チームの特徴
藤枝明誠高校サッカー部は、静岡県藤枝市にある私立・藤枝明誠高等学校のサッカー部である。学校は1982年12月に設置認可を受け、1983年4月に開校した比較的新しい学校であり、同じ藤枝市には全国制覇を重ねてきた公立の名門・藤枝東高校が存在する。
部員数は279名(1年83名・2年95名・3年95名、うちマネージャー計6名)にのぼる大所帯で、TOP(東海プリンスリーグ)・A1(県Aリーグ)・A2(県Bリーグ)・A3(県Cリーグ)・B1(中部1部リーグ)・B2(中部2部リーグ)・東海ルーキーリーグ(1年生)の7つのカテゴリーを持ち、全学年に公式戦の出場機会を用意している。
スタイル: 「超攻撃的サッカー」がチームの合言葉である。ボールポゼッションをしながらサイド攻撃を展開し、前線からプレスをかけて高い位置でボールを奪いに行くことを志向する。指導方針としても「常にボールとともに攻撃を行い、連続したプレスで攻撃する」ことを掲げ、「他者に貢献し、日々への感謝の気持ちを体現できるチーム、人間性を目指している」としている。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 通算3回出場/最高成績は2009年度(第88回)の全国ベスト8 | 1回戦 徳島商業に1-1(PK3-2)/2回戦 国見に4-1/3回戦 岐阜工業に1-0で勝ち上がるも、準々決勝で関西大学第一に1-4で敗退 |
| 全日本ユース(U-18)選手権 | 2009年度ベスト8 | グループB1位通過、準々決勝でサンフレッチェ広島ユースに0-2で敗退 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 本大会への出場はまだない | 静岡県予選ベスト4が最高(2000・2004・2009・2012・2015年度) |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ東海 | 2016年から2026年まで11年連続在籍 | 最高順位は2022年の2位(プレミアリーグ昇格の経験はない) |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ東海(2026) | 第9節終了時点9位 | 1勝2分6敗・勝点5(前半戦) |
チームの歩み
新設校としての出発
藤枝明誠高校は1982年12月に設置認可を受け、1983年4月に開校した。東海ルーキーリーグ公式のチーム登録情報によれば、サッカー部の設立も同じ1983年とされている。「サッカーのまち」藤枝において、全国制覇を重ねてきた公立の名門・藤枝東高校が長く君臨してきた土地に、後から生まれた私立校というのが藤枝明誠の出発点である。
2009年度の全国ベスト8
2009年4月、学校のグラウンドが人工芝化された。これと同じ2009年度、藤枝明誠は初出場の全国高校サッカー選手権でベスト8まで勝ち上がった。1回戦は徳島商業に1-1からのPK戦3-2で勝利、2回戦は国見に4-1、3回戦は岐阜工業に1-0で勝ち上がったが、準々決勝で関西大学第一に1-4で敗れた。同じ2009年度の全日本ユース(U-18)選手権でも、グループBを1位で通過してベスト8に進出し、準々決勝でサンフレッチェ広島ユースに0-2で敗れている。
降格と復帰、そして11年連続在籍
2014年に10位で順位を落とし、2015年はプリンスリーグ東海を離れて静岡県リーグを戦った。2016年に3位で復帰すると、以後2026年まで11年連続でプリンスリーグ東海(2020年はスーパープリンスリーグ東海)に在籍している。この間の最高順位は2022年の2位であり、2023年3位・2024年4位・2025年6位と上位を維持してきた。
育成システム・指導体制
指揮を執るのは松本安司監督で、2026年も引き続き藤枝明誠を率いている。三重県の四日市中央工業高校出身で、1987年度(第66回)全国高校サッカー選手権では古河第一戦でオーバーヘッドシュートを決めて注目されたストライカーであった。卒業後は日本リーグの三菱重工業サッカー部でプレーし、その後浦和、藤枝ブルックスを経て現役を退いている。
コーチ陣は、アドバイザーの田村和彦氏をはじめ、青木竜・近藤達哉・中村武蔵・大石真寿・杉山誠・辻俊行・兼子貴・加藤知弘の各コーチ、GKコーチの高田優・杉山貴洋、トレーナーの中川裕貴・水田祐樹という体制である。S級・A級・B級・C級すべてのライセンス保持者が在籍し、GK専門コーチとフィジカルトレーナーも配置されている。
施設は人工芝グラウンド(2009年4月完成、2017年5月に張り替え)を中心に、外部グラウンド・夜間照明・クラブハウス・部室・トレーニングジム・シャワー室・AED・バスを備える。寮「明誠館 田沼寮」「明誠館 大洲寮」があり、2人部屋で管理人と管理栄養士が付く。進学率は100%である。
学校法人としては2003年4月に藤枝明誠中学校が開校し中高一貫教育を行っているが、中学校にサッカー部はなく、中学生年代は別組織の「藤枝明誠SC(スポーツクラブ)」がジュニア(小学4〜6年)とジュニアユース(中学生)を運営している。
練習は月曜がOFFで、火曜から金曜は16:00と17:15からの各1時間15分、土日は公式戦・練習試合にあてられている。
輩出した主なプロ選手・OB
遠野大弥(横浜F・マリノス)
藤枝明誠SCから藤枝明誠高校へ進み、JFLのHonda FCを経てプロ入りするという異色の経歴を歩んだ。川崎フロンターレでプロデビューし、期限付き移籍でアビスパ福岡でプレーした後に川崎フロンターレへ復帰、2025年シーズンから横浜F・マリノスに加わり、2026年も同クラブでプレーしている。
藤本一輝(アビスパ福岡)
福岡県出身で、サガン鳥栖U-15を経て藤枝明誠高校でプレーした。鹿屋体育大学を経て大分トリニータでプロデビューし、FC町田ゼルビアを経て2026年現在はアビスパ福岡でプレーしている。
このほか、佐藤諒(奈良クラブ)、濱託巳(高知ユナイテッドSC)、リ トビン(松本山雅FC)、丹羽一陽(EDO ALL UNITED)、杉本拓也(福井ユナイテッドFC・GK)、香川太朗(東海学園大学4年・カターレ富山内定)といったOBが、社会人・Jリーグの各カテゴリーでプレーしている。学校公式(東海ルーキーリーグのチーム登録情報)が輩出OBとして挙げているのは、濱託巳・佐藤諒・藤本一輝・遠野大弥・リ トビン・香川太朗の6名である。
2026年W杯日本代表26名に藤枝明誠高校OBの選出はない。同じ藤枝市の藤枝東高校が長谷部誠・中山雅史を輩出してきたのとは対照的である。
補足:プロ選手・指導者の所属は異動により変動する。最新の情報はJリーグ公式サイトなどでご確認いただきたい。
2026年の注目選手
チーム総得点8のうち5点が、今季唯一の勝利となった第3節・愛工大名電戦(5-0)の1試合に集中している。
2026年 プリンスリーグ東海の得点者
| 選手 | 得点 | 内訳 |
|---|---|---|
| 河島龍希 | 2 | 第1節・浜松開誠館戦、第3節・愛工大名電戦 |
| 久保山泰牙 | 2 | 第3節・愛工大名電戦で2得点 |
| 内山頌 | 1 | 第3節・愛工大名電戦 |
| 高下龍馬 | 1 | 第3節・愛工大名電戦 |
| 高橋東吾 | 1 | 第5節・静岡学園戦 |
| 髙塚耀太 | 1 | 第6節・清水エスパルスユース戦 |
選手の得点合計8はチーム総得点8と一致しており、出典に未掲載の得点者はいない。
※学年・ポジションは公表されていないため記載していない。卒業生は含めない。
2026年プリンスリーグ東海 前半戦の戦績
| 節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/4 | 浜松開誠館(A) | 1-1 | △ |
| 第2節 | 4/11 | 藤枝東(H) | 0-2 | ● |
| 第3節 | 4/18 | 愛工大名電(A) | 5-0 | ○ |
| 第4節 | 4/25 | 三重(A) | 0-0 | △ |
| 第5節 | 5/2 | 静岡学園(H) | 1-4 | ● |
| 第6節 | 5/6 | 清水エスパルスユース(A) | 1-4 | ● |
| 第7節 | 5/9 | 富士市立(H) | 0-2 | ● |
| 第8節 | 6/13 | 帝京大学可児(A) | 0-3 | ● |
| 第9節(延期分) | 7/18 | 東海大翔洋(H) | 0-1 | ● |
→ 総括:第9節終了時点で1勝2分6敗・勝点5、プリンスリーグ東海9位(10チーム中)。8得点17失点・得失点差-9。唯一の勝利は第3節・愛工大名電戦の5-0で、この1試合でチーム総得点8のうち5点を挙げている。第1節・浜松開誠館戦(1-1)と第4節・三重戦(0-0)で引き分けた後は5連敗で前半戦を終えており、2022年の2位、2023年の3位、2024年の4位と上位を保ってきたチームにとって苦しい前半戦となった。後半戦は第10節(9月)から再開する。最新の順位はプリンスリーグ東海で確認できる。
※試合結果・順位は本サイトの順位データ(毎日自動更新)およびJFA公式記録と照合済み(第9節終了時点)。
静岡県内での戦い
2026年度静岡県高校総体(インターハイ静岡県予選)では、2回戦で富士見に6-0、3回戦で飛龍に3-0で勝利したものの、準々決勝で静岡学園に0-3で敗れベスト8に終わった。優勝は静岡学園である(同校はインターハイ全国大会でも優勝を果たしている)。
2025年度の全国高校サッカー選手権静岡県大会では、決勝トーナメント1回戦で日大三島に3-1で勝利したが、準々決勝で藤枝東に0-1で敗れベスト8に終わった。優勝は浜松開誠館で、決勝は藤枝東とのPK戦(0-0・PK5-4)を制し、夏冬2冠・3年ぶり3回目の全国出場を決めている。
2026年1月開催(令和7年度)の静岡県高校新人大会でも、1回戦・沼津工に3-0、2回戦・富士宮北に4-1、3回戦・静岡商に4-1と勝ち上がったが、準々決勝で藤枝東に0-1で敗れベスト8に終わった。優勝は静岡学園(3連覇)である。
東海ルーキーリーグ公式の年度別実績によれば、藤枝明誠は2022年度の静岡県総体で準優勝、2020年度の選手権静岡県大会では優勝(全国出場)を記録するなど、県内上位に位置してきた。もっとも静岡県内は静岡学園・藤枝東・浜松開誠館らがひしめく激戦区であり、全国大会出場を果たすには高いハードルが立ちはだかる。