チームの特徴
東北学院高校サッカー部は、宮城県仙台市宮城野区にある私立・東北学院中学校・高等学校のサッカー部である。キリスト教主義に基づく中高一貫の伝統校であり、スポーツ推薦で全国から選手を集めるのではなく、「文武両道」を掲げて学業優先の姿勢を貫く点が最大の個性である。部の理念は「サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にするスポーツである」。進学面では、ほぼ全員が4年制大学進学を希望し、9割以上が現役で合格している(学校公式の表現)。
2024年度(第103回)全国高校サッカー選手権では37年ぶり5回目の出場を果たし全国ベスト16に進出。2026年からは3年ぶりにプリンスリーグ東北へ復帰している。
スタイル: 橋本俊一監督のもと、80分(40分ハーフ)という高校サッカー特有の時間制約を踏まえた「セットプレーの重視」が特徴で、監督は「80分で即PKという流れのなかで、セットプレーがキーになる」と語る。前線からの連動したプレスとネガティブ・トランジションの速さを軸にしたショートカウンターも持ち味である。文武両道の校風がもたらす選手の高い言語化能力を活かしたミーティングによるチームビルディングも特色の一つである。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 通算5回出場(第20回・第21回・第61回・第66回・第103回) | 最高成績は1982年度(第61回大会)の全国ベスト8。2024年度(第103回)は全国ベスト16 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 最高成績は1990年の第25回大会(宮城インターハイ)の全国第3位 | 直近の出場は2023年度(5大会ぶり10回目) |
| 2023年度インターハイ宮城県予選 | 優勝(5大会ぶり10回目の全国出場) | 決勝で東北生活文化大学高に4-0 |
| 2025年度インターハイ宮城県予選 | 準優勝 | 決勝 聖和学園に0-1 |
| 2026年度インターハイ宮城県予選 | 準優勝 | 決勝 聖和学園に0-0、PK2-4 |
| 2025年度 第104回選手権宮城県予選 | ベスト4 | |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ東北(2026・第10節終了時点) | 4位(10チーム中) | 4勝2分4敗・勝点14 |
チームの歩み
創部(1924〜1925年)
東北学院中学校・高等学校サッカー部は、1924年(大正13年)に活動を開始し、翌1925年(大正14年)に松島真を初代部長として正式に「蹴球部」として発足した。2025年に創部100周年を迎えている。
1980〜90年代の全国実績
1982年度(第61回大会)の全国高校サッカー選手権では全国ベスト8に進出した。1990年の第25回インターハイ(宮城県開催)では全国第3位という成績を残している。
2023年度 インターハイ宮城県予選優勝
2023年度の宮城県高校総体では、準決勝で聖和学園に1-0、決勝で東北生活文化大学高に4-0と勝ち、5大会ぶり10回目のインターハイ全国出場を決めた。
2024年度 37年ぶりの選手権と全国ベスト16
2024年度(第103回)全国高校サッカー選手権の宮城県予選決勝(11月3日・ユアテックスタジアム仙台)では、インターハイ全国ベスト16の仙台育英に2-1で勝利した。前半32分に嶺岸颯人のクロスから岡元龍太が先制し、後半33分には嶺岸がバックパスをインターセプトして追加点を挙げた勝利で、37年ぶり5回目の全国出場を決めている(主将は阿部幹大)。橋本監督にとっては3年連続の決勝進出でつかんだ、指揮を執ってから初めての選手権出場だった。
全国1回戦(12月29日・ニッパツ三ツ沢球技場)では奈良育英に3-1で勝利し、42年ぶりの選手権白星を挙げた。得点は佐藤成真の直接FK(7分)、右CKから阿部幹大のヘディング(46分)、佐々木智貴(76分)で、うち2点はデザインされたセットプレーからだった。2回戦(12月31日)は滝川第二に岡元龍太の決勝点で1-0と勝利してベスト16へ進出。3回戦(2025年1月2日・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)では東海大相模に0-3で敗れた(東海大相模はそのままベスト8に進出)。
3年ぶりのプリンスリーグ東北復帰(2026年)
プリンスリーグ東北への昇格は一度では届かなかった。2024年12月のプレーオフではヴァンラーレ八戸U-18と2-2で引き分けたのちPK戦で敗退している。そして翌2025年12月のプレーオフを3試合連続のPK戦勝利(秋田商業・山形中央・盛岡商業)で勝ち抜き、2026年からの3年ぶりのプリンスリーグ東北復帰を果たした。
聖和学園との宮城の2強争い
2025年度・2026年度と2年連続でインターハイ宮城県予選の決勝で聖和学園に敗れて準優勝となっている。2026年度の決勝は0-0(延長も0-0)からPK2-4であった。
育成システム・指導体制
指導体制(JFA公式のチーム紹介より):監督 橋本俊一(同校OB・現役時代はGK/日本サッカー協会公認A級コーチジェネラル保持)、部長 千葉秀俊、副部長 堀岳翔、コーチ 早川大登、GKコーチ 鈴木悠真、トレーナー 中村脩平。主将は氏家勇武、マネージャーは秋山ひなのが務める。
施設:学校のグラウンドとしては珍しいナイター照明付き・全天候対応の人工芝サッカー場を有する。2005年(平成17年)に仙台市宮城野区小鶴へ移転して整備し、2015年(平成27年)に人工芝を張り替えた。サッカー場北側に隣接する部室棟、29人乗りの部専用バスも保有している。日没が早く降雪・凍結もある東北の冬において、照明付きの人工芝グラウンドを自前で持つことは練習環境の面で大きな利点となる。
中高一貫:中学校サッカー部と平日はグラウンドを折半して同じ環境で練習しており、中学生が高校生のプレー強度を間近で見られる環境にある。中学サッカー部は顧問4名・コーチ5名(GKコーチ・コンディションコーチを含む)の体制で、全国中学校サッカー大会で2016年度・2019年度にベスト8、2021年度にベスト16という成績を残している。
選手構成:2026年度の登録メンバー30名のうち東北学院中出身が9名(内部進学)で、残りはベガルタ仙台ジュニアユース・FCフォーリクラッセ仙台・ACアズーリ・AOBA FCなど宮城県内のクラブ出身者が中心である。内部進学組と外部クラブ出身者が融合する構成となっている。
部員数:高校で約140名規模である。
輩出した主なプロ選手・OB
シュミット・ダニエル(名古屋グランパス/GK)
1992年生まれ、アメリカ合衆国イリノイ州生まれで身長197cm。東北学院中学校 → 東北学院高等学校 → 中央大学法学部という進路を歩んだ。中学時代は守備的MFで、体育のサッカーで悔しい思いをしてサッカー部を離れバレーボール部に移り、数か月後に復帰したという経歴を持つ(高校入学後にGKへ本格転向した)。高校3年時にベガルタ仙台からオファーを受けたが、「プロで活躍しなければ意味がない」と考え中央大学へ進学した。ベガルタ仙台(2014〜2019年)→ シント=トロイデンVV → KAAヘント と歩み、2025年から名古屋グランパスに所属している(2026/27シーズンの背番号は1)。2022年カタールワールドカップの日本代表メンバーに選出された。2022年5月には母校を訪問している。
加藤望(ベガルタ仙台ユース 監督)
東海大学を経て日立製作所本社サッカー部(後の柏レイソル)でプレーし、湘南ベルマーレで現役を退いた。指導者として柏レイソルの監督などを歴任し、2025年からベガルタ仙台ユースの監督を務めている。就任1年目の2025年には日本クラブユースサッカー選手権(U-18)でクラブ史上最高の準優勝、さらにプレミアリーグ昇格にチームを導いた。
その他の主なOBは以下のとおりである。
- 千葉直樹:1996年にブランメル仙台(後のベガルタ仙台)へ入団し、15年間ベガルタ一筋でプレーした「Mr.ベガルタ」。引退後は解説者やフットサルクラブのスーパーバイザーを歴任した。
- 土橋正樹:1995年から2003年まで浦和レッドダイヤモンズでプレーした元日本代表。1990年の高校総体ベスト4進出に貢献した世代である。引退後は浦和レッズのアカデミーで指導者を務めた。
- 菅間望:ベガルタ仙台でプレーした。
- 佐藤未勇:東北学院中・高から神奈川大学を経ていわてグルージャ盛岡へ。FC琉球でもプレーし、2026年6月に契約満了となった。
- 渡邉禅:ベガルタ仙台ジュニアユース出身のDF。神奈川大学からAC長野パルセイロへ加入し、2026年も同クラブに在籍している。
- 渡邉幸汰:駒澤大学へ進み、2027年シーズンからの藤枝MYFC加入が内定している。2026年7月にはJFA・Jリーグ特別指定選手として承認された。
なお、部公式は日本代表経験者として岩沼勝治郎・鹿井光雄の名も挙げている。
2026年W杯日本代表26名に同校OBの選出はない。
補足:プロ選手・指導者の所属は異動により変動する。最新の情報はJリーグ公式サイトなどでご確認いただきたい。
2026年の注目選手
2026年のプリンスリーグ東北では、平野拓が得点ランキング2位、宮本理良が同5位タイに入るなど、3年生が前線を牽引している。
| 選手 | 学年・ポジション | 前所属 | 2026年プリンス東北での実績 |
|---|---|---|---|
| 平野 拓 | 3年・MF | エルブランカ仙台荒浜 | 6得点=リーグ得点ランキング2位 |
| 宮本 理良 | 3年・FW | FCフォーリクラッセ仙台 | 4得点=同5位タイ |
| 氏家 勇武 | 3年・MF | ベガルタ仙台Jrユース | チーム主将。2得点 |
| 髙野 陽央 | 3年・DF | ACアズーリ | 最終ラインから1得点 |
この4人でチームの13得点すべてを挙げており、なかでも平野と宮本の2人で10得点を占めている。
2026年 プリンスリーグ東北の得点者
| 選手 | 得点 | 内訳 |
|---|---|---|
| 平野 拓 | 6 | 第1節・聖和学園戦10分/第2節・盛岡商業戦17分・45分/第5節・ブラウブリッツ秋田U-18戦41分・83分/第8節・モンテディオ山形ユース戦79分 |
| 宮本 理良 | 4 | 第2節・盛岡商業戦21分/第9節・学法石川戦3分・18分・36分 |
| 氏家 勇武 | 2 | 第1節・聖和学園戦70分/第3節・尚志戦58分 |
| 髙野 陽央 | 1 | 第9節・学法石川戦35分 |
→ 4選手の得点を合計すると13得点となり、チームの総得点と一致している。
※学年・ポジション・前所属は2026年 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ東北の登録メンバー(JFA公式)、得点数はJFA公式の得点ランキング、各試合の得点者・得点時間はゲキサカの日程・結果による。
2026年度 登録メンバー(30名)
| 番号 | POS | 選手 | 学年 | 前所属 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | GK | 神野 遥希 | 3 | 東北学院中 |
| 2 | DF | 佐々木 蹴斗 | 3 | 東北学院中 |
| 3 | DF | 戸井田 大和 | 3 | AOBA FC |
| 4 | DF | 菅原 肇希 | 3 | 東北学院中 |
| 5 | DF | 髙野 陽央 | 3 | ACアズーリ |
| 6 | MF | 髙橋 大翔 | 2 | FCフォーリクラッセ仙台 |
| 7 | MF | 佐藤 楓 | 3 | 東北学院中 |
| 8 | MF | 平野 拓 | 3 | エルブランカ仙台荒浜 |
| 9 | FW | 美齊津 慶 | 3 | ベガルタ仙台Jrユース |
| 10 | MF | 氏家 勇武 | 3 | ベガルタ仙台Jrユース |
| 11 | FW | 宮本 理良 | 3 | FCフォーリクラッセ仙台 |
| 12 | GK | 鈴木 悠太 | 2 | 東北学院中 |
| 13 | FW | 平野 頼輝 | 2 | 幸町中 |
| 14 | FW | 常盤 凛太郎 | 3 | ACジュニオール |
| 15 | DF | 山崎 恵翔 | 2 | ACアズーリ |
| 16 | MF | 原 佳佑 | 3 | ながいユナイテッドFC |
| 17 | MF | 清末 寛七 | 3 | ベガルタ仙台Jrユース |
| 18 | DF | 佐藤 海音 | 2 | AOBA FC |
| 19 | DF | 社本 大椰 | 2 | ACアズーリ |
| 20 | MF | 大原 一真 | 1 | FCフォーリクラッセ東北 |
| 21 | MF | 千葉 愛士 | 3 | 東北学院中 |
| 22 | MF | 千葉 慶司 | 1 | 仙台FC |
| 23 | DF | 髙橋 優豪 | 3 | 東北学院中 |
| 24 | MF | 渡部 遥翔 | 1 | 東北学院中 |
| 25 | GK | 浅野 耀介 | 3 | ACアズーリ |
| 26 | DF | 本田 蒼侑 | 2 | FCみやぎ |
| 27 | FW | 髙橋 虎太郎 | 1 | 七ヶ浜SC |
| 28 | MF | 梅田 尚 | 2 | 東北学院中 |
| 29 | MF | 清水 大晴 | 2 | パルアリーレ福島 |
| 30 | MF | 今 充希 | 1 | MIYAGI SSA |
※2026年 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ東北の登録メンバー(JFA公式)による。卒業生は含めない。
2026年プリンスリーグ東北 前半戦の戦績
| 節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | 聖和学園 | 2-2 | △ |
| 第2節 | 4/12 | 盛岡商業 | 3-0 | ○ |
| 第3節 | 4/18 | 尚志 | 1-1 | △ |
| 第4節 | 4/25 | 専修大学北上 | 0-7 | ● |
| 第5節 | 5/2 | ブラウブリッツ秋田U-18 | 2-1 | ○ |
| 第6節 | 5/6 | 青森山田高校2nd | 0-1 | ● |
| 第7節 | 5/10 | 帝京安積 | 0-2 | ● |
| 第8節 | 5/17 | モンテディオ山形ユース | 1-0 | ○ |
| 第9節 | 6/28 | 学法石川 | 4-2 | ○ |
| 第10節 | 7/4 | 聖和学園 | 0-1 | ● |
→ 総括:第10節終了時点で4勝2分4敗・勝点14、13得点17失点(得失点差-4)でプリンスリーグ東北4位(10チーム中)。3年ぶりの復帰初年度としてまずまずの位置につけている。第4節の専修大学北上戦(0-7)で大敗した直後の第5節でブラウブリッツ秋田U-18に勝利して立て直しており、平野拓が得点ランキング2位に入るなど得点面でも存在感を示している。後半戦は8月29日の第11節・盛岡商業戦(ホーム)から再開し、第18節(11月28日)まで戦われる。最新の順位はプリンスリーグ東北で確認できる。
※試合結果・順位は本サイトの順位データ(毎日自動更新)およびJFA公式記録と照合済み(第10節終了時点)。
2026年のその他の公式戦
令和8年度インターハイ宮城県予選では、3回戦で角田に9-0、4回戦で仙台二に3-1と勝ち上がり、準々決勝で利府に1-0、準決勝で東北生活文化大学高に1-0といずれも無失点で競り勝って決勝へ進出した。決勝は聖和学園と0-0(延長も0-0)で決着がつかず、PK戦2-4で敗れて準優勝に終わった。
第45回浦和カップ(2026年3月28〜29日・予選リーグ)では、東海大相模に2-0、浦和東と1-1、浦和レッズユースに1-0と結果を残す一方、武南には0-2で敗れた。
令和8年度 東北高校サッカー大会では、2026年6月19日の1回戦で青森山田に0-1で敗退した。