チームの特徴
滝川第二高校サッカー部(通称:滝二)は、プリンスリーグ関西2部所属(2026年現在)、兵庫県神戸市西区を本拠地とする全国屈指の名門。1984年の開校と同時に創部され、わずか3年目で全国選手権初出場。以来、激戦区・兵庫で過去36年間に21回の県代表という圧倒的な支配力を誇ってきた。2006年の高円宮杯全日本ユース選手権制覇(Jユース勢を次々撃破しての真の日本一)、2010年度の第89回全国高校サッカー選手権優勝という2つの金字塔を持ち、2026年はインターハイに2大会連続25回目の出場(本選ページ)を決めた。岡崎慎司ら日本代表クラスの選手に加え、Jリーグのトップチーム監督を多数輩出する「指導者の名門」でもある。
スタイル: 部訓は「怯まず 驕らず 溌溂と」。初代監督・黒田和生氏の「人間性=サッカー」——学校生活もろくにできない者がサッカーはうまくならない——という人間教育第一の哲学が、創部以来の精神的支柱として現役選手からOB指導者まで貫かれている。現在の小森康宏監督体制では、かつての「ブルドーザー」と称された推進力一辺倒のスタイルから、「ポゼッションサッカーに強度を加えた『新しい滝二』」へとパラダイムシフト。後方からの意図的なビルドアップと、トランジションでの圧倒的なインテンシティを両立させ、2026年はリーグ最多の1試合平均3得点を叩き出す破壊的攻撃力を誇る。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 第89回(2010年度) | 全国優勝 | 大会を通じて一度もリードを許さない完勝劇。FW樋口寛規が8得点で単独得点王 |
| 高円宮杯 全日本ユース(U-18)選手権 2006 | 優勝 | Jユース勢を次々撃破し、ユース年代の「真の日本一」に |
| 全国高校総体(インターハイ) | 準優勝(2010年)/2026年出場(2大会連続25回目) | 2026年兵庫県予選決勝でAIE国際を1-0で撃破 |
| 全国高校サッカー選手権 | 初出場 1986年度(第65回) | 創部3年目・1期生での全国到達 |
| 兵庫県代表 | 過去36年間で21回 | 神戸弘陵(11回)と二強時代を築いた圧倒的な県内支配力 |
→ 2026年はプリンスリーグ関西2部で首位を快走。「1部復帰」と「インターハイでの上位進出」の両取りを狙う。
チームの歩み
創生期(1984年〜):開校3年目で全国へ
- 1984年4月:滝川第二高校の開校と同時に創部。初代監督は後に台湾代表監督・ヴィッセル神戸育成部長を歴任する黒田和生氏
- 1986年度(第65回選手権):創部3年目、1期生が最高学年となった年に早くも全国初出場(初戦は岐阜工業に0-1)
- 以降、兵庫県内で圧倒的な支配力を確立。「怯まず 驕らず 溌溂と」の部訓と人間教育第一の哲学が浸透していく
黄金期(2000年代後半〜2010年代初頭)
- 2006年:第17回高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権で優勝。組織的守備と勝負強さがクラブユース勢にも通用することを全国に証明
- 2010年度(第89回選手権):栫裕保監督(当時)の下、登録25人中24人を起用する総力戦で初の選手権優勝。樋口寛規・浜口孝太の「ダブルブルドーザー」2トップが猛威を振るい、樋口は大会8得点で得点王に。同年のインターハイでも準優勝し、名実ともに日本の高校サッカーの中心に
「新しい滝二」への転換(2020年代)
- OBの松岡徹総監督、小森康宏監督、元Jリーガーの中西規真コーチ(OB・2024年教員着任)ら、OBが指導の中核を担う体制で「滝二イズム」を継承
- 戦術はフィジカル一辺倒から、ポゼッション×高強度トランジションの現代型へ進化
- 2026年6月:インターハイ兵庫県予選決勝で新興勢力・AIE国際を1-0で下し、2大会連続25回目の全国出場(AIE国際の挑戦を描いた特集記事はこちら)
強さの4本柱:人間教育×最先端インフラの名門モデル
① 「怯まず 驕らず 溌溂と」の人間教育
強豪相手にも怯まず、勝っても驕らず、高校生らしく溌溂と。黒田和生初代監督の「人間性=サッカー」論は、挨拶・礼儀・規律という人間形成を技術指導より優先する。この教育が、逆境で折れないメンタリティの選手(岡崎慎司が代表例)と、組織を率いる指導者を量産する土台になっている。
② プロ仕様のインフラと熱中症対策「Viuシステム」
学園100周年記念事業で整備された105m×68mフルピッチのロングパイル人工芝「ドリームターフ」、LED夜間照明4棟、ウェイトルーム付き専用クラブハウス、部員約41名が暮らす学園寮を完備。特筆すべきは微細な水を立体散水して人工芝の表面温度を下げる熱中症対策「Viu(微雨)システム」の導入で、酷暑下のトレーニング安全性はプロクラブ級。
③ 中高一貫と関西全域のスカウト網
姉妹校・滝川第二中学校との中高一貫指導に加え、FCフレスカ神戸・伊丹FC・セレッソ大阪U-15・ヴィッセル神戸U-15など関西全域から才能が集結。Jアカデミーの選考から漏れたハングリーな才能を鍛え直す「セカンドチャンスの育成モデル」としても機能し、文武両道の校風から東京大学合格者も輩出している。
④ 岡崎慎司との「世界直結」エコシステム
OBの岡崎慎司氏が理事・スポーツダイレクターを務めるFC BASARA HYOGOが学校近隣(神戸市西区)に拠点を構え、欧州(ドイツ)のスタンダードを地域に還元。滝二OBのGK清水圭介が岡崎氏のオファーで同クラブに完全移籍するなど、世界を知るOBの哲学と経験が現役選手のキャリア観に直接フィードバックされる、他に類のない学習環境が生まれている。
輩出した主なプロ選手
レジェンドOB:世界と戦った男たち
- 岡崎 慎司(FW・引退、FCバサラマインツ監督=ドイツ):清水→マインツ→レスターでプレミアリーグ優勝→ウエスカ等。日本代表通算50得点(歴代3位)、W杯3大会連続出場の絶対的ストライカー。引退後はドイツで監督・理事として「世界基準の育成」を日本に還元する挑戦を続ける
- 加地 亮(DF・引退):C大阪・FC東京・G大阪等で活躍した2006年ドイツW杯日本代表の右サイドバック
- 波戸 康広(DF・引退):横浜フリューゲルス・横浜FM等で活躍した元日本代表
Jリーグの指揮を執るOB監督たち(2026年所属確認済)
- 吉田 孝行(清水エスパルス監督):ヴィッセル神戸をJ1連覇に導き、2026年から清水を指揮
- 小菊 昭雄(サガン鳥栖監督):C大阪の監督を経て2025年就任、2026-27シーズンも契約更新
- 朴 康造(アトレチコ鈴鹿監督=JFL):元韓国代表。INAC神戸監督等を経て指揮官として活躍
→ Jリーグのトップチーム監督を同時に複数輩出する高校は全国でも極めて稀。「人間性=サッカー」の教育が、戦術的知性と統率力を備えた指導者を生み続けている証左。
現役で活躍する主なOB(2026年所属確認済)
- 金崎 夢生(FW/MF、ヴェルスパ大分=JFL):鹿島・名古屋・ニュルンベルク等で活躍した元日本代表。2024年からJFLで現役続行中
- 本多 勇喜(DF、清水エスパルス):名古屋・京都・神戸を経て清水の最終ラインを支える
- 樋口 寛規(FW、福島ユナイテッドFC):2010年選手権得点王。福島でJ3通算300試合出場を達成したクラブの象徴
- 持井 響太(MF、FC今治=J2)/梶川 諒太(MF、藤枝MYFC=J2)/香川 勇気(DF、カターレ富山)/稲積 大介(DF、ヴァンラーレ八戸)/米澤 令衣(FW、カマタマーレ讃岐・2026年6月移籍)
- 清水 圭介(GK、FC BASARA HYOGO=関西リーグ):大分・京都・C大阪等で長年プレー後、岡崎慎司氏の熱烈なオファーで地元兵庫へ
※2026 W杯日本代表26人に滝二OBの選出はなし。かつて岡崎慎司が3大会連続で日本の前線を背負った系譜の、次の担い手が待たれる(W杯代表26人の出身校特集)。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式・滝川第二サッカー部公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
⭐ リーグを蹂躙する強力2トップ
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 波多野 蒼大(FW) | 3年 | 名古屋98FC/プリンスリーグでハットトリックを記録した得点源。インターハイ予選優秀選手(滝二最多4人選出の筆頭) |
| 本城 圭太(FW) | 3年 | 段上SC/波多野と強力2トップを形成し、コンスタントに得点を量産 |
中盤・最終ライン
| 選手 | 学年 | 前所属・備考 |
|---|---|---|
| 北村 勇貴(MF) | 3年 | FC PASENO ITAMI/中盤のゲームメイクと得点関与。インターハイ予選優秀選手 |
| 奥村 翼(MF) | 3年 | VFC名古屋/高い戦術理解度で重要な試合に強い。インターハイ予選優秀選手 |
| 水野 仁(MF) | 3年 | 中盤の核。金光大阪戦などで得点 |
| 宮本 蒼大(MF/FW) | 3年 | 三宮FC/京都共栄戦で90分に劇的決勝弾を奪った勝負師 |
| 大森 晴希(FW) | 3年 | FC BASARA SUMA/鋭い得点感覚を持つ攻撃の切り札 |
| 大槻 飛孝(DF) | 3年 | FC PASENO ITAMI/最終ラインの要。インターハイ予選優秀選手 |
→ 2026年のチームスローガンは「嵐」。インターハイ兵庫予選では優秀選手に県内最多の4人(波多野・大槻・北村・奥村)が選出された、攻守にタレントの揃う代。
2026年シーズン 戦績
インターハイ兵庫県予選(優勝・2大会連続25回目の全国へ)
準決勝では三田学園を相手に波多野の2発と奥村・本城の連続ゴールで撃ち勝ち、決勝(6/7)では因縁のAIE国際を1-0で完封。新興勢力の挑戦を退け、名門の意地を見せた(AIE国際特集記事)。
プリンスリーグ関西2部 序盤戦
| 節 | 日付 | 試合 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | vs 京都橘2nd | ○ 4-0(無失点の快勝発進) |
| 第2節 | 4/11 | vs 近江2nd | ● 1-6(昇格組に痛恨の大敗) |
| 第3節 | 4/19 | vs 金光大阪 | ○ 3-2(奥村の得点を皮切りに逆転勝ち) |
| 第4節 | 4/25 | vs ヴィッセル神戸U-18 2nd | ○ 6-1(波多野がハットトリック、本城2発) |
| 第5節 | 4/29 | vs 関西学院 | ○ 2-0(完封で3連勝) |
| 第6節 | 5/4 | vs 関西大北陽 | ○ 3-0(波多野・大森・本城の連続得点で首位浮上) |
| 第7節 | 5/10 | vs 京都共栄 | ○ 2-1(宮本が90分に劇的決勝弾で5連勝) |
→ 第7節終了時点で6勝1敗・勝点18、リーグ最多21得点(1試合平均3得点)の首位。第2節の1-6という屈辱から一度も負けずに立て直した「怯まず」のバウンスバックが今季を象徴する。第8節(6/13)は2位・大阪桐蔭との「矛と盾」の頂上決戦——リーグ最多得点の滝二 vs 7試合4失点の桐蔭、1部復帰争いを事実上決する天王山だ。最新順位はプリンスリーグ関西2部 順位表で毎日更新中。