チームの特徴
佐賀東高校サッカー部は、プリンスリーグ九州2部所属(2026年現在)、佐賀市を本拠地とする公立の佐賀県絶対王者。全国高校サッカー選手権に15回出場し、2023年度の第102回大会では全国ベスト8——かつての佐賀商業以来となる佐賀県勢の快挙を成し遂げた。2026年もインターハイ佐賀予選決勝で佐賀商業を3-0で下し、全国への切符をつかんでいる。
スタイル: 1963年の創部以来、そして特に2001年の蒲原晶昭監督就任後の20年以上にわたり、一貫して追求してきたのが「ポゼッションサッカー」。どんな強豪相手でも、ピッチが荒れる冬の選手権でも、ロングボールに逃げずにボールを保持して崩し切る。「やっている選手も見ている人も面白いサッカー」を標榜し、監督がトップダウンで戦術を押し付けるのではなく、選手がピッチ上で自ら考えて表現することを重んじる。近年はサイド中心のパスワークに「中央からの崩し」を加え、試合中に4バックと3バックをシームレスに使い分ける可変システムまで、選手自身の判断で運用する高度な戦術レベルに到達している。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 出場15回・ベスト8(2023年度・第102回) | 佐賀県勢のベスト8は名門・佐賀商業以来の快挙 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 2008・2009年に2年連続ベスト4 | 2026年も佐賀予選を制し全国出場 |
| 天皇杯 全日本サッカー選手権 | 2009年 佐賀県代表として出場 | 高校チームながらプロとの真剣勝負を経験 |
| 高円宮杯 プリンスリーグ九州 | 2部で首位(2026年第8節終了時点) | 1部昇格を狙う |
→ 「ポゼッションは冬の短期決戦に不利」という定説を、技術と戦術の成熟で覆し続けているのが佐賀東の真骨頂だ。
チームの歩み
チャレンジャーの時代(1963年〜)
- 1963年:学校創立とともに創部。当時の佐賀県は選手権ベスト8を重ねた佐賀商業が君臨する時代で、佐賀東は長くその背中を追う立場だった
蒲原体制の確立(2001年〜)
- 2001年:蒲原晶昭監督が就任。自身は佐賀商業の選手として選手権ベスト8を経験しており、「全国の壁をいかに破るか」を命題に、結果至上主義を排した「徹底した個の技術の追求」を掲げる
- 2008・2009年:インターハイ2年連続ベスト4。2009年には天皇杯にも佐賀県代表として出場
- 2016年度:第95回選手権でベスト16
全国ベスト8と環境革新(2023年〜)
- 2023年度:第102回選手権で念願の全国ベスト8。ポゼッションサッカーの正しさを全国に証明
- 2026年:事業費約2.6億円・18,370㎡の最新人工芝グラウンド「ヒガシノシバフ」が完成(環境に配慮したゴムチップレス人工芝)。土のグラウンドで磨いてきた技術に、現代サッカー仕様の高速パスワークが加わった
強さの4本柱:公立で全国8強に届く「佐賀東モデル」
① 20年以上ブレないポゼッション哲学
蒲原監督のもと、目先の勝利のためにフィジカル任せの戦い方へ逃げることを許さず、「思考力」と「技術力」を選手に求め続ける。勝敗に一喜一憂しない、動じないメンタリティの育成こそが佐賀東の神髄だ。
② 地域連携のシームレスな育成
地元の有力クラブ「FCレヴォーナ」などと密接に連携し、中学生段階から佐賀東の哲学(技術重視・ポゼッション)に触れる合同練習の機会を提供。高校入学時点で戦術的ベースが共有されており、育成のタイムラグが小さい。
③ 寮と新グラウンドという環境投資
県内全域・県外からのタレントを受け入れるサッカー部寮(佐賀市多布施)を完備。2026年春に稼働した「ヒガシノシバフ」により、公立校の制約を超えた練習環境が整った。
④ 卒業後も伸びる「自立した選手」の育成
高校時代に即戦力でなくとも、大学・プロで開花する選手が多いのが佐賀東の特色。指導者が答えを与えるのではなく、選手自身に考えさせる日常が、プロの世界で成長曲線を描き続ける力を育てている。
輩出した主なプロ選手
- 平河 悠(MF/FW、ハル・シティ=イングランド2部):佐賀東育成の最高傑作。山梨学院大学で開花し、FC町田ゼルビアでJ2優勝に貢献。日本代表にも選出された後、イングランドのブリストル・シティへ完全移籍。2026年1月からハル・シティへ期限付き移籍し、5月のプレーオフ決勝で決勝点の起点となりクラブ10年ぶりのプレミアリーグ昇格に貢献した
- 中野 嘉大(MF、ブラウブリッツ秋田):筑波大学を経て川崎フロンターレ入り。仙台・札幌・鳥栖・湘南・横浜FCと渡り歩き、2026年から秋田へ完全移籍。熟練のドリブルとパスセンスが武器
- 中原 輝(MF、清水エスパルス):駒澤大学を経てプロ入りし、C大阪・東京V・鳥栖などで活躍。期限付き移籍を経て2026年1月に清水へ完全移籍。左足の正確なクロスとシュートが最大の武器
- 吉田 陣平(MF、福島ユナイテッドFC):高卒でアルビレックス新潟に直接加入。蒲原監督が「動じないメンタル」を評価した中盤のプレーメーカー
- 赤﨑 秀平(元FW):筑波大学を経て鹿島アントラーズなどJ1複数クラブで活躍。引退後は女子サッカークラブのGM・外部コーチ・講演活動など多方面で活躍する知性派
※2026 W杯日本代表26人に佐賀東OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。ただし平河悠が日本代表選出歴を持ち、欧州の舞台で世界への挑戦を続けている。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
| 選手 | ポジション | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 稗田 幹太 | MF | 小倉南FC/第8節までにリーグ6得点を量産する絶対的な得点源 |
| 岩下 蒼甫 | MF | ソレッソ熊本/前線への飛び出しから第4節決勝点・第7節同点弾と勝負強さが光る |
| 藤木 琉衣 | MF | ポゼッションの心臓部として中盤でリズムを作るプレーメーカー |
| 假屋 朋希 | DF | アリーバFC/3バック・4バックの可変に対応する戦術理解とセットプレーの得点力 |
| 下川 遥羽 | GK | 筑後サザンFC/セービングに加え、最終ラインからのビルドアップの起点 |
→ FCレヴォーナ・サガン鳥栖U-15唐津など地元九州出身者が中心。海外留学生に頼らず、自前の育成メソッドでスケールアップさせるのが佐賀東流だ。
2026年プリンスリーグ九州2部 序盤戦
| 節 | 日付 | 試合 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | vs 大分トリニータU-18 | ○ 3-0(稗田2発・梶原) |
| 第2節 | 4/12 | vs サガン鳥栖U-18 2nd | ○ 3-0(稗田2発・藤木) |
| 第3節 | 4/19 | vs 鵬翔 | ● 1-3 |
| 第4節 | 4/26 | vs 長崎総合科学大学附属 | ○ 1-0(岩下の決勝点) |
| 第5節 | 5/3 | vs 九州国際大付属 | ● 0-3 |
| 第6節 | 5/6 | vs 大津3rd | ○ 2-1(稗田・工藤) |
| 第7節 | 5/9 | vs 鹿児島 | △ 1-1(岩下) |
| 第8節 | 5/17 | vs 東海大福岡 | △ 2-2(假屋・稗田) |
→ 第8節終了時点で4勝2分2敗・勝点14の首位(同勝点の鵬翔を得失点差で上回る)。開幕2試合連続完封勝利と、ライバル・サガン鳥栖U-18 2ndを3-0で下した試合は今季のハイライトだ。6月にはインターハイ佐賀予選決勝で佐賀商業を3-0で破り、7月末の全国大会出場も決定。リーグ優勝による1部昇格と全国での躍進、二兎を追う夏になる。最新順位はプリンスリーグ九州2部 順位表で毎日更新中。