北海道大谷室蘭高校 U-18 高校サッカー

「北海道大谷室蘭高校」サッカー部は北海道室蘭市を拠点とする高円宮杯 U-18 プリンスリーグ北海道所属の高校サッカー部。1966年創部、監督は及川 真行。最新の順位・歴代タイトル・OB選手情報をまとめています。

北海道大谷室蘭サッカー部はプリンスリーグ北海道 所属(1966年創部)。最新の順位・歴代タイトル・OB選手・育成哲学などを徹底まとめ。

所属リーグ
プリンスリーグ北海道
創部
1966年
所在地
北海道室蘭市
監督
及川 真行

チームの特徴

北海道室蘭市の私立・北海道大谷室蘭高校(学校法人 望洋大谷学園)のサッカー部である。1966年、高橋正弘が25人の「サッカー愛好会」として立ち上げ、翌1967年に部へ昇格したのが始まりである。

旧・室蘭大谷高校。生徒数の減少と登別大谷高校の校舎老朽化を受けて両校の統合が決まり、2012年に登別大谷高校と統合し、室蘭大谷高校を存続校として現校名に改称した(登別大谷高校は2012年度をもって閉校し、2013年4月に統合校としてスタートしている)。

全国大会での実績は北海道屈指である。全国高校サッカー選手権は出場30回(北海道最多)・準優勝1回・3位1回全国高校総体(インターハイ)は出場29回・準優勝2回を数える。夏冬の全国大会で、北海道勢として決勝に立った経験があるのはこの学校だけである。1966年に始まったインターハイの2026年までの全60回でベスト4以上に進んだ北海道勢は室蘭大谷と札幌第一の2校だけで、決勝に進んだのは室蘭大谷しかない。冬の全国高校サッカー選手権でも、1917年の第1回から現在までに準決勝以上へ進んだ北海道勢は第21回(1939年)の札幌師範、第57回(1978年度)と第65回(1986年度)の室蘭大谷の3例のみで、決勝に立ったのはやはり室蘭大谷だけである。

2026年は高円宮杯プリンスリーグ北海道で第9節終了時点4位(9試合4勝1分4敗・勝点13)。2026年のスローガンは『人を創り、勝利を掴む』で、部の指導方針として「自分で判断し、積極的にプレーできるように、主体性を大事にしています。サッカーを通して人間性を育み、社会で活躍できるように指導しています」(部公式サイト)を掲げている。

主な実績

大会 実績 備考
全国高校サッカー選手権 出場30回(北海道最多) 準優勝1回(1978年度・第57回、決勝で古河第一に1-2)/3位1回(1986年度・第65回)
全国高校総体(インターハイ) 出場29回 準優勝2回(1981年・1985年)
全日本ユース(U-18)選手権 出場7回 3位1回(2002年)
高円宮杯プリンスリーグ北海道 優勝2回 2012年・2014年

チームの歩み

1966年、国士舘大学を出て保健体育教員として室蘭大谷高校に赴任した高橋正弘が、この部の生みの親である。当時サッカー部はなく、学校からの創部要請もなかった。理由は「雪国でサッカーに強くなれるわけがない」というものだったという。高橋は体育の授業で素質のある生徒に声をかけ、25人のサッカー愛好会として発足させ、翌1967年に部へ昇格した。

設備は何もなかった。市内の中学からお古のボールを譲り受け、漁網と廃材でゴールを手作りした。学校に面した砂浜での5kmランでは翌日には部員が8人に激減したという。発足から約3か月後の初公式戦(国体北海道予選室蘭支部大会)は、部員9人に他部から2人を借りて臨み、全国ベスト8の実績を持つ室蘭工業に0-13で敗れている。

1968年、高橋は練習中に倒れ、再生不良性貧血で入院した。それでも1969年3月、有望な新入部員が入るという報せを受けると、投薬と通院を条件に半ば強引に退院して現場に復帰している。1970年、インターハイ北海道予選で初優勝を果たすと、当時はインターハイ出場校が選手権にも出場できる制度だったため、第49回選手権の切符も同時に獲得し、選手権初出場を飾った。

1975年には、清水東の勝沢要監督に誘われて静岡のフェスティバルに参加した。参加20チームの中で北海道勢は室蘭大谷が唯一で、帝京の古沼貞雄、島原商の小嶺忠敏らと交流したことが、後の全国での躍進につながったとされる。選手権に出場するたびに部員に新巻鮭を運ばせ、本州の先輩監督への土産にして教えを請うたという逸話も残っている。

その成果が実ったのが1978年度・第57回選手権である。準々決勝で徳島商、準決勝で本郷(東京)を破って国立競技場の決勝に進出し、古河第一に1-2で敗れて準優勝。帰郷時の凱旋パレードには市民約2万人が集まったという。さらに1981年・1985年のインターハイでも準優勝を果たしている。夏冬を通じて、全国大会の決勝に進んだ北海道勢は今も同校だけである。

1986年度・第65回選手権ではベスト4に進んだ。準々決勝の宇都宮学園戦は延長・再延長でも決着がつかず、PK戦は両者とも全員が成功して15人目までもつれ込み、宇都宮学園の15人目のシュートを室蘭大谷のGKが止めて決着している。

高橋は1989年に病気が再発し、脳血栓による右半身不随なども重なって1991年春に監督を後進の加藤栄治に譲り、総監督に退いた。1996年8月12日、腎不全のため52歳で死去。遺灰は遺言により、室蘭大谷のグラウンドを望む室蘭の海に撒かれたという。その2か月後の第75回選手権北海道予選決勝で、部員は喪章代わりの黒いリボンをつけて臨み、2-1で勝利している。

選手権の全国出場は2014年度・第93回(道予選決勝で旭川実業に0-0・PK4-3)が最後、インターハイは2017年度が最後で、以後は全国から遠ざかっている。

監督・チーム体制

歴代監督は高橋正弘(初代)→ 加藤栄治 → 及川真行と引き継がれてきた。加藤栄治は高橋の教え子で、高橋の勧めで中央大学に進学した人物である。

及川真行は同校のOBで、2026年も監督を務めている(部公式サイト)。コンサドーレ札幌の下部組織で指導した後、母校の監督に就任した。

スタッフは監督のほか、コーチ4人・GKコーチ・トレーナー・外部コーチという体制である。

チーム構成と育成

高体連に登録するチームはTOPがプリンスリーグ北海道、2ndが北海道FAリーグ、3rdが道南ブロックリーグ1部という3層構成である。

さらに、クラブ登録チームとして「室蘭FC」を2023年に設立し、道南ブロックリーグ1部・2部で活動している。タウンクラブカップの全国大会には2024・2025年と2回出場した。部公式サイトはその狙いを次のように説明している。

できるだけ多くの試合を経験できる環境を整えることと、また、この室蘭地区では高校年代のクラブがないことで、中学卒業後にサッカーから離れてしまう選手も少なくありません。単独のチームでは試合に出場することができないチームもあり、その受け皿として、サッカーファミリーを減少させないためにも、日々活動しています。

高校の部活動が、地域の高校年代の受け皿としてクラブチームまで抱えているのは珍しい取り組みである。

部員は98人(2026年度:3年27人・2年34人・1年37人)。出身チームで最も多いのは北海道コンサドーレ札幌の「コンサドーレ室蘭」(U-15)で22人で、部員のおよそ4人に1人を占める。次いで北湘南SS 11人、ASC北海道 9人、クラブフィールズ 8人、地元の室蘭市立桜蘭中 8人と続く。道内各地のクラブ・中学校から選手が集まる一方、静岡県のクラブ(ORAN袋井・FC雄踏)出身の選手も3人在籍している。

練習は主にリーフラスフットボールパークで行っている。2023年4月に室蘭祝津運動公園にオープンした人工芝コートで、学校からバスで15分の距離にあり、ほぼ毎日ここでトレーニングを行うほか、プリンスリーグのホーム戦もこの会場で開催している。ほかにまなびの里サッカー場、ポロモイスタジアムも練習場所として使っている。練習日は火曜から金曜、土日は公式戦またはトレーニングマッチである。

環境面の整備も進んでいる。2025年7月にはスポンサー企業から酸素カプセルの提供を受けたほか、2023年には室蘭市の企業とユニフォームスポンサー契約を結んでいる。同社のリリースによれば、これは高校サッカー部としては道内初の契約だという。校内にはトレーニングルームも整備されている。

輩出した主なプロ選手・指導者

宮澤裕樹(2008年卒・MF)は北海道コンサドーレ札幌でプレーしている。2008年の加入以来在籍を続け、背番号10を背負う。

櫛引一紀(2011年卒・DF)はFC今治に所属する。登別市出身で、室蘭大谷から高卒でコンサドーレ札幌入りしたのは阿部哲也・宮澤裕樹に次ぐ3人目だった。2026年6月にV・ファーレン長崎からFC今治へ完全移籍している。

平塚悠知(2014年卒・MF)はヴァンフォーレ甲府でプレーする。第93回選手権に出場した世代で、札幌大学、水戸ホーリーホック、アビスパ福岡を経て2025年から甲府に加入した。

渋谷洋樹(1985年卒)はヴァンフォーレ甲府の監督を務めている(2026-27シーズン)。元古河電気工業、元大宮アルディージャ監督である。同じ甲府に平塚悠知が在籍しており、29学年離れた2人のOBが2026年のJ2で同じクラブに名を連ねている。

歴史的なOBとしては、岸奥裕二(1973年卒)が室蘭大谷から新日本製鐵へ進んだセンターバックで、北海道出身の日本代表選手の草分けとして国際Aマッチ10試合2得点を記録している。財前恵一(1987年卒)は1986年度の選手権ベスト4を担ったMFで、日産自動車(現・横浜F・マリノス)でプレーした後、2013〜2014年に北海道コンサドーレ札幌の監督を務めた。財前と同期の野田知(1987年卒)も日産自動車から横浜マリノスに進み、1990年代の黄金期を支えたMFで、現在はサンフレッチェ広島ユースの監督を務めている。

阿部哲也(2002年卒・GK)は室蘭大谷から高卒でコンサドーレ札幌入りし、退団後はFリーグのエスポラーダ北海道へゴレイロとして転身した。西山峻太(2008年卒・DF)は神奈川県出身ながら2005〜2007年に同校に在籍し、第85回・第86回選手権の北海道代表となった。国士舘大を経てY.S.C.C.横浜でプレーを続けている。

このほか、宮部和弘・三浦雅之(ともに1985年卒)、飯田正吾(1986年卒)、深川友貴(1991年卒)、佐藤尽(1993年卒)、井幡博康(1994年卒)、池内友彦(1996年卒)、北出勉(1997年卒)、齋藤竜(1999年卒)、上野秀章(2000年卒)、武者大夢(2016年卒)、高橋耕平(2017年卒)らがプロの世界に進んでいる。

サッカー以外の道に進んだOBもいる。京谷和幸(1990年卒)は室蘭大谷サッカー部で選手権に3年連続出場し、2年時からユース代表に選出された選手だった。古河電工を経てジェフの前身クラブとプロ契約し、1993年10月のナビスコカップで公式戦初出場を果たしたが、同年11月28日の交通事故で脊髄を損傷して下半身不随となり引退した。転向した車いすバスケットボールでは2000年シドニーから2012年ロンドンまでパラリンピック4大会連続出場(2008年北京では日本選手団の主将)を果たし、2021年の東京パラリンピックでは車いすバスケットボール男子日本代表のヘッドコーチとして銀メダルに導いている。

プロ選手の現所属クラブは移籍により変動する場合があります。最新の所属情報は各クラブ公式サイトなどでご確認ください。

なお、2026年ワールドカップの日本代表に同校出身者はいない。

2026年の注目選手

選手 学年 出身チーム 2026年プリンス得点
玉置晴太 2年 コンサドーレ室蘭 3(第4節×2・第8節)
矢嶋優梧 3年 ASC北海道 2(第2節決勝点・第4節)
千石蓮 2年 北湘南SS 1(第7節)
工藤柊生 2年 コンサドーレ室蘭 1(第3節)
西村公伸 2年 クラブフィールズ 1(第6節)
杉島流依 3年 NFCレグルス 1(第6節)
寺田柊哉 3年 ASC北海道 1(第9節決勝点)

※学年・出身チームは部公式サイトの2026年度名簿による。ポジションは公表されていない。上記は2026年のプリンスリーグで得点を記録した選手である。

玉置晴太(2年)がチーム最多の3得点を挙げており、第4節の札幌大谷戦では2得点を記録した。3年の矢嶋優梧は第2節の北海戦で今季初勝利の決勝点を挙げ、第9節の北海戦では3年の寺田柊哉が22分に決勝点を決めている。得点者7人の合計10点はチーム総得点と一致する。

2026年 プリンスリーグ北海道 戦績

日付 会場 対戦 結果 得点者
第1節 4/11 リーフラスフットボールパーク 大谷室蘭 0-2 旭川実
第2節 4/18 北海高校G 北海 0-1 大谷室蘭 矢嶋優梧(75分)
第3節 4/25 伊達まなびの里サッカー場 大谷室蘭 1-7 北海道コンサドーレ札幌U-18 工藤柊生(70分)
第4節 5/2 リーフラスフットボールパーク 大谷室蘭 3-1 札幌大谷 矢嶋優梧(16分)、玉置晴太2(17分・85分)
第5節 5/6 東雁来公園サッカー場(東) 北照 0-0 大谷室蘭
第6節 5/30 帯広北高校G 帯広北 0-2 大谷室蘭 西村公伸(76分)、杉島流依(84分)
第7節 6/28 札幌光星高校G 札幌光星 3-1 大谷室蘭 千石蓮(87分)
第8節 7/5 カムイの杜公園 球技場A 旭川実 3-1 大谷室蘭 玉置晴太(65分)
第9節 8/29 リーフラスフットボールパーク 大谷室蘭 1-0 北海 寺田柊哉(22分)

9試合を終えて4勝1分4敗・勝点13・10得点16失点・得失点差−6の4位である。16失点のうち12点は、北海道コンサドーレ札幌U-18戦(1-7)と旭川実業との2試合(0-2・1-3)に集中しており、この3試合を除く6試合の失点は4にとどまる。

第9節終了時点の順位は、1位 旭川実業20(6勝2分1敗)/2位 北海道コンサドーレ札幌U-18 19(5勝4分0敗・無敗)/3位 札幌大谷19(6勝1分2敗)/4位 北海道大谷室蘭13/5位 札幌光星12/6位 北照10/7位 北海7/8位 帯広北1、となっている。

リーグは8チームによる2回戦総当たりの全14節。残りの日程は第10節9/5(アウェー・北海道コンサドーレ札幌U-18)、第11節9/12(アウェー・札幌大谷)、第12節9/19(ホーム・北照)、第13節9/26(ホーム・帯広北)、第14節10/3(ホーム・札幌光星/伊達まなびの里サッカー場)である。

最新の順位はプリンスリーグ北海道の順位表で毎日更新している。

2026年度 インターハイ北海道予選(第79回)

室蘭地区予選(5月19〜23日)を優勝し、全道大会に進んだ。全道大会では2回戦(6/11)で北海道大谷室蘭 4-1 札幌西、準々決勝(6/12)は北海道大谷室蘭 0-1 旭川実業で敗れ、ベスト8で大会を終えている。優勝は旭川実業、準優勝はとわの森三愛で、優勝校に1点差の準々決勝だった。

近年の道予選

年度 選手権 北海道予選 インターハイ 北海道予選
2021 2回戦敗退(1回戦 6-2 函館大有斗/2回戦 0-3 駒大苫小牧) 1回戦敗退(0-0 PK3-4 東海大札幌)
2022 ベスト4(準決勝 0-1 北海) ベスト8(3回戦 0-1 札幌創成)
2023 ベスト8(3回戦 2-3 札幌創成) 1回戦敗退(0-2 札幌大谷)
2024 2回戦敗退(2-2 PK4-5 クラーク記念国際) ベスト4(準決勝 2-5 旭川実業)
2025 2回戦敗退(1回戦 5-0 岩見沢緑陵/2回戦 0-0 PK4-5 旭川実業) ベスト4(準決勝 0-1 札幌大谷)

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