チームの特徴
松本国際高校サッカー部は、プリンスリーグ北信越1部所属(2026年現在)、長野県松本市を本拠地とする新興の強豪。松商学園・上田西といった伝統校が覇権を争ってきた長野で、2005年の創部からわずか20年で県の勢力図を塗り替え、Jクラブユースや星稜・帝京長岡がひしめく北信越1部で互角以上に渡り合う存在へと成長した。勝沢勝監督が創部から一貫して指揮を執り、塚原青雲→創造学園→松本国際という幾度の校名変更を経ても強化のベクトルをブレさせなかった一貫性が、安定した競争力の土台になっている。
スタイル: 2026年のスローガンは選手たちが自ら掲げた「全員主役 〜全員で頂点へ〜」。長年の理念「爽やかに ひたむきに 挑戦者たれ」と創造学園時代から受け継ぐ「創造魂」を背骨に、戦術面では「攻守の切り替え3秒」を合言葉としたトランジションの極限追求が最大の特徴だ。ボールを失った瞬間の即時奪回と、奪った直後のショートカウンターを徹底しつつ、最終ラインから繋ぐポゼッションも志向。ピッチコンディションや相手のハイプレスに応じてシンプルに割り切るリアリストの一面も併せ持ち、この戦術的柔軟性がトーナメントでの勝負強さに直結している。2026年は突出した個に頼らず、全員の走力と連動したプレッシングで勝ち切る完成度の高いチームに仕上がっている。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校総体(インターハイ) | 準優勝(2012年)/出場5回 | 2012年は開催県枠で全国初出場し準優勝。2026年は6大会ぶり5回目の全国へ |
| 全国高校サッカー選手権 | 長野県大会 優勝(2012年度ほか) | 2012年度に夏冬連続の全国初出場。2022年も県予選を制覇 |
| 高円宮杯 プリンスリーグ北信越1部 | 準優勝(2025年度) | 2024年に2部2位から昇格。2026年も上位を争う |
| 県高校総体(インターハイ予選) | 優勝(2026年) | 全5試合無失点で6大会ぶりの全国切符を獲得 |
→ 2012年(創造学園時代)のインターハイ準優勝・選手権初出場で全国区となり、校名が松本国際に変わった現在も右肩上がりが続く。2026年はプリンス北信越1部で首位アルビレックス新潟U-18を直接対決で破るなど、全国の強豪に伍するレベルへ到達している。
チームの歩み
創生期:ゼロからの強化(2005年〜)
- 2005年:塚原青雲から創造学園大附属へと校名が変わる過渡期に、新たなシンボルとしてサッカー部を創部。同時に、長野県内で中学年代を約15年指導してきた勝沢勝監督が就任
- 2008年:創部4年目で選手権長野県大会ベスト4。後に甲府でプロとなる橋爪勇樹らを擁し、「新興勢力」として県内に存在感を示す
黄金期の到来(2012年・創造学園)
- 2012年:インターハイ長野県予選で準優勝。地元開催(北信越かがやき総体)の開催県枠で全国初出場、そのまま準優勝。宮下周歩(後の松本山雅)、堂安憂(堂安律の実兄)らが活躍
- 2012年度:第91回選手権長野県大会で野沢北を12-1で粉砕するなど5試合20得点で優勝し、夏冬連続出場。チームの地位を絶対的なものに押し上げた
松本国際への進化と中高一貫化(2017年頃〜)
- 校名を「松本国際」に変更。寮・施設を拡充し、全国スカウトを本格化
- 2021年:「松本国際中学校サッカー部」を創設。中1〜高3の「6年計画」での一貫育成を開始
- 2022年:選手権予選で優勝。2024年にプリンス北信越2部を2位で勝ち抜き1部昇格、2025年度は1部準優勝
現在(2026年)
- インターハイ予選を全5試合無失点で制し、6大会ぶり5回目の全国へ
- プリンス北信越1部で6/13に首位アルビレックス新潟U-18を2-1で撃破し2位に浮上。中学創設1期生が主力に育ち、育成サイクルが結実
強さの4本柱:新興強豪「松国モデル」
① セレクションなしの中高一貫「6年計画」
2021年創設の中学サッカー部は技術選考(セレクション)を行わず「入部してから伸ばす」育成特化型。高校受験のブランクなく6年間で「松国スタイル」を体に染み込ませ、入学時から戦術理解の高い選手(高山恋寿ら中学1期生)を生み出すサイクルを確立した。
② 全国から選手を集める「松国寮」
冷暖房完備・約150名収容の2階建て寮を整備。食堂・大浴場・個室シャワーを備え、栄養士管理の食事を朝夕提供する。「自立心・学習・交流の場」として人間的成長も促し、全国から志の高い選手を受け入れる基盤になっている。
③ 県内+関東・東海をつなぐスカウト網
内部昇格組に加え、神奈川・埼玉・愛知・千葉など関東・東海の街クラブやJ下部からの入部者が多数。地元密着の長期育成と全国規模のスカウトを融合させ、チーム内競争を高水準に保つ。
④ 「国際」を冠する多様性
国際教育・文武両道を掲げ、多様なバックグラウンドの選手を受け入れる土壌がある。2021年からは女子サッカー部も本格始動し、ジェンダーや出自を問わずトップレベルの環境を提供する総合的なスポーツ機関へ進化している。
輩出した主なプロ選手
創部から約20年と歴史は浅いものの、すでに複数のプロを輩出。高校で早熟なプロ化を急がず、大学を経てプロや指導者として長くサッカー界に貢献する人材が多いのが特徴だ。
- 森 昴大(DF、アルビレックス新潟):松本国際出身。徳島ヴォルティスを経て新潟へ。J1でディフェンスラインの競争に加わる左利きのセンターバック(在籍唯一の現役J1組)
- 橋爪 勇樹(DF/MF、引退):創造学園→山梨学院大→ヴァンフォーレ甲府で8年プレー。引退後は甲府アカデミーコーチ兼韮崎高校ロールモデルコーチ
- 宮下 周歩(引退):2012年の全国初出場時の主将。松本山雅FC入団後、地域リーグ等で活躍
- 堂安 憂(引退):日本代表MF堂安律の実兄。AC長野パルセイロ等を経て、引退後は弟とサッカースクールを運営
- 長澤 拓哉(DF、現役):カマタマーレ讃岐を経て、現在は神奈川県社会人1部の品川CC横浜でプレー
※2026 W杯日本代表26人に同校OBの選出はなし。OB堂安憂の実弟・堂安律が代表の10番を背負う(W杯代表26人の出身校特集)。なお、一部で同校OBと混同される松本琉雅(順大→いわきFC内定)は帝京高校出身で同校OBではない。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
いずれも2026年度に在学中の高校生(3年生は2008年4月2日以降生まれ)。選手名・学年は松本国際サッカー部公式サイトの選手紹介で確認済み。背番号・ポジションは公式記録および高校サッカードットコムの試合レポートに基づく。
攻撃をリードする3年生
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 馬上 琉太(MF・背番号10) | 3年 | 横浜市立大綱中/主将。1試合13km走破の無尽蔵のスタミナと得点感覚を兼備する大黒柱。インターハイ予選決勝で2G1A |
| 高山 恋寿(FW・背番号11) | 3年 | 松本国際中/中高一貫1期生。ドリブル突破と強烈なシュートで前線を牽引。決勝で追加点 |
| 高木 優心(MF) | 3年 | ラボーナ一宮/中盤からの飛び出しと得点力。インターハイ2回戦で2得点 |
| 笹田 翔眞(FW) | 3年 | SC豊田ペレニアル/決定力に優れるアタッカー。準々決勝で得点 |
| 山本 聖真(FW) | 3年 | スエルテFC茅ヶ崎/サイドを活性化させる得点源。2回戦で得点 |
勝負強い得点源(3年生)
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 稲橋 咲生(FW/MF) | 3年 | FCパルピターレ/インターハイ1回戦の終了間際に決勝点を奪った勝負強さ |
| 秋元 陸生(DF/MF) | 3年 | カルペソール湘南/プリンス第2・3節で得点。第3節は88分の決勝弾 |
| 谷内 勇仁(MF) | 3年 | FC VIGORE/プリンス第4節・星稜戦で先制点 |
→ 突出した個に依存せず、走力とプレッシングで全員が主役になる「全員主役」の体現者たち。なお昨季プリンス北信越1部で得点王だったFW吉村大樹(現・拓殖大)、同2位のMF藪押皓哉(現・東海学園大)は卒業しており、2026年は新たな顔ぶれで全国インターハイに挑む。
2026年インターハイ長野県予選(全5試合無失点で優勝)
| ラウンド | 日付 | 対戦相手 | 結果 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|
| 1回戦 | 5/29 | 長野東 | ○ 1-0 | 稲橋咲生 |
| 2回戦 | 5/31 | 伊那北 | ○ 5-0 | 馬上(2)・高木(2)・山本 |
| 準々決勝 | 6/2 | 松本県ヶ丘 | ○ 2-0 | 馬上・笹田 |
| 準決勝 | 6/6 | 松商学園 | △ 0-0(PK5-4) | PK戦の末に決勝進出 |
| 決勝 | 6/8 | 市立長野 | ○ 3-0 | 馬上(2)・高山 |
→ 全5試合完全無失点で6大会ぶり5回目の全国インターハイ出場。決勝は開始30秒に高山のシュートのこぼれ球を馬上が押し込んで先制した。7月末のインターハイ全国大会に長野代表として臨む。
2026年プリンスリーグ北信越1部 序盤戦(首位撃破で2位浮上)
| 節 | 日付 | 試合 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | vs 富山第一(アウェイ) | △ 0-0 |
| 第2節 | 4/11 | vs 帝京長岡2nd(ホーム) | ○ 2-1(馬上・秋元/今季初勝利) |
| 第3節 | 4/18 | vs カターレ富山U-18 | ○ 1-0(秋元88分) |
| 第4節 | 4/25 | vs 星稜(アウェイ) | △ 1-1(谷内) |
| 第5節 | 5/3 | vs 上越 | △ 1-1(高山) |
| 第6節 | 5/9 | vs 松本山雅U-18 | ○ 1-0(馬上/アルウィン) |
| 第7節 | 5/16 | vs 日本文理(アウェイ) | ● 0-2(今季初黒星) |
| 第8節 | 5/23 | vs 鵬学園 | △ 1-1 |
| 第9節 | 6/13 | vs アルビレックス新潟U-18(アウェイ) | ○ 2-1(首位撃破) |
→ 第9節終了時点で4勝4分1敗・勝点16の2位。6/13には無敗で首位を走っていたアルビレックス新潟U-18をアウェイで2-1と破り、首位との差を4に縮めた。この過酷なリーグ戦での経験が、夏のインターハイ予選での無失点優勝に直結している。最新順位はプリンスリーグ北信越1部 順位表で毎日更新中。