チームの特徴
桐生第一高校サッカー部は、前橋育英高校が長く覇権を握ってきた群馬県の激戦区において、それに挑む立場から2000年代以降に着実に力をつけてきたチームである。2011年の第90回全国高校サッカー選手権大会に初出場していきなりベスト8まで勝ち上がり、全国に衝撃を与えた。2022年には高校サッカーの最高峰リーグであるプレミアリーグEASTにも到達している。チームは「チームはひとつ」をモットーに掲げ、テーマに「規律・謙虚・競争」を、目標に「日本一の集団」を据える(学校公式・JFA公式の2ソースで確認)。
スタイル: 中村裕幸監督は攻撃に比重を置いた指導方針を採る。「ボールを動かすには何が必要か問い詰めれば〝技術〟となる」「技術にたけた子を試合には出します」と語り、「相手のプレスをかわし、耐え、いかに攻撃時間を長くするか」を重視している。前任の田野豪一監督時代からポゼッションを重んじる姿勢は変わらず、映像分析を通じて「勝つ状態=ボール保持率60%かつ攻守の切り替え回数が相手を上回る」ことを一つの指針としてきた。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 出場3回(第90回=2011年度/第92回=2013年度/第94回=2015年度) | 第90回=2011年度は初出場でベスト8 |
| 全国高校総合体育大会(インターハイ) | 出場3回(2005年度/2007年度/2015年度) | 2005年度が初出場 |
| プレミアリーグEAST | 2022年参戦 | プレミアリーグ2021プレーオフAブロック優勝で初昇格 |
| プリンスリーグ関東 | 2021年3位 | |
| 関東高校サッカー大会 | Bグループ優勝2回(2018年度・2021年度) | |
| 群馬県高校サッカー新人大会 | 優勝2回(2011年度・2014年度) | |
| プリンスリーグ関東1部(2026年) | 第9節終了時点10位 |
チームの歩み
小林勉体制と初出場ベスト8(2002年〜)
2002年に小林勉が監督に就任した。2005年にインターハイへ初出場し、同年サッカー部員寮を取得(2009年に竣工)。2007年にはサッカー専用グラウンドが竣工し、練習環境を整えた。そして2011年12月30日、第90回全国高校サッカー選手権に初出場していきなりベスト8まで勝ち上がり、桐生第一は一躍全国区の存在となった。
田野豪一体制と映像分析の導入
後任の田野豪一監督は、高校年代では珍しかった映像分析(Hudl)を導入し、選手が客観的に自らのプレーを振り返る文化を根付かせた。2020年度の全国高校サッカー選手権群馬県大会では、5年連続優勝中だった前橋育英を破っている。田野は2022年、鹿児島ユナイテッドFCのU-18監督兼アカデミーダイレクターへ転出した。
中村裕幸体制へ(2022年〜)
2022年1月、中村裕幸が監督に就任した。中村は流通経済大学でセンターバックとしてプレーし、4年時に総理大臣杯・インカレでベスト4入りを果たした。2006年8月に桐生第一へ教員(現代社会担当)として着任すると同時にサッカー部コーチとなり、小林・田野の両監督の下で長くコーチを務めたのち監督へ昇格している。
育成システム
練習拠点は系列の ぐんま未来大学(2026年4月に桐生大学から改称)の人工芝サッカー場である。2007年に竣工したサッカー専用グラウンドと、2005年に取得し2009年に竣工した部員寮を備え、遠方からの入部希望者も受け入れている。系列中学との連携もあり、2017年に小林勉が桐生大学附属中学校(2026年4月に桐生第一中学校へ改称)の監督に就任している。
2026年の体制
監督は中村裕幸(2022年1月就任)である。
輩出した主なプロ選手
鈴木 武蔵(FW、栃木シティ)。桐生第一在学中にU-17ワールドカップに出場しベスト8を経験している(学校公式)。高校卒業と同時にプロ入りし、アルビレックス新潟・V・ファーレン長崎・北海道コンサドーレ札幌・ガンバ大阪、さらにベルギーのKベールスホットVAでプレー。日本代表としてカタールW杯予選にも出場した(学校公式)。2026年1月に横浜FCから栃木シティへ完全移籍している。
中野 就斗(DF、サンフレッチェ広島)。桐蔭横浜大を経てプロ入りし、ロングスローと対人の強さを武器に主力として定着している。
このほかのOBは以下の通り。
- 若月 大和(アルビレックス新潟。高校在学中にU-17ワールドカップでベスト16〈学校公式〉)
- 田中 渉(鹿児島ユナイテッドFC。2026年6月にモンテディオ山形から完全移籍)
- 田中 宏武(北海道コンサドーレ札幌)
- 乾 貴哉(栃木シティ)
- 鈴木 順也(FC琉球)
- 中野 力瑠(ザスパ群馬。中野就斗の弟)
- 諏訪 晃大(甲南大。2027年1月にレノファ山口FCへ加入内定、2026/27シーズンのJFA・Jリーグ特別指定選手)
- 落合 遥斗(Y.S.C.C.横浜)
- 乾 大知(tonan前橋)
- 金子 昌広(KUMAGAYA CITY FC)
- 一宮 憲太(品川CC)
- 髙橋 一輝(韓国・K League 1の富川FC 1995)
- 蜂須賀 孝治(仙台大を経てベガルタ仙台・ブラウブリッツ秋田でプレーし、2024シーズン限りで現役を引退)
高校卒業と同時にプロへ進むルートと、大学を経由してプロ入りするルートの双方が確立されている点が、桐生第一の育成の特徴である。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
ゼイダム小田 孟武(DF・背番号5)
2008年4月29日生まれ、180cm。ブラジル人の父と日本人の母を持ち、日本で生まれ2歳から7歳までシンガポールで過ごした。AZ'86東京青梅ジュニアユース出身で、桐生第一では2年生で背番号5を引き継いだ。2026年のU-18日本代表に選出され(第8回 J-VILLAGE CUP U-18)、U-17日本高校選抜候補にも名を連ねている(日本代表選出選手ページ参照)。
桐生第一の背番号5は中野就斗(サンフレッチェ広島)→中野力瑠(ザスパ群馬)→原田琉煌→ゼイダム小田 孟武と受け継がれるセンターバックの系譜であり、中野兄弟も同じくAZ'86東京青梅のOBである。本人は「桐生第一の5番を背負う責任は重いと思っています」と語り、進学の動機についても「群馬県の高校サッカーと言えば、僕のなかでは前橋育英という認識でした。桐生第一に進学すると決めた瞬間に、絶対に倒したいと思った」と振り返っている(football-zone)。
※学年はサイト方針により個別には記載していません。
2026年プリンスリーグ関東1部 序盤戦
| 節 | 日付 | 対戦 | H/A | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | 桐蔭学園 | H | △ 2-2 |
| 第2節 | 4/11 | ジェフユナイテッド市原・千葉U-18 | A | ○ 3-1 |
| 第3節 | 4/19 | RB大宮アルディージャU18 | H | ● 0-1 |
| 第4節 | 4/25 | 流通経済大学付属柏B | A | ● 0-1 |
| 第5節 | 5/2 | 浦和レッズユース | H | ● 1-3 |
| 第6節 | 5/9 | 帝京高校 | H | ● 0-3 |
| 第7節 | 5/17 | 市立船橋高校 | A | ● 2-3 |
| 第8節 | 6/21 | ヴァンフォーレ甲府U-18 | H | △ 1-1 |
| 第9節 | 6/28 | 山梨学院高等学校 | A | ● 1-4 |
→ 第9節終了時点で10位・勝点5・1勝2分6敗・10得点19失点(得失点差-9)。第2節ではアウェイのジェフユナイテッド市原・千葉U-18戦に3-1と快勝した一方、第3節のRB大宮アルディージャU18戦・第4節の流通経済大学付属柏B戦はいずれも0-1と1点差で競り負けた。9位・帝京高校との勝点差は1にとどまる。首位は浦和レッズユース(勝点20)、2位が市立船橋(同20)。後半戦の第10節は9月5日に組まれている。
※試合結果・順位はJFA公式勝敗表・高校サッカードットコムを出典に照合。順位は毎日の自動更新で最新化されます。