チームの特徴
西京高校サッカー部は、山口県ユースリーグ1部(県1部)所属(2026年現在)、山口市を本拠地とする山口県立の公立校。私立とJユースが覇権を握る「私高公低」の潮流の中で、県内の公立高校で唯一「体育コース」を設置する特異な背景を持ち、長年県を支配する私立の雄・高川学園に挑む「公立校の希望の星」として全国レベルの競争力を維持してきた。2026年はインターハイ山口予選で絶対王者・高川学園を撃破し、6大会ぶりの全国出場を果たした。
スタイル: スローガンは「山口県を牽引し、全国の舞台で勝利する」。県大会出場で満足せず、全国で“勝ち上がる”ことに主眼を置く。専用人工芝を持たない代わりに、校内の全天候型陸上トラックを併用した科学的フィジカルで「走り負けない無尽蔵のスタミナ」を養う。基本フォーメーションはバランスに優れた1-4-4-2で、コンパクトなブロックからの連動プレスとショートカウンター、保持時はサイドを広く使うビルドアップを使い分ける。国公立大進学者も多い高い知性が、戦術理解と柔軟な判断に直結している。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校総体(インターハイ) | 全国ベスト8(2019年)/2026年 山口予選優勝 | 2019年は学校史上初の8強。2026年は6大会ぶり6回目の優勝で全国へ |
| 全国高校サッカー選手権 | 山口県予選優勝(2018年度ほか) | 2018年度に5年ぶり3回目の出場 |
| 山口3冠(2018年度) | 新人戦・総体予選・選手権予選を独占 | 県内3大会を完全制覇した黄金シーズン |
→ 2018年の「山口3冠」と2019年のインターハイ全国ベスト8で全国に名を知らしめ、地方公立校の可能性を証明。高川学園の台頭で数年遠ざかっていた全国の舞台に、2026年に王座奪還で戻ってきた。
チームの歩み
公立校の意地(創生期〜)
- 山口県のスポーツエリート育成拠点として、地元育ちの選手を中心に「公立校の意地」を体現するハードワークでチームを構築。高川学園・宇部・小野田工業らと県の覇権を争いながら戦術を洗練させた
黄金期:3冠と全国8強(2018〜2019年)
- 2018年度:新人戦・インターハイ予選・選手権予選を独占する「山口3冠」を達成。選手権予選は準決勝で高川学園を1-0、決勝で慶進を3-2で下し全国へ
- 2019年:田邊宏司監督のもと、全国高校総体(南部九州総体)で躍進。香川西を3-1、前年8強の日章学園をPK戦(5-4)、米子北を2-0で下し学校史上初の全国ベスト8。準々決勝はこの大会の優勝校・桐光学園に1-2で惜敗
王座奪還(2026年)
- 高川学園の台頭で全国から遠ざかっていたが、2026年インターハイ山口予選で復活。準決勝で聖光を2-0、決勝では6連覇を狙った絶対王者・高川学園を2-1で破り、6大会ぶり6回目の全国出場(兼・中国大会出場)を決めた
強さの3本柱:地方公立校の独自エコシステム
① 文武両道とインテリジェンス
国公立大進学を見据えた高い学習意欲が、ピッチ上の戦術理解度と柔軟な意思決定に直結。寮や下宿で自律生活を送りながら難関大に現役合格する選手も多く、「自ら考えて動ける選手」を育てている。
② 外部リソースの活用と指導の専門化
専用人工芝を持たないハンデを、FP・GK・フィジカル各専任コーチとメディカルトレーナーという大学・プロ級の専門スタッフ体制で補う。限られた練習時間で効率を極限まで高める。
③ 地域パイプラインとレノファ連携「シャレン!」
クレフィオ山口・FC GRAVA・グランザ下松や地元中体連、レノファ山口FC U-15から県内タレントを集める「受け皿」として機能。さらに2024年以降、「課題研究」でレノファ山口の現役プロ選手が授業に参画するJリーグ「シャレン!(社会連携)」を導入し、ビジネス感覚・社会性・俯瞰的視野を育む前衛的な教育を実践している。
輩出した主なプロ選手・OB
公立校ながら「山口の公立校からでもプロへ」を体現する選手を輩出してきた。
- 竹重 安希彦(GK):阪南大を経て2010年にジュビロ磐田入り。新潟・栃木SC・横浜FC・SC相模原とJ1〜J3全カテゴリーを経験した187cmの守護神。2024年限りで現役引退し、2025年から古巣・磐田U-15のGKコーチに就任
- 内田 和輝(FW/DF):鹿屋体育大に進学し九州大学リーグで活躍。プロ入りが期待される次世代のホープ
- 藤本 雅智(指導者):クロアチア留学を経て指導者に転身。讃岐・大分のアカデミーを経て松本山雅でA級ジェネラルライセンスを持つアカデミーコーチ
→ 選手だけでなく、教員や指導者・クラブスタッフとして山口県や全国のサッカー界を支える人材を輩出し続けている。
※2026 W杯日本代表26人に同校OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
公立校のため公開された詳細な選手一覧は限られ、以下は2026年の試合報道で確認できた主力。特定のスターに依存せず各選手が戦術タスクを忠実に実行するコレクティブな集団で、キャプテンの伊藤弘明とトップスコアラーの原優雅が中心。学年は判明分のみ記載(一部は背番号・氏名の表記揺れの可能性あり)。
| 選手 | 背番号 | ポジション・備考 |
|---|---|---|
| 原 優雅 | 10 | MF(右サイドハーフ)。チームトップの7ゴールを挙げる得点源 |
| 伊藤 弘明 | 3 | DF(センターバック・主将)。守備陣を統率するキャプテン |
| 渡辺 蒼太(3年) | 11 | FW。182cmの長身を生かしたポストプレーと空中戦 |
| 武田 孝太(2年) | 9 | FW。前線からのチェイシングと裏への抜け出し |
| 藤原 大勢(2年) | 5 | DF(右サイドバック)。果敢なオーバーラップ |
| 山高 成 | 4 | DF(センターバック)。対人の強さとビルドアップ能力 |
| 森田/山内 | 8/7 | MF(ダブルボランチ)。中盤の刈り取りと攻守のバランス |
→ 各ポジションに役割の明確な選手が配置され、走力と組織力で上位カテゴリーのチームを凌駕する。卒業生(竹重ら)は上記に含めず、現役の在学生のみを掲載している。
2026年インターハイ山口県予選(高川学園を破り6大会ぶりの全国へ)
| ラウンド | 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2回戦 | 5/31 | 成進 | ○ 12-0 |
| 3回戦 | 6/6 | 防府西 | ○ 9-0 |
| 4回戦 | 6/7 | 下関西 | ○ 2-0 |
| 準決勝 | 6/13 | 聖光 | ○ 2-0 |
| 決勝 | 6/14 | 高川学園 | ○ 2-1 |
→ 初戦から大量得点で勝ち上がり、準決勝で聖光を完封。決勝では前年まで県を圧倒し6連覇を狙った絶対王者・高川学園を2-1で撃破し、6大会ぶり6回目の優勝=全国高校総体・中国大会出場を決めた。一発勝負のトーナメントで上位カテゴリーの私立を倒す組織力が、2026年の西京の真骨頂だ。7月末のインターハイ全国大会に山口代表として臨む。
リーグ戦での立ち位置(山口県1部)
西京は2026年、プリンスリーグ中国ではなく山口県ユースリーグ1部に所属し、宇部鴻城・高川学園B・小野田工業らとプリンス昇格プレーオフ進出を争っている。日常のリーグで県1部の強豪と研鑽を積みつつ、主要タイトルのかかった一発勝負では高川学園のような上位カテゴリー(プリンス中国)の強豪を倒すのが現在の西京の姿だ。山口県からは高川学園とレノファ山口FC U-18がプリンスリーグ中国に参戦している。