チームの特徴
作陽学園高校サッカー部は2026年プリンスリーグ中国所属、岡山県倉敷市の私立高校(旧称「作陽高校」)のサッカー部である。岡山県を代表する強豪として長年にわたり確固たる地位を築き、高度な戦術眼とポゼッションを主体とした組織的なパスサッカーで全国に名を馳せてきた。フィジカルや根性論が主流であった時代から、いち早く技術と判断力を重視したスタイルを標榜してきた名門である。2023年には、長年拠点を置いていた津山市から倉敷市玉島へキャンパスを移転し、校名も「作陽高校」から「作陽学園高校」へと変更した。
スタイル: チームの根幹にあるのは「自律・自主・自立」の精神と「原理原則」の徹底である。ベンチの指示を待つのではなく、選手自身がピッチ上で状況を認知し、相手の戦術や弱点に応じて柔軟に戦い方を変化させる「インテリジェンス・フットボール」を志向する。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 準優勝(2006年度・第85回) | 決勝は国立競技場で盛岡商業に1-2。岡山県勢として初の決勝進出。1981年の初出場ではベスト8 |
| 全国高校サッカー選手権 岡山県予選 | 8連覇(2005〜2014年度) | 県内で圧倒的な強さを誇った |
| 高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグ | 参戦歴あり(2012年) | 高校年代最高峰リーグ |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ中国(2026) | 第9節終了時点 4位 | 3勝3分3敗・勝点12(前半戦) |
チームの歩み
- 創部と台頭(1970年〜):1970年にサッカー同好会として創設。1981年には全国高校サッカー選手権へ初出場し、いきなりベスト8まで進出した。県内の強豪・玉野光南などとの熾烈な代表争いを繰り広げながら力を高めていった。
- 黄金期(2000年代半ば〜2010年代前半):2005年から2014年にかけて岡山県大会で8連覇を達成。2006年度・第85回選手権では岡山県勢として初の決勝に進出し、国立競技場で盛岡商業に1-2で敗れて準優勝を果たした。2012年には高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグにも参戦した。
- 倉敷への移転(2023年):2023年、津山市から倉敷市玉島へキャンパスを移転し、校名を「作陽学園高校」へ改称。人工芝2面の「作陽グリーンスクエアフィールド」など最新の施設が整備された。
- 現体制(2026年):チームを全国屈指の強豪へ押し上げた野村雅之が総監督(学校長を兼任)を務め、現場の指揮は酒井貴政監督が執る。酒井監督は2006年度の選手権準優勝メンバー(当時のキャプテン)で、カターレ富山などでプロを経験した後、2017年に母校の監督へ就任した。
育成システム
野村総監督が築いた「自律・自主・自立」「原理原則」を重んじる指導哲学を継承しつつ、酒井監督が現代サッカーに不可欠なインテンシティ(プレー強度)やトランジション(攻守の切り替え)の要素を注入している。「作陽で人間として成長したい、サッカーを追求したい」という生徒を受け入れる、人間教育を重んじる姿勢も特徴である。
倉敷移転で整備された人工芝2面のグラウンドと指定宿舎により、日々のコンディショニングとトレーニングに専念できる環境が整う。系列の「くらしき作陽大学」との高大連携や、Fリーグの強豪・名古屋オーシャンズとの連携協定など、フットサルの戦術を還元する先進的な取り組みも行われている。岡山県内に加え、関西・中四国の有力クラブからも選手が集まる。
補足:作陽学園は女子サッカー部も全国トップクラスの強豪である。
輩出した主なプロ選手
名門らしく、日本代表クラスを含む多くのプロを輩出している。
- 青山 敏弘(元・サンフレッチェ広島):作陽が誇る最大のOB。サンフレッチェ広島一筋21年で活躍し、2014年ブラジルワールドカップに出場、2015年にはJ1リーグMVPに輝いた元日本代表。2024年に現役を引退した。
- 伊藤 涼太郎(MF、シント=トロイデンVV=ベルギー1部):アルビレックス新潟での活躍を経て欧州へ渡った現役の海外組。日本代表に選出された経験を持つテクニシャン。
- 山本 義道(DF、ツエーゲン金沢):ジュビロ磐田・横浜F・マリノスを経て金沢の最終ラインを支えるセンターバック。
- 河面 旺成(DF、名古屋グランパス):大宮・名古屋でプレーし、2026年7月から水戸ホーリーホックへ期限付き移籍中。高精度の左足が武器。
- 櫻内 渚(DF、台中Futuro=台湾):ジュビロ磐田・ヴィッセル神戸・FC今治などを経て海外へ渡った。
このほか、米原祐(クリアソン新宿)、永松達郎(インドネシア1部)ら、多くのOBが国内外でプレーを続けている。三野草太はルーマニアでプレーする海外組OBである。
※2026 W杯日本代表26人に同校OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。青山敏弘(2014年W杯出場)・伊藤涼太郎(日本代表歴)ら代表級のOBを輩出している名門である。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
2026年プリンスリーグ中国で得点を記録している現役選手を紹介する。
| 選手 | 2026年プリンスリーグ中国での動き |
|---|---|
| 南田 康介 | 第3・6節で得点 |
| 岡部 朔成 | 第1・7節で得点 |
| 上田 航大 | 第7節・玉野光南戦で得点 |
| 小椋 大雅 | 第2節・レノファ山口戦で決勝点 |
| 門脇 陽希 | 第8節・瀬戸内戦で90分の劇的な同点弾 |
| 岡崎 楽 | 第9節で得点 |
※卒業生は含めない。出典:2026年プリンスリーグ中国の得点記録。
2026年 プリンスリーグ中国 前半戦の戦績
| 節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | 就実 | 1-0 | ○ | 岡部朔成 |
| 第2節 | 4/11 | レノファ山口FC U-18 | 1-0 | ○ | 小椋大雅 |
| 第3節 | 4/18 | 広島皆実 | 1-1 | △ | 南田康介 |
| 第4節 | 4/25 | 大社 | 0-2 | ● | — |
| 第5節 | 4/29 | 立正大淞南 | 0-2 | ● | — |
| 第6節 | 5/9 | 高川学園 | 1-1 | △ | 南田康介 |
| 第7節 | 5/16 | 玉野光南 | 3-1 | ○ | 上田航大、岡部朔成、菅野大冴 |
| 第8節 | 5/23 | 瀬戸内 | 1-1 | △ | 門脇陽希 |
| 第9節 | 6/27 | 岡山学芸館 | 1-2 | ● | 岡崎楽 |
→ 総括:第9節終了時点で3勝3分3敗・勝点12の4位(9得点10失点)。開幕から就実・レノファ山口FC U-18を相手に2試合連続の完封勝利と好スタートを切ったが、第4・5節で連敗を喫した。第7節では玉野光南に3-1で快勝し、第8節では瀬戸内相手に後半90分の劇的な同点弾で勝ち点をもぎ取るなど、原理原則に基づく粘り強い戦いを見せている。後半戦は9月5・6日の第10節から再開する。最新の順位はプリンスリーグ中国で確認できる。