チームの特徴
鹿児島高校サッカー部は、鹿児島県鹿児島市の私立・鹿児島高等学校(学校法人津曲学園、学校創立1923年)に所属するサッカー部である。1954年に創部され、70年以上の歴史を持つ。
鹿児島中央駅から徒歩圏内に位置し、英数科・普通科・情報ビジネス科の3学科を持つ生徒数1,500人超のマンモス校である。運動部19・文化部17を擁する中で、サッカー部は学校から「強化指定部」に位置づけられている。部員は選手67名・マネージャー3名の計70名という大所帯で活動している。
指揮を執るのは、鹿児島城西高校を全国高校サッカー選手権準優勝に導いた実績を持つ小久保悟監督で、2023年から鹿児島の指揮官を務めている。
鹿児島県は神村学園高等部・鹿児島城西高校という全国区の2強が存在する激戦区であり、鹿児島高校は全国大会出場歴こそまだないものの、県ベスト4の常連として、この2強に挑む立場にある。2026年度のインターハイ鹿児島県予選では第3位(ベスト4)に入り、着実に力をつけている。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権/全国高校総体(インターハイ) 全国大会 | 出場歴なし(2026年8月時点) | 県予選ベスト4が最高到達点 |
| 九州高校新人サッカー大会 | ベスト8(2018年度) | 部史上最高成績 |
| 県高校新人サッカー大会 | 準優勝(2018年度)/ベスト4(2024年度・2025年度) | |
| 高円宮杯U-18鹿児島県トップリーグ | 2部優勝 → 1部昇格(2015年) | 2014年に2部昇格 |
| プリンスリーグ九州 参入戦(入れ替え戦) | 2年連続敗退(2017年度・2018年度) | プリンスリーグ昇格には届かず |
| 高円宮杯U-18鹿児島県トップリーグ | 1部優勝(2021年度) | プリンスリーグ九州参入戦でパート1位となり2022年参入を決定 |
| 全国高校総体(インターハイ) 鹿児島県予選 | 第3位(2026年度) | 第79回。準決勝敗退の2校がともに第3位 |
| 全国高校サッカー選手権 鹿児島県予選 | 第3位(2021年度・2024年度・2025年度) | いずれもベスト4 |
| 鹿児島市高等学校サッカー競技大会 | 優勝(2024年度・2026年度) | |
| 県高校1年生(U-16)サッカー大会 | 優勝(2014年・2021年度・2025年度) / 準優勝(2023年度・2024年度) | |
| 挑男U-16Aリーグ | 優勝(2025年) | 球蹴男児D2リーグへ昇格 |
| 高円宮杯プリンスリーグ九州2部(2026) | 第8節終了時点9位 | 2勝3分3敗・勝点9 |
→ 全国大会出場歴はまだないが、九州新人戦でのベスト8を最高成績に、県トップリーグを2014年から駆け上がり、2度のプリンスリーグ入れ替え戦敗退を経て2022年から九州プリンスリーグに定着している。
チームの歩み
鹿児島高校は、2014年に高円宮杯U-18鹿児島県トップリーグ2部へ昇格すると、翌2015年には2部を制して1部へ駆け上がった。1部に定着した後の2017年度・2018年度には、プリンスリーグ九州への参入をかけた入れ替え戦に2年連続で進出したが、いずれも跳ね返され、プリンスリーグ昇格には届かなかった。
その後も県トップリーグ1部で力を蓄え、2021年度に県トップリーグ1部を制覇。続くプリンスリーグ九州参入戦でパート1位となり、3度目の挑戦でついに2022年からの参入を決めた。参戦初年度の2022年は10位。以降はプリンスリーグ九州2部で2023年4位・2024年5位・2025年7位という順位で推移し、2026年は第8節終了時点で9位につけている。
小久保悟監督
指揮を執る小久保悟監督は、鹿児島商業高校から東海大学へ進み、卒業後は古河電気工業(JSL)でJSL通算15試合に出場した。1992年にジェフユナイテッド市原とプロ契約を結んでいる。
現役引退後の1993年、創部間もない鹿児島城西高校サッカー部の監督に就任。就任7年目の2000年に選手権初出場を果たすと、2003年にはプリンスリーグ九州で初優勝。そして2008年度の全国高校サッカー選手権では、大迫勇也らを擁して準優勝に導いた。2018年には城西の総監督に就任している。
城西を離れた後は、顧問のいないボクシング部を担当し、2021年にはボクシング部顧問としてインターハイに帯同していたという経歴を持つ。そして2023年4月から鹿児島高校サッカー部の監督に就任し、指導者としてサッカーの現場に復帰した。鹿児島高校では担任と体育の授業を持ちながら指導にあたっている。部が公表している保有資格はJFA公認A級ジェネラルライセンス。
「やっぱり全国大会に出たいですよね。全国大会に連れて行ってあげたい」(2023年・ゲキサカ)
「神村は横綱のような存在ですが、鹿児島県の地図を変えられるように、これからも挑戦していきたい」(2026年インターハイ県予選準決勝後)
学校公式サイトの指導者メッセージでは、目指すサッカー像をこう説明している。
「みんなから愛され、みんなから応援されるチーム」になるには、何事にも一生懸命に取り組むことが大切。「プレイヤーも観てくださる方も楽しめるサッカー」を実践するために、ワクワクするようなサッカーを指導しています。
なお、小久保監督の前任は樺山市基監督である。
指導方針とチームづくり
チームスローガンは「素直・精進・感謝」。目指す姿として「笑顔あふれるサッカー部」「皆から愛されるサッカー部」を掲げている。
指導方針として、以下の言葉を大切にしている。
「やらされる100回より自分でする1回」
「徹底して長所を磨く、長所を発見して育てること」
「凡事徹底」「あきらめない才能」
指導スタッフは、部長・小森園猛、コーチ・山野慶太、コーチ・新井太陽(鹿児島高校-東京学芸大学=母校OB)、GKコーチ・吉村啓輔、チームトレーナー・津川誠一(柔道整復師)という体制。
部が公表している進路実績によれば、就職率100%を掲げ、進学先には京都教育大学・東京学芸大学・福岡大学・鹿児島大学ほか、就職先には日本郵便・京セラ・自衛隊・鹿児島県警ほかが挙がっている。
練習環境
拠点は鹿児島市犬迫町の犬迫グラウンド。ラグビー部と共用し、ナイター設備を完備している(学校公式「施設紹介」)。人工芝ではない土のグラウンドを主な練習拠点としている。本校地には全面人工芝グラウンドもあるが、サッカー部の主拠点ではない。
練習は月曜がフリーで、火曜から金曜は16:30から、土日はリーグ戦・練習試合が中心となる。
部員はほぼ全員が鹿児島県内出身で、主な出身チームは太陽SC・F.Cuore U-15・FCアラーラ鹿児島・飛松FC・FC.トリンブル・FC.KAJITSU などの県内クラブと、中学校のサッカー部が中心である。
輩出した主なプロ選手
鹿児島高校サッカー部は、2026年8月時点でJリーグでプレーしたプロサッカー選手を輩出していない。2026年北中米ワールドカップの日本代表にも、鹿児島高校サッカー部出身者はいない。
その一方で、指導陣には母校OBのコーチ・新井太陽が加わっており、指揮を執る小久保悟監督は前任の鹿児島城西高校時代に大迫勇也らを擁して全国高校サッカー選手権準優勝へと導いた実績を持つ。全国未出場という現在地から、こうした人材を土台にどこまで力をつけていけるかが今後の焦点となる。
2026年の注目選手
| 選手 | ポジション | 学年 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 川口大和 | MF(背番号10) | 3年 | プリンスリーグ2026チーム最多3得点。インターハイ県予選準決勝でも得点 |
| 森山大斗 | MF | 3年 | プリンスリーグ2026で2得点。川口と両ワイドを組む |
| 大屋瑠聖 | MF | 3年 | 中央から持ち上がる推進力 |
| 久保雄飛 | CB | 2年 | 最終ラインを統率。2027年度も残る学年 |
※学年は2026年度のもの。前年度の名簿に基づく情報は除外している。
2026年 プリンスリーグ九州2部 戦績
| 節 | 日付 | H/A | 対戦相手 | 結果 | 会場 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | A | 長崎総合科学大学附属高校 | △0-0 | 島原市平成町多目的広場 | — |
| 第2節 | 4/12 | A | 東海大学付属福岡高校 | ●0-2 | タイガーフィールドスタジアム | — |
| 第3節 | 4/18 | H | 大分トリニータU-18 | ○3-2 | 県立サッカー・ラグビー場Aコート | 森山大斗(63分)、川口大和(90+1分) |
| 第4節 | 4/25 | H | サガン鳥栖U-18 2nd | △2-2 | 県立サッカー・ラグビー場Aコート | 上高原陽心(56分)、榊秀人(88分) |
| 第5節 | 5/3 | H | 大津高校3rd | ○5-0 | OSAKO YUYA Stadium | 川口大和(9分)、久木山颯健(13分)、森山大斗(17分)、小櫻元太(57分) |
| 第6節 | 5/6 | A | 鵬翔高校 | ●1-2 | 鵬翔高校人工芝 | バシスト依沙安(83分) |
| 第7節 | 5/9 | H | 佐賀東高校 | △1-1 | 県立サッカー・ラグビー場Aコート | 木原蒼介(90分) |
| 第8節 | 5/17 | A | 日章学園高校2nd | ●2-5 | 日章学園人工芝サッカー場 | 上高原陽心(45+2分)、川口大和(89分) |
| 第9節 | — | H | 九州国際大学付属高校 | 延期(未消化) | 未定 | — |
※出典(ゲキサカ)で一部の得点者の氏名表記に揺れがあるため、表記を確定できた得点者のみを記載している。第3節・第5節はこのほかに得点者がいる。
→ 8試合を終えて2勝3分3敗、勝点9、14得点14失点、得失点差0でプリンスリーグ九州2部10チーム中9位。首位・佐賀東とは勝点8差がある。8位・長崎総合科学大学附属高校とは勝点で並ぶが、得失点差で下回っている。引き分けが3試合あり、勝ち切れていないことが順位に表れている。リーグは10チームによる18節制で最終節は2026年12月6日に予定されており、シーズンはまだ折り返し地点である。延期となっていた第9節・九州国際大学付属高校戦は、2026年8月中旬時点で未消化のままとなっている。
2026年度 インターハイ鹿児島県予選
| ラウンド | 対戦 | 結果 |
|---|---|---|
| 1回戦 | 伊集院 | ○5-0 |
| 2回戦 | 鹿児島情報 | ○1-0 |
| 3回戦 | 樟南 | ○1-0 |
| 準々決勝 | 甲南 | ○4-1 |
| 準決勝 | 神村学園 | ●1-2 |
| 3位決定戦 | 出水中央 | ●0-1 |
※3位決定戦は行われたが、鹿児島県サッカー協会の公式結果は準決勝で敗れた2校をともに第3位として記載している(4位の記載なし)。
準決勝の神村学園戦は、前半3分のCKから先制を許すと45分に追加点を奪われる苦しい展開となった。しかし鹿児島は試合終了間際にこの試合初のCKを獲得すると、選手が輪になって回転する応援スタイル「トルメンタ」からチャンスをつくり、PKを獲得。川口大和のPKは一度GKに止められたが、自らこぼれ球を押し込んで1点差に迫った。反撃及ばず1-2で敗れたものの、小久保監督は「神村は横綱のような存在」と敬意を示しつつ、「鹿児島県の地図を変えられるように」とさらなる挑戦を誓った。
3位決定戦の出水中央戦は、前半のシュート数で10-2と圧倒しながらも得点を奪えず、後半22分に出水中央GKのループシュートで失点し0-1で敗れた。
最終成績は第3位。鹿児島県サッカー協会が公表した大会結果では、優勝=神村学園高等部、準優勝=鹿児島城西高等学校に続く3位に出水中央高等学校と鹿児島高等学校の2校が並記されている(準決勝敗退の2校がともに第3位という扱いで、4位の記載はない)。なお、インターハイ県予選での決勝進出は、鹿児島高校にとってまだ経験がない。