチも恒常化した。
④ 専門分業制の指導スタッフ
ヘッドコーチ山本政彦氏、アドバイザー内田利広氏(元名古屋・C大阪)、GKコーチ、理学療法士のアスレチックトレーナーまで、属人的指導から脱却した分業体制で選手をサポートする。
輩出した主なプロ選手
歴代レジェンドOB
- 大久保 嘉人(元日本代表FW):J1通算最多得点記録(191得点)保持者で史上初の3年連続J1得点王。W杯出場。現在は解説者・「大久保嘉人塾」塾長
- 平山 相太(元日本代表FW):高校選手権史上初の2年連続得点王。FC東京等で活躍し、2024年から仙台大学サッカー部監督
- 高木 琢也(元日本代表FW):「アジアの大砲」。引退後はV・ファーレン長崎監督等を歴任し、現在は同クラブ取締役兼CRO
- 徳永 悠平(元日本代表DF):FC東京・長崎で活躍。アテネ・ロンドン五輪出場
- 渡邉 千真(FW):2008年Jリーグ新人王。2025年に現役引退
- 三浦 淳宏・永井 秀樹(ともに元日本代表)ら、Jリーグ各時代を彩った名手を多数輩出
現役プロ選手(2026年6月時点)
- 山村 和也(CB/MF、ウロンゴン・ウルブスFC=オーストラリア):鹿島・C大阪・川崎F・横浜FMで国内タイトル多数。2025年9月に豪州へ
- 中島 大嘉(FW、ザスパ群馬=札幌から育成型期限付き):圧倒的な跳躍力とフィジカルのストライカー
- 重廣 卓也(MF、徳島ヴォルティス)/大谷 幸輝(GK、ギラヴァンツ北九州)
- 原田 高虎(MF、ザスパ群馬・2026シーズン加入内定):育成改革が生んだ新世代のプロ第1号
※2026 W杯日本代表26人に国見OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。再びW杯の舞台に立つタレントの育成こそ、「新・国見」の至上命題だ。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
攻撃の核
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 太田 惇月(FW・10番) | 3年 | 雲仙市立国見中/生まれも育ちも国見の生粋の地元選手が名門の10番を背負う。サニックス杯国際ユース大会でチームトップの4得点 |
| 豊福 泰生(MF) | 3年 | 大分トリニータU-15/中盤の司令塔。サニックス杯でベスト11選出。「必ずプロになる」と公言 |
| 城臺 海音(FW) | 3年 | キックスFC/鋭い飛び出しとシュートセンス |
守備陣・中盤
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 堀川 暖馬(DF) | 3年 | 長崎南山中/キャプテン。CBとして統率し、セットプレーの得点力も |
| 秋重 咲翔(GK) | 3年 | 久留米アザレア/足元の技術を備えた現代型GK。ビルドアップの始点 |
| 正木 翔太(FW/DF) | 3年 | CAグランロッサ/FWと右SBをこなす「二刀流」 |
| 金澤 桜雅(MF) | 2年 | 横浜FC Jrユース/中盤でボールを刈り取るハンター |
→ 地元・雲仙の生え抜きと九州全域からのスカウト組が融合。篠原蒼空・隈田春咲(ともに3年DF)ら守備の主軸も揃う。
2026年プリンスリーグ九州1部 序盤戦
| 節 | 日付 | 試合 | 会場 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | vs 東福岡 | Away | ● 0-1 |
| 第2節 | 4/11 | vs 飯塚 | Away | ● 0-1 |
| 第3節 | 4/18 | vs V・ファーレン長崎U-18 | Home | ● 1-3 |
| 第4節 | 4/25 | vs 鹿児島城西 | Home | ● 1-3 |
| 第5節 | 5/2 | vs 大津2nd | Home | ● 0-1 |
| 第6節 | 5/5 | vs 東海大熊本星翔 | Home | ○ 1-0(金澤の決勝弾で今季初白星) |
| 第7節 | 5/9 | vs ロアッソ熊本U-18 | Away | ○ 4-0(正木・堀川・太田らで快勝) |
| 第8節 | 5/16 | vs 日章学園 | Home | ○ 4-3(入田陽輝が1試合4得点の大暴れ) |
→ 第8節終了時点で3勝0分5敗・勝点9の7位。開幕5連敗のどん底から、戦術が噛み合った中盤戦に怒涛の3連勝——前年王者・日章学園との打ち合いを制した第8節は復活を象徴する一戦だ。「国見魂」は健在であることを、後半戦の巻き返しで証明できるか。最新順位はプリンスリーグ九州1部 順位表で毎日更新中。