チームの特徴
四国学院大学香川西高校(旧・香川西)サッカー部は、香川県1部リーグ(FAリーグ)所属(2026年現在)、香川県三豊市を本拠地とする四国を代表する強豪。地方の一私立高校から全国大会の常連へと成長した稀有な歴史を持ち、Jユース台頭の時代に「J下部に昇格できなかった有望株」を全国から集める「受け皿」として明確なポジショニングを確立している。提携する四国学院大学の人工芝グラウンドと充実した寮環境を武器に、2026年もインターハイ香川予選で6大会ぶり12回目の全国出場を決めた。
スタイル: チームの根幹は大浦恭敬監督が掲げる「凡事徹底(当たり前のことを懸命に積み重ねる)」。「走り勝つ/攻守の切りかえ/球際の厳しさ/自己管理/規律/礼儀/個人の課題」という7つの実践事項で、現代サッカーの強度と社会人の倫理観を融合させる。戦術は伝統の「走り勝つ」サッカーを土台に、スピードとトランジションの質を高めた連動プレスと鋭いカウンター。相手が対策を講じても「その上を行く」個のスピードと技術で打開する柔軟性を備える。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | ベスト16(2008・2009年度) | 登里享平らの世代。市立船橋・前橋育英から金星も |
| 全国高校総体(インターハイ) | 出場12回 | 2026年は6大会ぶり12回目。県の絶対的トップコンテンダー |
| 県高校総体(インターハイ予選) | 優勝(2026年) | 決勝で尽誠学園を2-0。準決勝で大手前高松をPK戦で撃破 |
| 女子サッカー部 | 全国常連 | 2014年創部、「常走!常笑!」で全国大会の常連に |
→ 選手権での超強豪撃破と2008・09年度のベスト16で全国区となり、インターハイ12回出場と数十年にわたり香川のトップを走り続ける。2026年も県予選を制して全国の舞台に戻ってきた。
チームの歩み
創生期とジャイアントキリング
- 国士舘大出身の大浦恭敬が監督に就任し、選手層の薄さや環境の課題を、基本技術の反復と強靭なメンタリティで克服。サッカー部を「ゼロから全国レベル」へ引き上げた“生みの親”
- 全国選手権で市立船橋・前橋育英ら超強豪から金星。「走力と戦術的規律」が全国の頂点に通用することを証明し、「香川西」ブランドを全国の中学生に認知させた
黄金期(2000年代後半)
- 2008年度・2009年度:選手権で2年連続の全国ベスト16。後に川崎フロンターレ黄金期を支える登里享平らを擁し、高速サイド攻撃と無尽蔵の運動量で旋風を起こした
- 県内の尽誠学園・大手前高松・高松商らとの熾烈な競争を勝ち抜き、勝負強さを研ぎ澄ませた
世代交代と現在(2026年)
- かつて校長も務めた大浦恭敬監督が専属監督として継続する一方、OBでA級ライセンスを持つ大浦翔ヘッドコーチら若い指導陣が台頭。哲学の継承と世代交代がスムーズに進む
- 2026年:プリンス四国降格という逆境から、インターハイ香川予選で尽誠学園を破り6大会ぶり12回目の全国出場
強さの3本柱:地方私立の育成エコシステム
① 大学インフラと専用寮
提携する四国学院大学の人工芝グラウンドを日常使用でき、公式戦と同じピッチで戦術を浸透させられる。全寮制に近いシステム(2人部屋・23時消灯・点呼)で規律ある生活を構築し、徒歩圏の温泉施設もリカバリーに活用する。
② 全国スカウト網
付属下部組織を持たない代わりに、県内のFCコーマラント、関西の FCフレスカ神戸・RIP ACE・ガンバ大阪門真JY・大阪セントラル、関東の P.S.T.C.ロンドリーナ・東京ベイFCなど全国の強豪街クラブから有望株を獲得。「J下部に昇格できなかった高ポテンシャル選手」に明確なビジョンを示す。
③ 「凡事徹底」の人間教育と文武両道
ICT教材を活用した学習指導で大阪大・山口大・琉球大など国公立大への現役合格者を継続的に輩出し、公務員・優良企業就職にも強い。スポーツ推薦に依存しない多様なキャリアパスを提示する。
輩出した主なプロ選手
これまでに9名以上のJリーガーを輩出。規律・走力・ハードワークを備えた選手が多い。
- 登里 享平(DF/MF、セレッソ大阪):爆発的なスピードとドリブルで川崎フロンターレ黄金期を支えた左サイドのスペシャリスト。U-22日本代表としてアジア大会優勝に貢献。2024年に川崎FからC大阪へ完全移籍
- 藤谷 匠(DF、福島ユナイテッドFC):高校でFW→CBへ転向し開花。184cmの対人守備が武器。神戸学院大・FC岐阜・栃木SCを経て活躍
- 吉田 源太郎(MF、FC大阪):四国学院大→特別指定を経てカマタマーレ讃岐入り。局面打開の技術とフィジカルが持ち味で、2026年にFC大阪へ期限付き移籍
→ 高木和正(元栃木SC)、阪本翔一朗(元ツエーゲン金沢)らも輩出。中盤・前線でクリエイティビティと走力を発揮する選手が多い。
※2026 W杯日本代表26人に同校OBの選出はなし(W杯代表26人の出身校特集)。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
いずれも2026年度に在学中の高校生。十河・細川の学年とポジションは2026年インターハイ予選決勝の公式戦レポートで確認した。
| 選手 | 背番号 | ポジション・備考 |
|---|---|---|
| 細川 俐空 | 10 | FW(3年)。圧倒的なスピードで守備網を切り裂くエース。インターハイ予選決勝で前半6分に先制弾を決め、チームを全国へ導いた |
| 十河 陽人 | 3 | DF(3年)。最終ラインからチームを鼓舞し、安定したビルドアップの起点となる守備の柱 |
| 安永 一颯 | — | MF。プレッシャーのかかる場面でも冷静にPKを沈める勝負強さ。決勝でも先制点に絡む |
| 植田 絆 | — | MF。右サイドのスペースを果敢に仕掛け、攻撃のアクセントとなるアタッカー |
→ 「凡事徹底」をピッチで体現するコレクティブな集団。大舞台でも動じない精神力(決勝も平常心でロッカーを後にした)が、厳しいトーナメントを勝ち抜く原動力だ。卒業生(登里享平ら)は上記に含めず、現役の在学生のみを掲載している。
2026年インターハイ香川県予選(尽誠学園を破り6大会ぶりの全国へ)
| ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2回戦 | 琴平 | ○ 10-0 |
| 3回戦 | 高松西 | ○ 7-0 |
| 準々決勝 | 高松商業 | ○ 3-1 |
| 準決勝 | 大手前高松 | ○ 0-0(PK勝ち) |
| 決勝 | 尽誠学園 | ○ 2-0 |
→ 初戦から大量得点で勝ち上がり、準々決勝で県1部のライバル・高松商業を3-1、準決勝では新人戦で敗れた大手前高松をPK戦で撃破して雪辱。決勝は細川の先制弾などで尽誠学園を2-0と完封し、6大会ぶり12回目の全国インターハイ出場を決めた。7月末のインターハイ全国大会に香川代表として臨む。
リーグ戦での立ち位置(香川県1部)
四学香川西は2025年のプリンスリーグ四国で1勝2分15敗の10位となり降格。2026年は香川県1部リーグ(FAリーグ)を主戦場に、プリンス四国復帰を目指して戦っている。県1部では圧倒的な成績を残しており、カマタマーレ讃岐U-18に11-0、大手前高松に6-0と大勝するなど県内屈指の攻撃力・組織力を誇る。一発勝負のインターハイ予選で県の上位陣を倒した勝負強さと合わせ、近い将来のプリンス四国復帰が期待される。山口・四国勢のプリンスはプリンスリーグ四国で確認できる。