高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ2026の後半戦(9月5日〜11月20日)の登録メンバーが発表されました。24チームで63人が抹消・83人が追加という大きな入れ替えのなかに、中学3年生が21人います。中学生がなぜ高校生のリーグに登録できるのか、その条件を大会要項の条文で確認し、21人の前所属を1人ずつ並べて「誰がどこで育ったのか」を読み解きます。
【プレミアリーグ2026後半】中学3年生が21人、高校生リーグの登録メンバーに入っている
高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ2026の後半戦(9月5日〜11月20日)の登録メンバーが発表されました。あわせてJFAから「選手変更一覧」(2026年8月25日更新)が公開され、24チームすべてが登録を動かしています。
数字だけ先に置きます。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 登録を抹消された選手 | 63人 |
| 新たに追加された選手 | 83人 |
| うち中学3年生(第3種選手)の追加 | 14人 |
| 後半戦の登録メンバーに入っている中学3年生(既登録を含む) | 21人 |
順位表やスコアを追いかけていると見落としがちですが、この「選手変更一覧」は年に数回しか出てこない、育成の構造がそのまま数字になって現れる資料です。今回はそこに、高校生のリーグに登録された中学3年生が21人いました。
この記事では、①中学生がなぜ高校生のリーグに登録できるのかを大会要項の条文で確認し、②21人が誰でどこで育ったのかを並べ、③残る追加選手69人がどこから来たのかまで見ていきます。
なお、選手の抹消理由は各チームが公表するものではなく、本記事はJFAが公開した登録情報に書かれている事実だけを扱います。抹消の理由について推測は行いません。
中学3年生が21人、6チームに登録されている
まず全体像です。後半戦(9月5日〜11月20日)の登録メンバーに入っている中学3年生は、6チームで21人でした。
| チーム | 中3の人数 | 今回の9月変更で追加された人数 |
|---|---|---|
| ヴィッセル神戸U-18 | 8人 | 8人(全員が新規) |
| FC東京U-18 | 4人 | 4人(全員が新規) |
| ファジアーノ岡山U-18 | 4人 | 0人(前半から登録済み) |
| ジュビロ磐田U-18 | 2人 | 2人(全員が新規) |
| ベガルタ仙台ユース | 2人 | 0人(前半から登録済み) |
| 昌平高校 | 1人 | 0人(前半から登録済み) |
| 合計 | 21人 | 14人 |
ヴィッセル神戸U-18の8人が突出しています。背番号45・46・47・48・49と、飛んで58・59・60。1回の登録変更で中学生を8人まとめて加えたのは、今回の資料のなかで最も目を引く動きです。
そして最後の行に注目してください。昌平高校だけが、高体連の高校で唯一、中学3年生を登録しています。これには理由があります。
なぜ中学生が高校生のリーグに登録できるのか
「飛び級」と呼ばれることが多いこの登録ですが、正確には特別扱いではなく、大会要項に書かれた条件を満たしたチームだけが使える仕組みです。JFAの実施要項には、こう書かれています。
本協会により「クラブ申請」を承認された「クラブ」に所属するチームについては、同一クラブ内のチーム間であれば移籍手続きを行うことなく本大会に参加させることができる。なお、本項の適用対象となる選手の年齢は第3・4種年代のみとし、第2種およびそれ以上の年代の選手は適用対象外とする。
— 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2026 プレーオフ 実施要項「参加資格」(2)②
サッカーの登録は年代で区分されていて、高校生年代が第2種、中学生年代が第3種、小学生年代が第4種です。プレミアリーグは第2種の大会なので、出場資格は原則として第2種登録の選手に限られます。
その例外がこの条文です。ポイントは3つあります。
- 「クラブ申請」を承認されたクラブであること。JFAに「クラブ」として申請し承認された組織——たとえば同じクラブの下にU-18とU-15を持つJクラブのアカデミー——であることが条件です。
- 同一クラブ内であること。よそのチームの中学生を連れてくることはできません。あくまで自分のクラブのU-15にいる選手を、上のカテゴリの試合に出せるようにする制度です。
- 対象は第3種・第4種年代のみ。逆に「高校生を中学生の大会に出す」方向には使えません。
つまりこれは、一人の選手を強引に持ち上げる制度ではなく、同じクラブの中で年代の壁を薄くしておく制度です。J クラブのアカデミーがU-15とU-18を一体で運営している以上、素直に使える仕組みだということになります。
なお、地域のプリンスリーグや都道府県リーグの要項には、人数についてもっと踏み込んだ記述があります。
クラブ申請を行っているチームの第3種選手は、登録人数に含めずに人数の制限もない。
— 高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2026 福井 実施要項「参加資格」3)(同趣旨の記述が高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2025北信越 大会要項 10.(3) にもあります)
第3種の選手は、そもそも登録人数の枠に数えない。だから人数制限もない。神戸が一度に8人を加えられたのは、この考え方が背景にあります(プレミアリーグ本体の大会要項PDFは公開されていないため、同一の条項がプレミアにもあるかどうかは確認できていません。ただし実際に8人の追加が受理されている事実は、資料のとおりです)。
高体連で唯一、昌平だけが中3を登録できている理由
ここで昌平高校に戻ります。
プレミアリーグ2026の24チームは、Jクラブのアカデミーが15、高体連の高校が9という内訳です。中学3年生を登録している6チームのうち5つはJクラブのアカデミーで、高校は昌平だけでした。
要項の条件と突き合わせると、答えはひとつです。昌平は「クラブ申請」を承認されたクラブとして扱われている、ということになります。
昌平高校サッカー部は2012年に中学生年代のクラブFC LAVIDA(ラヴィーダ)を創設し、高校の下部組織として6年間の一貫指導を行っています。埼玉県内だけでなく関東近郊から、昌平でプレーすることを見越してLAVIDAの門を叩く中学生がいるほどの規模です。
当サイトが集計したインターハイ2026出場51校・1,428人の前所属データでも、FC LAVIDAは全国最多の供給元(20人)で、うち19人が昌平でした。今回の9月変更でも、昌平が追加した3人のうち1人(GK岩杉颯太・1年)の前所属はFC LAVIDAです。
一方で、同じく中高一貫の育成体制を持つ神村学園高等部は、今回神村学園中等部から4人を追加していますが、これは中学3年生の登録ではなく高校1年生の「規定人数内追加」です。中等部と高等部という学校の一貫体制と、JFAの「クラブ申請」は別の話だ、ということがここに現れています。
「部活動の6年一貫化」がよく語られますが、プレミアリーグの登録メンバーという一枚の資料の上では、その差は「中3を登録できるか否か」という形で現れるわけです。
21人はどこで育った子どもたちなのか
では、その中学3年生21人はどこから来たのでしょうか。登録資料の「前所属チーム」欄は、いまいるクラブのひとつ前——つまり小学生年代(第4種)のクラブを指しています。
ヴィッセル神戸U-18(8人・すべて9月に新規追加)
| 背番号 | Pos | 選手 | 前所属 |
|---|---|---|---|
| 45 | FW | 西田 大輔 | TSK粟生SC |
| 46 | MF | 岡部 遥希 | 西宮サッカースクール |
| 47 | DF | 水口 航志 | ヴィッセル神戸U-12 |
| 48 | MF | 波多野 叶人 | 末広FC |
| 49 | DF | マブ ディケ優真 | ROROZO(ロロゾ)FUTSAL CLUB |
| 58 | FW | 藪田 一輝 | FCドライゼスク |
| 59 | MF | 高見 琉生 | FCフレスカ神戸(第4種) |
| 60 | MF | 楠本 一輝 | 石切東FC |
8人のうち、ヴィッセル神戸自身のジュニアから上がったのは水口航志の1人だけです。残る7人は地域のクラブ、スクール、少年団。49番のマブ ディケ優真にいたっては、前所属がフットサルクラブです(JFAの規則上、サッカーとフットサルの加盟チームには同時に登録できます)。
FC東京U-18(4人・すべて9月に新規追加)
| 背番号 | Pos | 選手 | 前所属 |
|---|---|---|---|
| 45 | MF | 内田 桜助 | 船橋FC |
| 46 | DF | 佐藤 直紀 | バディーSC |
| 47 | FW | 安達 一平 | レジスタFC |
| 55 | GK | 森下 悠聖 | 二子玉川スポーツ少年団 |
4人とも、前所属はクラブ・スクール・少年団です。
そのほかの4チーム(9人)
| チーム | 背番号 | Pos | 選手 | 前所属 |
|---|---|---|---|---|
| ファジアーノ岡山U-18 | 44 | MF | 金子 諒哉 | ファジアーノ岡山U-12 |
| ファジアーノ岡山U-18 | 45 | DF | 竹内 琉偉 | 玉島FC |
| ファジアーノ岡山U-18 | 47 | DF | 池田 葵翔 | ファジアーノ岡山U-12 |
| ファジアーノ岡山U-18 | 48 | MF | 竹内 咲翔 | ファジアーノ岡山U-12 |
| ジュビロ磐田U-18 | 38 | DF | 梶原 琉来 | キューズFC浜松 |
| ジュビロ磐田U-18 | 39 | DF | 宮崎 朔玖 | 大須賀SSS |
| ベガルタ仙台ユース | 45 | MF | 上野 玲音 | ベガルタ仙台ジュニア |
| ベガルタ仙台ユース | 57 | GK | 佐野 出帆 | ラソススポルチクルービ仙台 |
| 昌平高校 | 40 | GK | 近藤 大和 | 田口フットボールアカデミー |
21人の前所属欄にJクラブのジュニアの名前が出てくるのは5件だけです(ヴィッセル神戸U-12が1、ファジアーノ岡山U-12が3、ベガルタ仙台ジュニアが1)。残る16人、76%は街のクラブ・スクール・少年団・フットサルクラブから来ています。
この数字は、当サイトが集計したインターハイ2026出場51校1,428人のデータ(街クラブ72.8%)や、J1開幕戦に先発した10代2人がどちらも街クラブ育ちだった話と、きれいに重なります。
「Jクラブのアカデミーに入るための入口は、Jクラブのアカデミーではない」——同じ結論が、また別の資料から出てきた形です。小学生年代でどこにいたかは、その先を決めていません。
残る追加69人はどこから来たか
中学3年生14人を除いた通常の追加は69人です。ここには、Jクラブのアカデミーと高体連の高校で、はっきりした違いが出ました。
Jクラブのアカデミー15チーム(通常追加33人)
33人中27人(82%)が、自クラブの下部組織・系列クラブからの引き上げでした。
- 鹿島アントラーズユースの追加4人は、全員が鹿島の系列(アントラーズJY・ノルテJY・つくばJY)
- ガンバ大阪ユースの追加4人も、全員がガンバ大阪JY・門真JY。しかも3年生に背番号4と10(久保颯助・安井司)を与えています
- 名古屋グランパスU-18は4人中3人が名古屋グランパスU-15
外部から獲ったのは6人だけで、そのうち2人は海外のクラブからでした。
| チーム | 選手 | 前所属 |
|---|---|---|
| 横浜FCユース | ケイシー・チャンプリン・ロジャース(GK・3年) | BGタンピネス・ローバース・リザーブズ/シンガポール |
| サガン鳥栖U-18 | 谷 大地(FW・3年) | FCソウルU-15/大韓民国 |
シーズン途中の9月に、シンガポールと韓国から高校3年生を1人ずつ。地味な行に見えますが、U-18年代の選手獲得が国内で完結しなくなっていることの現れです。
高体連の高校9チーム(追加36人)
こちらは自クラブの下部組織という概念がないぶん、全員が外部からの登録になります。内訳は次のとおりでした。
| 前所属の区分 | 人数 |
|---|---|
| 街クラブ・スクール等 | 23人(64%) |
| Jクラブの下部組織 | 7人 |
| 自校の中学・中等部 | 5人 |
| JFAアカデミー | 1人 |
Jクラブの下部組織から高体連の高校へ、という流れが7人。大津高校の追加4人のうち3人がロアッソ熊本JY(2人)とV・ファーレン長崎U-15、青森山田高校は柏レイソルA.A長生・水戸ホーリーホックJY・北海道コンサドーレ釧路U-15から3人、流通経済大学付属柏高校は川崎フロンターレU-15生田とJFAアカデミー福島U-15から。中学でJクラブのアカデミーにいた選手が、高校で高体連を選ぶ流れは細いながら確かにあります。
入れ替えが大きかったチーム
最後に、9月の登録変更で人数が大きく動いたチームを並べます。
| チーム | 抹消 | 追加 | 区分 |
|---|---|---|---|
| ヴィッセル神戸U-18 | 2 | 10 | Jアカデミー |
| 帝京長岡高校 | 7 | 7 | 高体連 |
| 青森山田高校 | 6 | 6 | 高体連 |
| 神村学園高等部 | 2 | 6 | 高体連 |
| 流通経済大学付属柏高校 | 5 | 5 | 高体連 |
| FC東京U-18 | 1 | 5 | Jアカデミー |
| 鹿島アントラーズユース/横浜FCユース/名古屋グランパスU-18/ガンバ大阪ユース/大津高校 | 各4 | 各4 | — |
抹消より追加が多いのは5チームだけで、そのうち3チーム(神戸+8・FC東京+4・磐田+2)の増加分は、そのまま中学3年生の人数と一致します。残る2チーム(神村学園+4・米子北+2)は資料に「規定人数内追加」と明記されていました。それ以外の19チームはすべて抹消と追加が同数、つまり1対1の入れ替えです。
登録メンバーの枠は決まっていて、誰かを入れるには誰かを抜くしかない。中学3年生だけがその外側にいる——枠の構造が、そのまま数字に出ています。
帝京長岡の7人入れ替えは今回の最多で、追加7人は全員が街クラブ出身。そのうちの1人、平龍星(2年)の前所属FCフォーリクラッセ仙台は、J1開幕戦で最年少デビュー弾を決めた三井寺眞の古巣です(同クラブは2026年3月に「FCフォーリクラッセ東北」へ改称しています)。
後半戦はここから
プレミアリーグ2026は第12節(9月5日・6日)から再開し、第18節(10月17日・18日)までを走ったあと、11月21日から終盤戦に入ります。最終節は12月13日、ファイナルは12月20日です。
前半戦の総括はこちらにまとめています。
順位・日程・戦績表は毎日自動更新しています。
そして今回登録された中学3年生21人が育ってきた中学生年代については、U-15コンテンツのページにまとめています。彼らの何人かは、来春そのまま同じチームのユースに上がってくるはずです。
よくある質問
中学生がプレミアリーグの試合に出ることはできますか?
登録メンバーに入っていれば出場できます。JFAの実施要項は「クラブ申請」を承認されたクラブに所属するチームについて、同一クラブ内であれば第3種・第4種年代の選手を大会に参加させられると定めています。ただし登録されることと実際に出場することは別で、今回登録された21人はいずれも前半戦の出場記録がありません。
なぜ高体連の高校はほとんど中学生を登録できないのですか?
要項が「高体連は不可」と書いているわけではありません。条件が「JFAに『クラブ申請』を承認された『クラブ』に所属するチーム」であり、かつ「同一クラブ内」に限られるためです。高校の部活動は単独の第2種加盟チームで、同じクラブの中に第3種のチームを持たないのが通常なので、この条項の適用外になります。プレミアリーグ2026で唯一の例外が、中学生年代のFC LAVIDAを下部組織に持つ昌平高校です。
第3種の選手を登録すると、登録メンバーの枠を圧迫しませんか?
地域プリンスリーグや都道府県リーグの要項には「クラブ申請を行っているチームの第3種選手は登録人数に含めずに人数の制限もない」と明記されています。プレミアリーグ本体の要項は公開されていないため同一の条項は確認できませんが、今回ヴィッセル神戸U-18が中学3年生8人を一度に追加し、抹消は2人だけだったという事実は、枠の外で扱われていることを示しています。
「選手変更一覧」はどこで見られますか?
JFA(日本サッカー協会)が高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグの大会サイトで公開しています。本記事は2026年8月25日更新版と、後半戦(9月5日〜11月20日)の登録メンバー一覧を突き合わせて集計しました。
この記事のデータについて:本記事の人数はすべて、JFA公開の「選手変更一覧」(2026年8月25日更新)と、プレミアリーグEAST/WESTの後半メンバー登録一覧から集計しました。選手名・背番号・前所属の表記は原資料に従っています。制度に関する記述は各大会の実施要項の条文に基づいており、要項に書かれていない事柄については推測を行っていません。選手の登録抹消の理由は公表されないため、本記事では扱いません。