チームの特徴
公立の進学校でありながら、徳島県内屈指のサッカー強豪校としての地位を長年守り続けているのが徳島市立高校である。放課後の練習時間が限られる進学校という条件のもと、個人の突破力よりも「組織力」と「判断スピード」を重視する指導哲学を築き上げ、ライバル校とは異なるアプローチで四国の頂点に立ってきた伝統校である。
スタイル: 全員攻撃・全員守備をベースに、ボールを保持しつつ縦への速さを失わず、連動したプレッシングによる攻守の切り替えを織り交ぜるサッカーを志向する。選手自身が日々のコンディションをデータで管理し、自己管理能力と主体性を高める取り組みも取り入れている。指揮を執る河野博幸監督は同校OBで、現役時代にインターハイ優勝を経験した世代の一人であり、その伝統を受け継ぐ立場にある。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全日本ユース(U-18)選手権 | 優勝(1991年) | |
| 全国高校総体(インターハイ) | 優勝(1992年) | 出場23回 |
| 全国高校サッカー選手権 | ベスト8(2019年度) | 出場22回 |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ四国 | 優勝2回(2014・2015年、連覇) | |
| 高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ四国(2026) | 第9節終了時点6位・勝点12 | 3勝3分3敗・19得点14失点(得失点差+5) |
2025年度・第104回全国高校サッカー選手権では徳島県予選を制し、国立競技場での開幕戦(1回戦)で早稲田実業を4-1で下している(2025年12月28日)。
チームの歩み
1990年代初頭が同校の黄金期である。1991年に全日本ユース(U-18)選手権で初優勝を果たすと、翌1992年には全国高校総体(インターハイ)で全国制覇を達成し、一時代を築いた。高円宮杯JFA U-18プリンスリーグ四国では2014・2015年に連覇を達成している。2019年度の全国高校選手権ではベスト8に進出した。インターハイ徳島県予選でも長年にわたり県内の常勝校として結果を残し続けており、2025年度も予選を制して国立競技場での開幕戦に臨み、白星を挙げた。限られた練習時間を「組織力」と「判断スピード」で補う「思考するサッカー」の伝統は、現在の体制にも受け継がれている。
育成システム
制度上の中高一貫校ではないものの、地元クラブチームや関西圏の強豪街クラブと結びついた広域リクルーティングが特徴である。2026年5月には、約2億7,000万円を投じてサッカー部専用グラウンドの人工芝を全面リニューアルした。敷設から約16年が経過していた人工芝を、(公財)日本サッカー協会公認の「JFAロングパイル人工芝基準」を満たす仕様に更新し、リニューアル面積は7,140㎡に及ぶ。水はけの向上や脚への衝撃軽減に加え、近年の猛暑に対応した温度上昇抑制機能を備え、ライン引きが不要になったことで練習準備の時間短縮にもつながっている。
こうした最新設備と「思考するサッカー」というブランドが、関西圏(兵庫・大阪・奈良など)の有望な選手を引き寄せる磁力となっている。実際、在籍選手の出身クラブにはディアブロッサ高田FC(奈良)、サルパFC・伊丹FC(兵庫)、CANARINHO/FC RIO(大阪)などが名を連ねており、広域からの選手流入を裏付けている。
2026年の体制
2026年の指揮を執るのは河野博幸監督である。同校OBであり、現役時代にはインターハイ優勝を経験した世代の一人でもある。
輩出した主なプロ選手
藤本 主税(元日本代表)
藤本主税は同校が輩出した最も象徴的な存在である。2001年には日本代表としてA代表に出場した経験を持ち、アビスパ福岡でプロキャリアをスタートさせた後、サンフレッチェ広島・名古屋グランパス・大宮アルディージャなどでプレーし、2014年に現役を引退した。引退後は指導者に転じ、AC長野パルセイロの監督を経て、2026年6月にジュビロ磐田トップチームのヘッドコーチに就任した。
現役選手では、實藤友紀(DF)が高知大学を経てプロ入りし、川崎フロンターレ・アビスパ福岡・横浜F・マリノス・ベガルタ仙台を渡り歩いたのち、2025年からカターレ富山でプレーしている。プロ15年を超える息の長いキャリアを誇る。在校時にキャプテンを務めた奥田雄大は、鹿屋体育大学を経て徳島ヴォルティスなどでプレーし、2025年から奈良クラブに所属する。岡健太は産業能率大学を経てラインメール青森でプレーした後、2026年にヴァンラーレ八戸へ完全移籍した。中田舜貴は関東学院大学を経て、2026年にAC長野パルセイロへの加入が内定している。
黄金期のOBとしては、吉成浩司(元ガンバ大阪)・本田征治(元名古屋グランパス)・土居義典(元川崎フロンターレ)・天羽良輔(元徳島ヴォルティス)らの名も挙げられる(いずれも現役を引退している)。
補足:プロ選手の所属クラブは移籍により頻繁に変動します。最新の所属情報はJリーグ公式などでご確認ください。
2026年の注目選手
| 選手 | POS | 2026年リーグ戦成績 |
|---|---|---|
| 山下 蒼士 | FW | 4得点(チーム最多タイ) |
| 藤岡 亮哉 | FW | 4得点(チーム最多タイ) |
| 加藤 遼馬 | DF | 2得点 |
| 東海林 蓮 | MF | 2得点 |
| 芳田 翠 | — | 2得点 |
| 川村 康生 | DF | 1得点 |
| 平川 泰成 | MF | 1得点 |
| 柏木 優一朗 | DF | 1得点 |
得点者が10人に分散しているのは、同校が掲げる「全員攻撃」を体現する結果と言える。中でも山下蒼士と藤岡亮哉がともに4得点でチームトップに並び、攻撃の2枚看板となっている。得点者の合計はチーム総得点の19と一致する。
※学年はサイト方針により個別には記載していません。
2026年プリンスリーグ四国 序盤戦
| 節 | 日付 | 対戦 | H/A | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節※ | 6/13(土) | 高知高校 | H | ○ 1-0 |
| 第2節 | 4/11(土) | カマタマーレ讃岐U-18 | A | ○ 7-0 |
| 第3節 | 4/18(土) | 大手前高松高校 | A | △ 1-1 |
| 第4節 | 4/25(土) | 県立徳島商業高校 | H | ○ 4-1 |
| 第5節 | 5/2(土) | 県立今治東中等教育学校 | H | △ 1-1 |
| 第6節 | 5/9(土) | 愛媛FC U-18 | H | ● 1-4 |
| 第7節 | 5/16(土) | 新田高校 | H | △ 3-3 |
| 第8節 | 6/27(土) | 徳島ヴォルティスユース | A | ● 0-2 |
| 第9節 | 7/4(土) | FC今治U-18 | H | ● 1-2 |
※第1節は本来4/4開催の予定だったが6/13に延期され、徳島市立高校グラウンド(ホーム)で実施された。
→ 第9節終了時点で6位・勝点12・3勝3分3敗・19得点14失点(得失点差+5)。開幕(第2節)のカマタマーレ讃岐U-18戦7-0がシーズン最多得点で、第4節の徳島商業戦4-1など攻撃力の高さが光る一方、上位に立つ愛媛FC U-18戦(1-4)・徳島ヴォルティスユース戦(0-2)にはいずれも敗れている。5位の高知高校とは勝点・得失点差で並ぶが、直接対決となった第1節は1-0で徳島市立が制した。ホームでは6試合を2勝2分2敗、アウェイでは3試合を1勝1分1敗としている。
後半戦は9月5日、第10節・アウェイで高知高校と対戦する(第1節との会場入れ替え)。
※試合結果・順位はJFA公式勝敗表・プリンスリーグ四国公式を出典に照合。順位は毎日の自動更新で最新化されます。