チームの特徴
広島皆実高校サッカー部は、広島県広島市の広島県立広島皆実高校のサッカー部である。私立が台頭する高校サッカー界にあって全国大会の常連であり続ける、「公立の雄」と称される広島の伝統校である。
1949年頃に創部され、指揮を執るのは同校OBの上田貴典監督である。
チームの哲学は「堅守強攻(けんしゅきょうこう)」であり、堅い守備を土台に、後方からのビルドアップと連動したパスワークで能動的に攻め崩すスタイルを掲げる。ユニフォームは伝統の「緑と黒の縦縞(通称スイカ柄)」でも知られる。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 初優勝(2008年度・第87回) | 決勝は国立競技場で鹿児島城西高校(大迫勇也が大会10得点)に3-2。広島県勢の優勝は第46回大会の山陽高校以来41年ぶり |
| 全国高校サッカー選手権 | 通算18回出場(2025年度時点) | 選手権の常連校 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 両校優勝(1999年度・岩手大会) | 八千代高校(千葉)とインターハイ史上初の両校優勝、初の全国タイトル |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ中国(2026) | 第9節終了時点7位 | 2勝3分4敗・勝点9(前半戦) |
→ 2008年度(第87回)選手権初優勝を頂点に、選手権通算18回出場、1999年インターハイでの両校優勝など、全国レベルでの実績を積み重ねてきた伝統校である。2026年はプリンスリーグ中国で第9節終了時点7位に位置している。
チームの歩み
創部と強豪化
1949年頃に創部された広島皆実高校サッカー部は、公立校でありながら着実に力をつけ、広島県内外で存在感を高めていった。1999年の岩手インターハイでは、八千代高校(千葉)とインターハイ史上初の両校優勝を果たし、初の全国タイトルを獲得した。
黄金期=2008年度選手権初優勝
2008年度(第87回)全国高校サッカー選手権で初優勝を果たした。決勝は国立競技場で、大迫勇也(大会10得点)を擁する鹿児島城西高校と対戦し、3-2で競り勝った。堅守を土台にしながら「打ち合って勝つ」姿勢を貫いた歴史的な決勝として語り継がれている。冬の選手権における広島県勢の優勝は、第46回大会の山陽高校以来41年ぶりの快挙であった。
現在(2026年)
上田貴典監督の下、選手権には2025年度で通算18回目の出場を数えるなど、現在も全国レベルの常連校であり続けている。2026年度インターハイ広島県予選では県ベスト4(第3位)に進出し、準々決勝で広島国泰寺を2-0で下したが、準決勝で県内のライバル・広島県瀬戸内高校に1-4で敗れた(優勝は瀬戸内)。プリンスリーグ中国でも上位進出を目指して戦いを続けている。
育成システム
公立校のため中高一貫の附属組織は持たないが、シーガル広島・広島ピジョンFC・FCツネイシ・廿日市FCといった県内の有力ジュニアユースクラブから有望な選手が集まるエコシステムを築いており、広島県における「タレント流出の受け皿」として機能している。
元日本代表の森重真人(後述)は、サンフレッチェ広島ジュニアユースからユース昇格を逃した後、広島皆実で大成した代表例である。
公立校ながらOB会・後援会の支援が厚いことも特徴で、全国大会出場時の遠征費をクラウドファンディング(第104回選手権では目標200万円)でまかなうなど、地域と卒業生に支えられている。
輩出したプロ選手・OB
- 森重真人(DF、FC東京):広島皆実が誇る最大のOB。サンフレッチェ広島ジュニアユースからユース昇格が叶わず皆実へ進み、大分トリニータを経てFC東京の主軸に成長した。2014年ブラジルワールドカップに出場した元日本代表で、2026年はFC東京在籍17年目を迎えるクラブのレジェンドである。
- 前川黛也(GK、ヴィッセル神戸):広島皆実から関西大学を経て、2017年よりヴィッセル神戸でプレーする守護神。J1リーグの舞台で正守護神を務め、SAMURAI BLUE(日本代表)にも選出された現役のゴールキーパーである。
- 中島永弥(MF、ロアッソ熊本):サンフレッチェ広島の下部組織から皆実へ進み、高校卒業後に直接ポーランド1部リーグへ渡った異色の経歴を持つ。欧州での経験を経て、2026年7月にロアッソ熊本へ完全移籍した。
- 渡大生(FW、徳島ヴォルティス)、重廣卓也(MF、徳島ヴォルティス):ともにJリーグの各クラブを渡り歩き、現在は徳島でプレーする現役のOBである。
- 井林章(DF)、増田卓也(GK)、柴村直弥(DF)ら、Jリーグや海外で長くプレーした後に現役を退いたOBも多い(増田は引退後に教員へ転身した)。
- 特筆すべき指導者OBとして、下田崇(元サンフレッチェ広島・元日本代表GK)がいる。現在はサッカー日本代表のゴールキーパーコーチを務めており、2026年北中米ワールドカップでも日本代表を支えた。
2026年北中米ワールドカップの日本代表に広島皆実出身の選手は選出されなかったが、同校OBの下田崇が日本代表のGKコーチとして大会に臨んだ。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式や各クラブ公式でご確認ください。
2026年の注目選手
- 熊澤 輝心:第4節・岡山学芸館戦(1-0)で後半に決勝ゴールを挙げ、全国レベルの強豪相手の完封勝利をたぐり寄せた。
※選手名はリーグ戦の得点記録に基づく。学年はJFA等で公表されていないため個別には記載していない。
2026年プリンスリーグ中国 前半戦の戦績
| 節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | 広島県瀬戸内 | 1-2 | ● |
| 第2節 | 4/11 | 高川学園 | 0-0 | △ |
| 第3節 | 4/18 | 作陽学園 | 1-1 | △ |
| 第4節 | 4/25 | 岡山学芸館 | 1-0 | ○ |
| 第5節 | 4/29 | レノファ山口FC U-18 | 1-1 | △ |
| 第6節 | 5/9 | 就実 | 0-2 | ● |
| 第7節 | 5/16 | 大社 | 1-0 | ○ |
| 第8節 | 5/23 | 玉野光南 | 0-1 | ● |
| 第9節 | 6/27 | 立正大淞南 | 0-3 | ● |
→ 第9節終了時点で2勝3分4敗・勝点9、プリンスリーグ中国で7位(10チーム中)。5得点10失点・得失点差-5。第4節で全国レベルの岡山学芸館を1-0の完封で下し、第7節でも島根の強豪・大社を1-0で退けるなど、伝統の堅守は随所に見せている。一方で全9試合で5得点、無得点試合が4試合と、得点力(強攻)の停滞が課題として浮かんでいる。プリンスリーグ残留と上位進出に向け、フィニッシュの精度向上が後半戦の鍵となる。後半戦は9月6日の第10節(瀬戸内戦)から再開する。
※試合結果・順位は本サイトの順位データ(毎日自動更新)およびプリンスリーグ中国の公式記録・ゲキサカと照合済み(第9節終了時点)。