チームの特徴
ロアッソ熊本U-18は、2009年に発足したロアッソ熊本のアカデミー最上位カテゴリー。大津高校・ルーテル学院など全国区の強豪校がひしめく「高校サッカー王国・熊本」において、後発のJクラブユースとして独自の存在意義を築いてきた。近年は高校1年でプロ契約を結んだ神代慶人(現アイントラハト・フランクフルト)と道脇豊(現アビスパ福岡)を輩出し、「欧州トップリーグに直結するアカデミー」へと評価を一変させている。
スタイル: クラブがアカデミーに掲げるのは、「若年層からの一貫指導により、人間的にもサッカー技術においても真にプロフェッショナルと呼ばれる選手を育て、トップチームおよび国際舞台で活躍できる選手を輩出する」という方針。礼節を重んじた人間教育も柱に据え、自立して行動・決断できる個の育成を目指す。
ピッチ上では、プレッシャー下でも正確にボールを扱う「止めて蹴る」の徹底を土台に、ボール保持を基本としながら失った瞬間の即時奪回と縦への速い攻撃の精度を高く要求する。トップチームの志向と同期させることで、2種登録やトップ昇格の際にすぐ機能する選手を計画的に育てている。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ熊本1部 | 優勝(2022年) | 県内の強豪校を上回る実力を証明 |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ九州2部 | 優勝(2023年) | プリンスリーグ九州1部へ昇格 |
| KYFA 九州クラブユース(U-18)選手権 | 準優勝(2023年) | 決勝でV・ファーレン長崎U-18とPK戦の末に敗退。日本クラブユース選手権(U-18)へ出場 |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ九州1部(2026) | 第9節終了時点 3位 | 5勝1分3敗・勝点16・13得点11失点(得失点差+2) |
→ 2022〜2023年が黄金期の幕開け。県1部優勝 → プリンス九州2部優勝&1部昇格 → 九州クラブユース準優勝と一気に階段を駆け上がり、全国大会の常連クラスへ。現在は九州1部で首位・V・ファーレン長崎U-18、2位・鹿児島城西を追う3位につけている。
チームの歩み
創生期(2009年〜):高校サッカー王国での後発組
- クラブは2006年にジュニアユース(U-15)を設立し、一貫指導体制の最終段階として2009年に「ロアッソ熊本ユース(U-18)」が発足
- 当時の熊本では、大津高校をはじめとする強豪校に進学することがプロへの最短ルートと見られており、有望な中学生の確保は容易ではなかった。この雌伏の時期に「ボールを大切にする」技術重視の基盤を愚直に築いたことが、後の飛躍の布石になった
黄金期(2022〜2023年)
- 2022年:高円宮杯 U-18サッカーリーグ熊本1部で優勝。県内の強豪校を上回る実力を示した
- 2023年:プリンスリーグ九州2部で優勝し、九州1部へ昇格。同年の九州クラブユース選手権では決勝でV・ファーレン長崎U-18とPK戦の末に敗れて準優勝となったが、日本クラブユース選手権(U-18)への出場権を獲得した
現在
- 2026年:山崎侑輝監督(2016年からロアッソ熊本のアカデミーコーチを務め、ジュニアユース監督を経て2025年にU-18監督へ昇格した、クラブの一貫指導を知り尽くす指導者)のもと、プリンスリーグ九州1部で上位を争う
育成システム:COSMOSと広域スカウティング
① 拠点「COSMOS」(熊本県フットボールセンター)
かつては県内の複数施設を転々としていたが、上益城郡嘉島町に誕生した熊本県フットボールセンター「COSMOS」が環境を一変させた。ナイター照明付きの人工芝フルコート2面を備え、ミーティングスペースやリカバリー環境も充実。クラブが重視する「止めて蹴る」の精度を高める上でも、天候に左右されない安定したピッチは大きな武器になっている。
② U-12〜U-18の一貫指導(阿蘇・人吉の支部も)
ジュニア → ジュニアユース(本部のほか阿蘇・人吉に支部)→ ユースという一貫指導体制。阿蘇・人吉の支部から着実にU-18へ選手が上がってくるのは、県内広域をカバーする育成網の成果だ。
③ 全国区になったスカウティング
現在のU-18には、サガン鳥栖U-15・アビスパ福岡U-15といった隣県のJクラブアカデミー出身者、FC琉球U-15(沖縄)、さらにVervento京都FCなど関西の強豪街クラブからの加入者も並ぶ。COSMOSという環境と、才能があれば高校生でも迷わずプロ契約を与えるクラブの姿勢が相乗効果を生み、「県境を越えて選ばれる育成機関」になりつつある。
輩出した主なプロ選手
「年齢の壁」を破った2人のストライカー
- 神代 慶人(FW、アイントラハト・フランクフルト=ドイツ):U-18在籍中の高校1年(16歳)でプロ契約。J2最年少得点記録を塗り替え、2025年にJ2で8ゴールを挙げて優秀選手賞を受賞。2026年1月にブンデスリーガのフランクフルトへ完全移籍した
- 道脇 豊(FW、アビスパ福岡):186cmの長身ストライカー。高校1年でプロ契約という異例のキャリアを歩み、ベルギーのSKベフェレンへの期限付き移籍を経て2026年1月にアビスパ福岡へ完全移籍。同年6月からは出場機会を求めていわきFCへ育成型期限付き移籍中
そのほかの主なOB
- 上村 周平(MF、愛媛FC):アカデミーの象徴的存在。ロアッソ一筋で長く活躍し、2026年7月に完全移籍
- 坂本 亘基(MF、サガン鳥栖):明治大学を経て熊本へ加入。横浜FC・モンテディオ山形を経て鳥栖へ
- ほかにも、嶋田慎太郎・米原秀亮・樋口叶・小島圭巽・谷山湧人・衛藤幹弥ら多くのOBがプロの世界へ進んでいる
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式や各クラブ公式でご確認ください。
→ 神代慶人・道脇豊に象徴されるのが、「年齢の壁」を壊すファストトラック。才能ある選手には高校年代の枠に縛られず躊躇なくプロ契約を与え、トップの舞台を経験させる。この運用が、欧州クラブのスカウト網に直接捕捉されるという結果につながっている。
2026年の注目選手
- 増村 凌久(ロアッソ熊本ジュニアユース出身):リーグ5得点でチーム得点王。第9節・大津2nd戦では2得点を挙げるなど、攻撃を牽引する
- 平井 一輝(ロアッソ熊本ジュニアユース出身):4得点。第8節・FC琉球U-18戦の決勝点など、勝ち切る試合で決めている
- 福田 虎之介(ロアッソ熊本ジュニア→ジュニアユースの生え抜き):2得点。第5節・東海大熊本星翔戦の決勝弾を記録
- 小田 詠人・寺井 廣良(サガン鳥栖U-15出身)/喜久本 大知(FC琉球U-15出身):他クラブアカデミーから加わり競争を加速させる存在
- 椎葉 匠海・廣田 亘(ジュニアからの完全生え抜き):クラブの哲学を体現するアカデミー育ち
※学年・ポジションはクラブ公式で個別に公表されていないため記載していません(出典:クラブ公式のU-18登録選手一覧・リーグ戦の得点記録)。
2026年プリンスリーグ九州1部 序盤戦
| 節 | 日付 | 対戦 | H/A | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | vs 鹿児島城西高校 | A | ● 0-3 |
| 第2節 | 4/11 | vs 日章学園高校 | A | ○ 4-1 |
| 第3節 | 4/19 | vs 東福岡高校 | H | △ 1-1 |
| 第4節 | 4/25 | vs 飯塚高校 | H | ○ 2-0 |
| 第5節 | 5/2 | vs 東海大学付属熊本星翔高校 | H | ○ 1-0 |
| 第6節 | 5/5 | vs V・ファーレン長崎U-18 | A | ● 0-1 |
| 第7節 | 5/9 | vs 国見高校 | H | ● 0-4 |
| 第8節 | 5/16 | vs FC琉球U-18 | A | ○ 1-0 |
| 第9節 | 6/27 | vs 大津高校2nd | H | ○ 4-1 |
→ 第9節終了時点で5勝1分3敗・勝点16、プリンスリーグ九州1部の3位(13得点11失点・得失点差+2)。開幕戦で鹿児島城西に0-3と敗れたものの、そこから立て直して着実に勝点を積み上げている。首位・V・ファーレン長崎U-18(勝点24)、2位・鹿児島城西(22)とは差があるが、3位以下を引き離す位置につけている。
課題は上位との対戦。長崎U-18に0-1、国見に0-4と、取りこぼしが痛い。一方で同県のライバル(東海大熊本星翔・大津2nd)からは確実に勝点3を奪っており、県内での実力上位は明確だ。13得点のうち増村凌久5点・平井一輝4点と、内部昇格組の2人が攻撃を牽引している。
※試合結果・順位は高校サッカードットコム(koko-soccer.com)のプリンスリーグ九州1部ページを出典に照合。本サイトの順位データとも一致(第9節終了時点)。順位は毎日の自動更新で最新化されます。