チームの特徴
関西大学北陽高校サッカー部は、大阪府大阪市東淀川区上新庄にある関西大学北陽高等学校のサッカー部で、1926年に創部された。100年近い歴史を持つが、学校自体の創立は前年の1925年(北陽商業学校)で、サッカー部の創部年とは別である。
学校の旧校名は北陽高等学校。2008年に学校法人福武学園と学校法人関西大学の合併により関西大学の併設校となり、現在の校名に改称した。2010年には関西大学北陽中学校を併設し、中高一貫教育が始まっている。
サッカー部は全国制覇2回(1973年度の全国高校サッカー選手権、1978年の全国高校総体)を誇る古豪で、1970年代は「大阪私学7強」の1校に数えられた。
その古豪がいま挑んでいるのが、2025年12月の参入戦を勝ち抜いて手にした、初めてのプリンスリーグである。チームコンセプトは「全員サッカー」。2026年はプリンスリーグ関西2部で5位と健闘する一方、インターハイ大阪府予選は初戦敗退に終わっており、リーグ戦とトーナメントとで対照的な結果が出ている。
主な実績
| 大会 | 実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国高校サッカー選手権 | 出場10回 | 優勝1回(1973年度・第52回)、ベスト4(1977年度・第56回) |
| 全国高校総体(インターハイ) | 出場23回 | 優勝1回(1978年)、準優勝1回(1973年)、ベスト4 4回(1974・1990・1991・1995年) |
| 同 近年の全国大会 | ベスト16(2022年)/出場(2018年) | |
| 全国高校サッカー選手権 大阪府予選 | ベスト8(2025年度) | |
| プリンスリーグ関西2部 | 初参入・5位(2026年第8節終了時点) |
→ 全国制覇2回を誇る古豪でありながら、2018年・2022年とインターハイ全国大会にも出場を重ねている。2025年12月にプリンスリーグ関西の参入戦を突破し、2026年に初めて臨むプリンスリーグの舞台でも5位と健闘している。
チームの歩み
全国大会への初出場は1967年のインターハイである。1965年に監督に就任した野々村征武の指導のもとで力をつけ、1967年夏の全国高校総体に大阪代表として初出場を果たした。
その後1973年度・第52回全国高校サッカー選手権で初出場を果たすと、そのままいきなり全国制覇を成し遂げるという劇的な結果を残した。2回戦で福岡商に3-1、準々決勝で古河一に2-0、準決勝で相模工大付に2-1と勝ち上がり、決勝では藤枝東を2-1で降して優勝した。同じ1973年の夏のインターハイでも決勝に進出したが、児玉(埼玉)との再延長の末に敗れて準優勝に終わった。
1977年度・第56回選手権でもベスト4に進出し、準決勝で帝京に敗れた。そして1978年のインターハイでは決勝で八千代を破って優勝し、これが2つ目の全国タイトルとなった。1990年・1991年・1995年のインターハイでもベスト4に進出している。
近年も全国の舞台から遠ざかってはいない。2018年にはインターハイ全国大会に出場し(1回戦1-0大分、2回戦0-1立正大淞南)、2022年には全国ベスト16まで勝ち上がった(1回戦1-0山形中央、2回戦5-0徳島科学技術、3回戦1-3大津)。
プリンスリーグ初挑戦
2025年度の全国高校サッカー選手権大阪予選はベスト8(準々決勝敗退)に終わった。しかしチームはその後の2025年12月に行われたプリンスリーグ関西 参入戦に大阪第2代表として臨み、1回戦で奈良クラブユースに3-1で勝利するなどして昇格を勝ち取った。
これにより2026年から高円宮杯プリンスリーグ関西2部に初参入した。部の公式サイトに掲載された新幹部のコメントには、この挑戦への思いがつづられている。
昨年は、プリンスリーグ昇格という目標を達成した一方で、改めて激戦区大阪で勝ち抜くことの難しさを実感しました(主将・上柿壮生)
多くの人の支えや努力があって、今年からプリンスリーグに挑戦する事ができます(副主将・室田穏士郎)
指導方針とチームづくり
チームコンセプトは「全員サッカー」である。部の公式サイトはこの理念を次のように説明している。
選手・スタッフのみならず、私たちを支えてくださっているすべての人たちが一つになり、「日本一」という目標に向かって一致団結して取り組んでいます
活動理念は「サッカー部での活動を通して人間力を向上させ、次のステージで活躍できる人材を輩出すること」とされている。2026年2月21日には、16期卒業生から「全員サッカー」の横断幕がチームに寄贈された。
指揮を執る矢田竜之監督は北陽高校のOBで、京都産業大学を経て1999年からコーチとしてチームに加わり、2010年から監督を務めている。JFA公認B級コーチの資格を持つ。
GKコーチの橋満知明はJFA公認B級コーチに加えGK A級の資格も持ち、2008年から在任している。顧問の佐藤大晃・今東翼、学生GKコーチの花谷和磨もいずれも関大北陽のOBで、指導陣の多くを卒業生が占めているのがこのチームの特徴である。
トレーナーは日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー・はり師きゅう師の資格を持つ松本肇と、下田昇歩の2名が務めている。
関西大学の併設校であることから、関西大学サッカー部との合同練習や学生コーチによる指導も行われている。
地域とのつながり
部員から選出されたイベント・企画係が中心となり、地域に根ざした活動に取り組んでいる。柱となっているのは次の3つである。
- 小学生年代を対象としたサッカー教室
- 学校に隣接する高齢者介護施設「エイジ・ガーデン上新庄」でのレクリエーション交流
- 清掃活動(学校内・学校周辺・試合会場。合言葉は「まずは自分から!!」)
2026年2月17日には、近隣の新庄小学校を訪問し、「原点回帰 〜あの頃を思い出す〜」をテーマにレクリエーションを行っている。
チームのエンブレムは、2羽のフクロウ(関西大学の賢者と北陽高校の賢者)がボールを挟んで向かい合う意匠で、赤は情熱、白は正義、緑は調和を表している。上部にある2つの星は、全国制覇2回を示すものである。
輩出した主なプロ選手
山野孝義は1973年度の選手権優勝メンバーの一人で、大阪商業大学からヤンマーに進んだ。日本代表として国際Aマッチ2試合に出場したほか、引退後は国見高校や東京ヴェルディでコーチを務め、Jリーグ開幕後は解説者としても活動した。
長谷川治久も大阪商業大学からヤンマーディーゼルに進み、日本代表として国際Aマッチ15試合4得点を記録した。モスクワ五輪予選やワールドカップ・スペイン大会予選にも出場している。
布部陽功は1989年に入部し、1年生から3年生まですべてレギュラーとして全国大会に5回出場した。ヴェルディ川崎・ジュビロ磐田・ヴィッセル神戸・セレッソ大阪・アビスパ福岡でプレーし、引退後は京都サンガF.C.の監督を務めた。
高畠勉は大阪体育大学から富士通(現・川崎フロンターレ)に進み、引退後は川崎フロンターレの監督を2度務めた。
岩城孝次は北陽高校時代はゴールキーパーとしてプレーし、松下電器サッカー部に加入した。引退後は鍼灸師などの資格を取得し、ガンバ大阪でトレーナーを務め、2005年のJ1初優勝と2008年のACL制覇を支えた。
入柿堅志は190cm・81kgのDFで、枚方サンクラブ・招提中学校から関大北陽に進み、IPU・環太平洋大学を経て2026シーズンからJFLの沖縄SVに加入した。加入1年目から背番号5で最終ラインに入り、2026年6月7日のラインメール青森戦では18分と35分に2得点を挙げている。
このように関大北陽は、日本代表を2人(山野孝義・長谷川治久)、Jリーグの監督経験者を2人(布部陽功・高畠勉)輩出している。
プロ選手の現所属クラブは移籍により変動する場合があります。最新の所属情報は各クラブ公式サイトなどでご確認ください。
サッカー部出身の著名人
又吉直樹(お笑いコンビ「ピース」/芥川賞作家)はサッカー部OBである。左ウィングバックでプレーし、3年時は副キャプテンを務め、大阪府代表としてインターハイに出場した経験を持つ。芥川賞の賞金で製作したユニフォームを母校サッカー部に寄贈している。
お見送り芸人しんいち(R-1グランプリ2022王者)もサッカー部OBで、インターハイ出場経験を持つ。又吉はサッカー部の先輩にあたる。
2026年の注目選手
| 選手 | 学年 | 前所属 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 上柿壮生 | 3年 | FC PASENO ITAMI | 主将(背番号28) |
| 水野仁 | 3年 | 東海大学付属大阪仰星中学校 | 背番号22。プリンスリーグ2026でチーム最多タイの3得点 |
| 内野寛斗 | 2年 | 本庄中学校 | 背番号64。プリンスリーグ2026でチーム最多タイの3得点。2年生ながらチームのキーマン |
| 北野碧 | 3年 | RIP ACE SC | 背番号33。プリンスリーグ2026で2得点 |
| 尾﨑藍斗 | 3年 | FCソレイユ | 背番号37。第8節で得点 |
| 上西敢太 | 3年 | アイリスFC住吉 | 背番号25。第4節で得点 |
| 島尾恒仁 | 3年 | 住吉大社SC | 背番号29。第5節で得点 |
| 河井哲平 | 3年 | 神戸FC | 背番号26。第8節で得点 |
| 髙島大吾 | 3年 | 京都JマルカFC | 副主将(背番号31) |
| 室田穏士郎 | 3年 | いわてグルージャ盛岡ジュニアユース | 副主将(背番号34) |
※学年・背番号は部公式サイトの2026年度選手紹介ページによる。前年度の主力(2025年度の卒業生)は除外している。
部公式の2026年度選手紹介ページには、3学年で89名の選手とマネージャー4名が掲載されている。前所属は千里丘FCが最も多く3学年で11名を数え、ヴィッセル神戸・ガンバ大阪・京都サンガ・FC大阪といったJクラブのアカデミー出身者、公立中学校の部活動出身者、いわてグルージャ盛岡ジュニアユースから兄弟で加わった選手など、幅広い経歴の選手が混在している。
3年生には関西大学北陽中学校からの内部進学者が5名(山﨑理玖斗・村野叶空・田中瑛大・曽我部颯来・中野晴喜)在籍している。
2026年 プリンスリーグ関西2部 戦績
| 節 | 対戦 | 結果 | 得点者 |
|---|---|---|---|
| 第1節 | 関西学院 | ○2-1 | 北野碧(7分)、内野寛斗(19分) |
| 第2節 | 東海大仰星 | △1-1 | 水野仁(48分) |
| 第3節 | 大阪桐蔭 | ●0-2 | — |
| 第4節 | 金光大阪 | ○3-0 | 上西敢太(45+2分)、北野碧(49分)、水野仁(59分) |
| 第5節 | 京都橘(B) | △2-2 | 木村一樹(45分)、島尾恒仁(64分) |
| 第6節 | 滝川第二 | ●0-3 | — |
| 第7節 | 近江(B) | ○1-0 | 内野寛斗(38分) |
| 第8節 | 京都共栄学園 | ○4-1 | 内野寛斗(8分)、水野仁(46分)、尾﨑藍斗(62分)、河井哲平(64分) |
| 第9節 | ヴィッセル神戸U-18(B) | 未消化 | — |
8試合を終えて4勝2分2敗・勝点14・13得点10失点・得失点差+3で5位につけている。第9節のヴィッセル神戸U-18(B)戦は6月20日に大雨の影響で中断され、8月29日に再開される予定である。この試合の当事者である関大北陽とヴィッセル神戸U-18(B)以外の8チームはすでに9試合を消化しており、関大北陽は1試合少ない状態での5位である。
得点は8人で13点を分け合っており、内野寛斗と水野仁の3得点がチーム最多で、得点者の合計はチーム総得点と一致する。第10節以降は9月6日から再開される。
2026年度 インターハイ大阪府予選
2026年度のインターハイ大阪府予選では、中央トーナメント1回戦(5月17日)で羽衣学園に0-1で敗れ、初戦敗退に終わった。プリンスリーグ関西2部では5位と健闘するリーグ戦での積み上げに対し、一発勝負のトーナメントでは結果を残せておらず、今のチームの2つの顔を映す結果となった。
なお、この年の大会は近畿大学附属が優勝している。