チームの特徴
鵬翔高校サッカー部は、宮崎県宮崎市の私立・鵬翔高校に所属するサッカー部である。1983年にサッカー部が創設され、創部と同時に就任した松崎博美監督のもと力をつけ、2012年度・第91回全国高校サッカー選手権で宮崎県勢として史上初の全国制覇を果たした強豪校である。
長く日章学園との2強で宮崎県の高校サッカー界を引っ張ってきたが、近年は宮崎日本大学を加えた三つ巴の様相を見せている。
指揮を執るのは同校OBの上永智宏監督で、サガン鳥栖・アビスパ福岡でのコーチ経験を経て母校に戻った経歴を持つ。コーチの河野嵐孔氏も鵬翔OBであり、監督・コーチ2名がいずれも鵬翔高校の卒業生という体制でチームを率いている。
ホームグラウンドは鵬翔高校の人工芝グラウンドで、プリンスリーグ九州の公式記録にも会場名として登場する。
スタイル: 上永智宏監督は2022年のインタビューで、めざすサッカーを「流動的なポジションチェンジで相手をかく乱し、ボール奪取からゴールまで素早い攻撃を仕掛ける、走り勝つサッカー」と説明している。2019年夏からGPS計測機器を導入し、走行距離を最重要視しながらスプリント回数や心拍数もリアルタイムで確認するなど、データに基づくトレーニング管理にも取り組んでいる。
※出典:鵬翔高校サッカー部公式サイト(https://hosho-fc.com/)/ゲキサカ/ウェアラブルデバイス「Knows」公式note(2022年9月)
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 優勝(2012年度・第91回) | 宮崎県勢として史上初の全国制覇。12回目の出場 |
| 全国高校サッカー選手権 | 出場(2016年度・第95回) | 2回戦で青森山田に0-5。直近の全国出場 |
| 全国高校総体(インターハイ) | 2年連続ベスト8(2002年度・2003年度) | いずれも準々決勝をPK戦で落とす |
| 2026年インターハイ宮崎県予選 | 準優勝 | 決勝で日章学園に0-1 |
| 令和8年度 全九州高校サッカー大会 | ベスト8 | 準々決勝で鹿児島城西に1-3 |
| 令和5年度 宮崎県新人戦 | 優勝 | 決勝で日章学園に3-2 |
| 高円宮杯 プリンスリーグ九州2部(2026) | 第8節終了時点3位 | 4勝2分2敗・勝点14 |
→ 2012年度の全国制覇を頂点に、選手権2回出場、インターハイ2年連続ベスト8などの実績を積み重ねてきた。2026年はプリンスリーグ九州2部で上位につけている。
チームの歩み
1983年 創部と松崎博美監督
1983年、鵬翔高校にサッカー部が創設され、松崎博美が創部と同時に監督に就任した。松崎監督は2007年には選手育成の基盤としてジュニアクラブ「セントラルFC宮崎」を創設するなど、長期的な視点でチームを強化していった。
2002〜2003年 インターハイ2年連続ベスト8
2002年度(4回目の出場)は、1回戦で近大和歌山に5-0(FW安西猛浩主将とMF増田誓志がともに2得点)、2回戦で那覇西に2-0、3回戦で桐光学園に5-1(2年生FW黒木忠輔が3得点)と勝ち上がったが、準々決勝で多々良学園に1-1からPK戦3-5で敗れた。
2003年度(5回目の出場)も、2回戦で福島東に4-2、3回戦で盛岡商業に3-2(2年生MF興梠慎三の決勝ゴールで逆転勝ち)と勝ち進んだが、準々決勝で東邦に2-2からPK戦1-3で敗れた。
2年連続でベスト8に進みながら、いずれも準々決勝をPK戦で落とすという結果に終わった。この2年間、鵬翔には増田誓志・興梠慎三・安西猛浩・黒木忠輔らが在籍していた。
2012年度 第91回選手権 宮崎県勢初の全国制覇
12回目の出場(6年ぶり)となった2012年度・第91回全国高校サッカー選手権で、鵬翔は準々決勝で立正大淞南に3-1、準決勝で星稜に2-2からPK戦4-3で下し、宮崎県勢として史上初の決勝進出を果たした。
決勝は当初2013年1月14日に国立競技場で予定されていたが降雪のため延期となり、1月19日に同じ国立競技場で行われた。相手は京都橘。前半に京都橘の林大樹が先制すると、CBの芳川隼登がヘディングで同点に追いつき(49分)、京都橘の仙頭啓矢が勝ち越すも、終盤に主将の矢野大樹が同点弾(84分)を決めて2-2でPK戦にもつれ込んだ。PK戦は5-3で鵬翔が勝利し、宮崎県勢として史上初の全国制覇を成し遂げた。
PK戦の5人目のキッカーはGK浅田卓人(3年)が務めた。浅田はこの大会でPK戦にもつれ込んだ4試合すべてでキッカーを任され、準決勝の星稜戦では一度外していたが、決勝では落ち着いて決めきった。1大会で4度のPK戦を勝ち抜いての優勝であり、ゲキサカは「選手権が首都圏開催となって以降、1大会でPK戦4勝は史上初」と報じている。
松崎博美監督は「勝因は気持ちの強さとあきらめない気持ち」とコメントした。大会優秀選手には鵬翔から矢野大樹ら6選手が選出され、主将の矢野大樹は決勝のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)にも選ばれた。
2016年度 第95回選手権
2016年度・第95回全国高校サッカー選手権にも出場したが、2回戦で青森山田に0-5で敗れた。これが選手権全国大会における鵬翔の直近の出場である。
2024年〜 プリンスリーグ九州2部へ
2023年12月17日、プリンスリーグ九州のプレーオフ(参入戦)決定戦で那覇西に6-1で勝利し、2024年からプリンスリーグ九州2部に参入した。それ以前は宮崎県リーグに所属しており、2024・2025・2026年と3シーズン連続で九州2部を戦っている。
※出典:ゲキサカ/koko-soccer戦歴/Wikipedia(鵬翔中学校・高等学校、第91回・第95回全国高等学校サッカー選手権大会)
育成システム
鵬翔高校には併設校として宮崎産業経営大学があり、学校法人は同じ大淀学園である。大学公式サイトも「併設校である鵬翔高等学校サッカー部」と明記しており、指導陣にもその関係が表れている——コーチの河野嵐孔氏とトレーナーの原田昭彦氏はいずれも宮崎産業経営大学の出身である。
この高大接続は、プロ選手を送り出すルートとしても機能している。宇津元伸弥(大分トリニータ)・北村知也(アトレチコ鈴鹿クラブ)・佐藤颯之介(アビスパ福岡)はいずれも鵬翔高校から宮崎産業経営大学へ進み、大学を経てプロ入りした。高校3年間で完成しなかった選手が県内で競技を続けられる受け皿になっている点は、この学校ならではの強みである。
実質的な下部組織にあたるのが、2007年に松崎博美監督が創設したジュニアクラブ「セントラルFC宮崎」である。2012年度の全国制覇メンバーの多くがセントラルFC宮崎の出身で、主将の矢野大樹やGK浅田卓人ら1期生を中心に、2・3期生も優勝に貢献した。
2026年の選手も、セントラルFC宮崎とプログレッソ日向FCを中心とした宮崎県内の街クラブ出身者が大半を占め、県外出身は少数にとどまる。練習拠点は鵬翔高校の人工芝グラウンドである。
※出典:宮崎産業経営大学公式サイト/鵬翔高校サッカー部公式サイト/Wikipedia(鵬翔中学校・高等学校)
輩出した主なプロ選手
興梠慎三
興梠慎三(2002〜2004年在籍)は、鵬翔高校が輩出した最大のOBである。鹿島アントラーズ(2005〜2012年)、浦和レッズ(2013〜2024年、2022年は北海道コンサドーレ札幌へ期限付き移籍)でプレーし、元日本代表として国際Aマッチ16試合に出場(2008〜2017年)、2016年リオデジャネイロ五輪にはオーバーエイジ枠で出場した。J1リーグ歴代通算得点ランキング2位、J1史上初の9シーズン連続2桁得点、18年連続ゴールなどの記録を持つ。2024年7月31日、2024シーズン限りでの現役引退を発表した。
増田誓志
増田誓志は興梠慎三の1学年上で、ともに全国大会に出場した鵬翔OBである。2004年に鹿島アントラーズに入団後、蔚山現代FC(韓国)、大宮アルディージャ、アル・シャールジャSCC(UAE)、清水エスパルス、ソウルイーランドFCでプレー。元日本代表として国際Aマッチ1試合に出場(2012年)し、2019年12月に現役を引退した。
宇津元伸弥
宇津元伸弥(うつもと しんや)は、宮崎県都城市出身のFW。高城サッカー少年団・高城中学校から鵬翔高校へ進み、宮崎産業経営大学を経て2022年に大分トリニータへ加入した。大学2年次に25得点11アシストで得点王とアシスト王、3年次にも10得点で2年連続の得点王を獲得し、大学在学中の2021年には大分トリニータの特別指定選手としてJリーグデビューを果たしている。2026年現在も大分トリニータに所属し、背番号14を着けている。
このほか、セントラルFC宮崎3期生から鵬翔に進み、2012年度の全国制覇にも貢献した北村知也は、宮崎産業経営大学を経て2019年にロアッソ熊本入りし、テゲバジャーロ宮崎を経て2025年からアトレチコ鈴鹿クラブでプレーする。佐藤颯之介はセントラルFC宮崎の下部組織から鵬翔、宮崎産業経営大学と進み、2026シーズンからアビスパ福岡に加入。2026年8月現在、FW・背番号18でトップチームに在籍している。元木漣は2025年秋に、2026シーズンからのテゲバジャーロ宮崎加入が発表された。
そのほかのOBとして、上田常幸(元コンサドーレ札幌)・入船和真(元サンフレッチェ広島)・宮路洋輔(元アビスパ福岡)・山本郁弥(元横浜F・マリノス)・角島康介(元ファジアーノ岡山)・村山充(元ホンダロックSC)らの名前も伝えられている。
2026年北中米ワールドカップの日本代表26人に鵬翔高校出身者は選出されていない。
補足:プロ選手の現所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式や各クラブ公式でご確認ください。
2026年の注目選手
| ポジション | 選手名 | 学年 | 前所属 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| FW | 金屋拓海 | 3年 | プログレッソ日向FC | 7得点=プリンスリーグ九州2部得点王タイ |
| FW | 土橋翔来 | 3年 | セントラルFC宮崎 | 2得点 |
| MF | 新名羚葵 | 3年 | プログレッソ日向FC | 1得点 |
| MF | 矢田航琉 | 3年 | セントラルFC宮崎 | 1得点 |
| MF | 櫛間斗月 | 2年 | テゲバジャーロ宮崎U-15 | 1得点 |
※学年・前所属はファクトシートで確認できた範囲。得点数はプリンスリーグ九州公式の得点ランキング(第8節終了時点)。
2026年のリーグ戦績
| 節 | 日付 | H/A | 対戦相手 | スコア | 会場 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 4/5 | H | 大津高校3rd | ○3-1 | 鵬翔高校人工芝 | 土橋翔来27分、金屋拓海43分・51分 |
| 第2節 | 4/12 | H | 日章学園高校2nd | △1-1 | 鵬翔高校人工芝 | 金屋拓海67分 |
| 第3節 | 4/19 | A | 佐賀東高校 | ○3-1 | 佐賀東高校 | 金屋拓海31分・62分・84分(ハットトリック) |
| 第4節 | 4/26 | A | 九州国際大学付属高校 | ○2-0 | 九州国際大学KIUフィールド | 土橋翔来11分、金屋拓海32分 |
| 第5節 | 5/3 | A | 東海大学付属福岡高校 | △0-0 | タイガーフィールドスタジアム | — |
| 第6節 | 5/6 | H | 鹿児島高校 | ○2-1 | 鵬翔高校人工芝 | 新名羚葵68分、櫛間斗月85分 |
| 第7節 | 5/10 | H | 大分トリニータU-18 | ●0-4 | 鵬翔高校人工芝 | — |
| 第8節 | 5/17 | A | サガン鳥栖U-18 2nd | ●1-3 | SAGAサンライズパーク南 | 矢田航琉70分 |
→ 第8節終了時点で10チーム中3位、4勝2分2敗・勝点14、12得点11失点(得失点差+1)。第9節(対長崎総合科学大学附属)が延期となっており、鵬翔だけ1試合少ない消化にとどまっている。開幕から第6節まで無敗で首位に立っていたが、第7節に大分トリニータU-18に0-4、第8節にサガン鳥栖U-18 2ndに1-3と連敗し、首位から陥落した。プリンスリーグ九州2部の実施要項では2部の1位・2位が翌年度の1部に昇格すると定められており、鵬翔は昇格を狙える位置につけている。延期となった第9節は8月29日にホームで長崎総合科学大学附属と対戦し、最終節(12月6日)はアウェイで同じ長崎総合科学大学附属と再戦する。
※試合結果・順位は本サイトの順位データ(毎日自動更新)およびプリンスリーグ九州公式・ゲキサカと照合済み(第8節終了時点)。
2026年のインターハイ宮崎県予選
| ラウンド | 日付 | 結果 |
|---|---|---|
| 2回戦 | 5/31 | ○7-0 宮崎北 |
| 3回戦 | 6/3 | ○3-0 日南学園 |
| 準々決勝 | 6/4 | ○1-0 佐土原 |
| 準決勝 | 6/5 | ○1-0 宮崎日大 |
| 決勝 | 6/6 | ●0-1 日章学園 |
鵬翔は決勝で日章学園に0-1で敗れ、準優勝に終わった(全国大会には出場していない)。前年の2025年度も決勝で日章学園に0-2で敗れており、2年連続で日章学園に決勝で敗れて準優勝という結果になっている。